『うちの子、国語力が無くて・・』という相談をよく受ける。
『俺、国語力ねぇし・・』という相談もよく受ける。
つまり、日本語だけど『国語』に難儀する方は多いというのが僕の印象である。
『国語は全ての強化の土台である』という意見もあるくらいだし、ここが苦手なら、他の科目にもよくない影響を与えるのは必須。
いやー、どうやってこの辺と向き合うか。今日はこのテーマについて、私見をうだうだと論じたいと思う。
①例文付きの問題集で漢字を練習する。
日本語の文において、『意味』を表すのはほとんど『漢字』である。よくわからない。
例えば、『俺、昨日焼き肉を食べたよ!』という文からひらがなを消し、『俺、昨日焼肉食』としても、大体の意味は分かるのではなかろうか。
つまり、『漢字』の知識や感覚に疎いと、読解もクソもないのは当然の話である。だから、漢字の学習には強く力を入れさせたい。
オススメは何といっても、例文を基に、『意味と使いどころ』をセットで覚えていく方法だ。
例えば、『収める』『治める』『納める』『修める』とだけ並べられても、違いがチンプンカンプンである。
しかし、『服を収める』『国を治める』『税金を納める』『学問を修める』という目的語がついていれば、理解のしやすさは格段に変わる。
そこから転じて、『収納』『統治』『修学』といった二字熟語までカンが働けばかなり強い。
一石何鳥にもなる学習法なので、国語力うんぬんを心配するなら、僕はまず『漢字』で『語彙力』を鍛えるのがベターだと思う。
②漫画で喜怒哀楽をストック。
小説が苦手な生徒を見ていると、『感情』を表す語句に弱いパターンが圧倒的だ。
『顔をしかめるって何?』『まぶたが熱くなるってどういう状況?』という具合。ここに疎いと、記述が弱くなる。
例えば、『なぜまぶたが熱くなったのか?』という問いに対し、『風邪を引いたから』と答えてしまう生徒もいた。それを聞いて僕のまぶたが熱くなりそうだ。
―とはいえ、やはり『喜怒哀楽』をイメージするにあたり、『具体的な描写』は大切だと思う。だからこそ、僕は『漫画』は大いにアリだと感じるワケで。
もちろん『漫画』は『絵(とセリフ)』で感情を表現するため、いちいち『胸がときめく』などと描写しないのが普通である。
しかし、いざそういった言葉を調べる段階になって、『あぁ、あの漫画のあの場面の感じかあ』と納得できる材料としてはとても重要だ。
感情を表す言葉に疎いなら、『漫画』をどんどん読ませてみてはどうだろうか。
③コトバって面白い!と思わせる。
そもそも興味が無いものの知識を深めようなんて、だれでも思わないワケで。では、そういう興味を掻き立てるモノを読んでみては?と思う。
月並みだが、このシリーズは『日本語の面白さとアバウトさ』を別角度から理解するという点で、大変優れている。
この本は校舎の本棚に入れているのだが、授業のために教室へ入ると、大体2人以上は必ずこれを読んでいるほどだ。
学習参考書ではないので、面白さやユルさに富んでいるのもまた嬉しい。
色々とまだまだ推したい本はあるが、やたら長くなるので今日はこの1冊にとどめておく。
終わりに。
文系担当なら永遠のテーマともいえる『国語力』。
得意な人ほど自分がどう鍛えてきたか、無自覚だったりわからなかったりで、教えるのに難儀する分野でもある。
そういった方々に響くことが書けていれば嬉しい。それでは今日はこの辺で。