授業の核は何といっても説明だと思う。
知識が0の生徒に『さぁ演習だ!』と言うのは、材料を何も与えずに『料理を作れ!』という指示を出すのに等しい。ある程度のアシストは必要だ。
―とはいえ、僕らの仕事の最たるものである『説明』には、ある大きな落とし穴が潜んでいる。
僕自身もそれを知ることで多くの気づきと学びがあったので、ここでシェアしておく。
『説明の落とし穴』とは?
この図を見れば一発だ。
https://fumakilla.jp/foryourlife/140/
いわゆる『ラーニング・ピラミッド』というもので、てっぺんに行けば行くほど、学習定着度が低い、という意味。
これによれば、なんと一番『身につかない』学習法こそ、講義(つまり説明)なのだという。
何とまぁ。僕らが頑張って100のことを話しても、生徒の頭に残るのはその内のたった5なのだ。
確かに、高校とか大学の授業を思い出そうにも、ほっとんど全く思い出すことができない。塾講師には辛い現実である。
だが、落とし穴はこれだけではない。何かを『説明』する際には、聞き手の集中力がどれくらい持つか?も知っておいた方がベター。
ここで一旦考えてみてほしい。一般的に、人間の集中力はどれくらい持続するものだと思われるだろうか?
『集中力の限界』とは?
ってことで答え合わせ。ざっくり15~25分である。
訓練次第では45分に、そして好きなことでゾーンに入れば90分にそれぞれ伸びるらしいが・・
基本、退屈と捉われがちな『授業』について、生徒がそこまでの集中力を発揮し持続するのは、期待しない方が良さげ。
ということで『説明』の落とし穴についてまとめると、
・そもそも聞き手の頭には、工夫が無いと5%ほどしか残らない!
・しかも、人間の集中力は15~25分くらいしか続かない!
となる。40分も50分もダーッと喋り、集中しろ!ちゃんと聞いて覚えろ!というのは、実は暴論なんだなあと実感するワケで。
―ってことで最後に、これらを踏まえ、今のところ僕が取り入れてまあまあ成果の出ている『授業時間の組み立て方』をご紹介。
折衷案。
当たり前の話なのだが、『説明』→『演習』を、15~25分で切り替えるというものだ。
さっきのラーニングピラミッドを再掲すると、効果が高い学習法の中に『練習』というのが見える。
https://fumakilla.jp/foryourlife/140/
勿論、説明は必要だ。だがそれは最小限にして、学習法として効果の高い『練習(つまり問題演習)』に時間を割く方が良さげ。
実際それを心掛けて、授業時間の20%くらいを説明に、そして残りを演習に、と言う風に配分を極端にしたところ・・
やはり成績は全体的に伸びた。うーん、説明が僕らの仕事なのに、それを削る方が点数伸びちゃうって、なかなかねぇ。
ということで、『説明』をしても生徒が聞いてくれない!頭に残してくれない!とお悩みならば、そもそもの時間配分を見直してみては?
という提案をもって、今日はここまでとする。