今でこそ『英語』をメインで指導している僕だが、実は高校2年まで、偏差値は50を下回っていた。
その時出会った本と学習法で何故か覚醒し、気づけば自己ベスト偏差値72くらいまで上げることができた。人生、何が起きるかわからない。
ここから考えると、勉強でくすぶっている生徒も、何かしらの『興味』なり『成功体験』なりを抱くことで、大化けする可能性を秘めていると言えそうだ。
後者は滅茶苦茶難しい問題なので、今日は前者に絞って、僕なりの『興味』を持てそうな取っ掛かりをご紹介してみる。
国語
①『意味が分かると怖い話』
いつ頃からかは分からないが、ネットで大量に広まっているシリーズ。
さらりと一読すると何が怖いかわからないが、正しく理解できれば、ゾッとする真実が隠されている・・という構成がほとんどだ。
これは逆に言うと、『意味が分からなければ怖くない』ということ。つまり読み手は、必死に言葉の意味とか論理構成などを追っかけることになる。
実はこれこそが、国語の読解において必須のスキルであり、同時に授業で伝えればツマラナイ話とされるものである。
苦手な生徒はどこまでも嫌がるが、小5~中3まで、反応は上々。『話を読む』→『理解する』という取っ掛かりとして、悪くないと僕は思う。
②『日本人の知らない日本語』
個人的に一番オススメ。是非とも!と思ったので、自腹で全巻購入し、校舎に置いているほどだ。
日本に住んでいると気づけない日本語の微妙な意味やニュアンスなどを、笑いながら学べて、同時に考えさせてくれる良書。
大人も学べることが多いので、是非とも手に取ってみてほしい。
数学
①Tパズル
仮説→思考→実践→修整、そして閃き。実は、数学に必要な思考全てを総動員する必要があるため、学習効果は高い。
また、思考に思考を重ねて、それが出来上がった時の達成感も大きい。
値段もそんなにしないので、家なり校舎なりに導入するのは大いにアリである。
②100マス計算(もとい何かしらの競争)
実のところ、僕は数学がずっと苦手科目だった。理解がなかなかできず、興味もわかず、出来もせず。
しかし、小学生の頃に実施されていた『100マス計算』だけは熱中した。変に解くスピードがあったので、クラスのトップの男(公文)に勝とうと四苦八苦。
結果2勝30敗くらいではあったが、やりがいや達成感、面白さはあった。
どこまでも苦手な科目については、シンプルな要素にまで絞り、競争なりゲームなりを盛り込むのが吉だと感じるエピソードである。
英語
①『その英語、ネイティブには正反対に聞こえます』
その本がコレである。 『日本人の知らない日本語』の、外国人目線版と言ったところか。
簡単に言えば、日本人がやらかしがちな英語のミスと、そのトンチンカンな訳、正しい言い方がまとまったもので、普通に読み物として面白い。
それだけでなく、『watch』と『look at』や『write』と『draw』の違いなどがさりげなくまとまっており、学べる量も深い。
僕はこれを読んで初めて、『英語って面白いとこあるじゃん!』と思うことができ、後は勝手に学習を進めて今に至る・・という具合。
やはり『できる』の前には『わかる』があり、『わかる』の前には『好き』があるものだなと、今さら強く感じている。
②『英語漬け』
んで、成績が跳ね上がった時期にもう1つ出会ったのが、コレ。
今となっては前時代になりつつあるが、DSの学習ソフトの一つ。しかし、これを軽視することなかれ。
英単語の学習と言う退屈なものがゲーム感覚で学べる上、発音なども同時に学習できる優れものである。
中3で英検2級に受かった友達の推薦で買ったら、不思議とハマってしまった。今買えば、数百円ではなかろうか。
パクられないよう対策をした上で、DSごと校舎に置きたい。それくらい推薦できるゲームである。
理科
①『空想科学読本』
言わずと知れた名シリーズ。
空想世界(つまりアニメや特撮の世界)の技などを現実世界で起こしてみると・・と言ったものを、どこまでも現実的に考察するというもの。
ウルトラマンは、設定どおりの速度で空を飛ぶと頭の上半分が吹き飛ぶなど、結構怖いけど笑えて仕方ない話がてんこ盛りである。
基本は『物理』の話が多くなるが、ちゃんと『生物』や『科学』の話も盛り込まれているので、理科全体の興味を育むのに適しているかなと。
理科オンチの僕でも十分楽しめたので、皆様なら言わずもがな、である。
②『物理エンジンくん』
読書が苦手ならコチラがオススメ。先の『空想科学読本』を、仮想空間でシミュレーションしてみた、というようなイメージのチャンネル。
計算式やイラストだけではイメージしづらいことも、視覚化すればなんてことはない。組み合わせれば一層理科が好きになれそうだ。
余談だが、『人類VS地球シリーズ』が、僕のお気に入りである。
社会
①『学習まんが・日本の歴史』
こちらも超有名シリーズ。やはり『漫画』という親しみのある手段で、『歴史』の流れをつかんでおくのは大切だ。
流れとは乱暴に言えば、『ざっくり何がどういう原因で、どういう順番で起きたか』という話である。
サンジが仲間になってから、アーロンパークを襲撃したよな、とかそういう感じ。
教科書の記述は、裏話等を知らないと面白いとは思えない。だからこそ、如何に面白くするか?の工夫は大切にしたい。
②『日本史の奇談シリーズ』
こちらは完全なる眉唾物な内容だが、興味を持つという意味ではあり。
突拍子が無いものが多いが、時たま『あ~、あるかもなぁ』という話もあるため、読んでいて飽きない。
怖いものが極端に苦手とかでない限りは、僕はオススメしても良いシリーズだと思う。
―ということで、玉石混交な気がするが、思いつく限りまとめてみた。
得てして僕らもそうだが、子どもは何に興味を持ち、食いつき、没頭するか、本当にわからない。
コチラにできることは、その対象を見つけられるよう、色々な可能性に触れられる環境を作ることではないかなぁ、と、たまにも思うわけで。
その参考になるのがあれば、僕としても嬉しい。
では今日はこの辺で。