僕の教え子にもたまにいるのだが、頑なに悪い方へ考えるタイプというのがある。
僕『今回、模試、めっちゃ成績いいじゃん!』
生『でも・・算数のここができてないです・・』
僕『けど、国語今回トップ5だよ!』
生『じゃあまだ上に4人いるんですね・・』
という具合。褒めてあげたいのに、自ら自分の自信を砕いていくという感じに近い。
以前までならただのネガティブで片付けていたのだが、実はこのやり取り、ちょっぴり厄介な心理が働いているかもしれない。
それは、『インポスター・シンドローム』というもの。別名、『詐欺師症候群』という、少し特徴的な考え方の名称だ。
今日は少し物騒な響きのそれについて、手短にまとめてみる。
『インポスター・シンドロームとは?』
一体どんな症状(大げさだけど)なのか?簡単に言えば、
・自分は成功に値しない人間だと思ってしまう。
・時たま良い成果を出しても、それは実力ではなく運や他者の努力によるものと捉える。
・逆に、悪い結果が出れば、何の因果関係が無くても自分のせいだと考えてしまう。
という具合。うーん、不健全、不健全。
これは大なり小なり大多数の人が経験することなので、別に病気でもなんでもないのだが、度を超すとやはりロクなことにはならない。
例えば、自分に自信をつけるためには『小さな成功体験』を重ねることが大切である。
しかし、この症状・考え方になっていると、その成功すら自分で全て否定するので、その効き目が消える。それどころか、更に自分を追い詰めてしまうことも。
ということで、自分の生徒に該当するタイプが居るなら、こちらとして出来るケアはしてあげた方が良さげ。
『インポスター・シンドローム』を打破するには?
この記事が大変参考になる。
書いてあることを踏まえて、『インポスタ―気味』の生徒にどういう声掛けをするかだが・・。
やはり、『この成功は自分が頑張ったからだ』というのを理解させる必要があると言える。
簡単に言えば、『今回の結果は、自分のどういう取り組みが効いたと思う?』みたいな質問を投げかける、というのがオススメ。
実際に、記事の最初に挙げた生徒に、後ほどこんなやり取りをしている。
僕『今回国語の小説と漢字が良くできているけど、ここ最近この分野で具体的に何を頑張ったかな?』
生『えーと、小説は毎日解くようにしたし、漢字の勉強も毎日やった』
僕『じゃあ、その成果がきちんと出てるね。運やまぐれで出せる点じゃないよ!』
生『うーん、そうかなぁ・・。』
僕『なら、次にもっと算数を伸ばすためにも、この頑張り方を使えるんじゃない?ちょっと考えてみよう!』
―等々。ネガティブに落ち込みそうならそれを食い止めて、なるべく未来に、或いは上手くいったことに目を向けさせるようにやり取りをした。
結果、最終的には晴れ晴れとした顔になっていたので、多少は効き目があったのではと思う。
―まぁ、この辺は『塾講師の仕事じゃない!』と割り切る方も多いだろうが、生徒の様子として気になるところがあるのなら・・。
こういった別目線からのアプローチもアリかもよ!という提案をもって、今日はこの辺で終わりとする。
※より『インポスター・シンドローム』について知りたい方はこちらを参照してほしい。↓