最近はそういうことが無くなったものの、仕事を始めて1~2年目は、『集団授業』の生徒制御に苦戦したものだ。
話を聴かない、聴けない、私語が目立つ、エトセトラ。
こういう状況だとクレームが来るわ、精神がすり減るわで、ぶっちゃけ本気で仕事辞めようかと思ったことは何度かある。
怒っても逆効果のことが多いし、体罰は論外。う~む、悩みどころは多い。
と言うことで今日は、先輩の体験談、僕の経験、色んな本で学んだことをベースに、『集団授業が乱れる条件』というものをまとめてみよう。
まず初日~3日目の対応で決まるらしい。
『この先生はナメてOK』とか、『きちんと話を聴いてみよう』とかの判断は、出会ってすぐのタイミングで決められるという。
ここで構築された印象を崩すのは、心理学的にも難しい話なので、やはり最初の時期が要だと言える。(一応、印象チェンジ法は別の機会に考えてみる)
まずはコレを前提として、以下雰囲気が乱れるタイミングを考えてみよう。
①生徒の質問にリアルタイムで返す。
個別ならまだしも、集団ならNG。
『別に話してもいいんだ~』と思われたり、説明が途切れることで、大多数に『分からん』→『授業つまらん』という感覚を生んだりするからだ。
たまにある、こちらが説明中の生徒からの発問は、あしらうか、あまりにもくだらないなら無視するのがベターだという。僕もそう思う。
僕『で、後はこの動詞を・・』
A『その動詞の意味何?』
僕『後でね。今回は語尾が-shなので、-esを付けるパターンなワケ』
・・もちろんそのまま放置だとかわいそうなので、説明に区切りがついてから改めてフォローするのはお忘れなく。
②指示を2つ以上同時に出さない。
遠回しに言えば少し集中力に欠ける子が、いきなり授業中に集中が切れたり話したりするときは、これが原因のこともしばしばだという。
『テキストを出して、P54を開き、その大問1,2を解きなさい』
という指示は、一言の中に3つも作業が入っている。意外とコレ、難しい子には難しい。
この話を聞いてからというもの、僕は指示はステップごとに出すのと、それは必ず板書しておくのを意識するようにしている。
結果、『なんて?』『もっかい言って~』という質問は激減した。
なんかリアクションが多いなと感じるなら、自分の指示の出し方を顧みるのも一手かも。
③言ったことを矛盾させる。
決まり事を作るのは勝手だが、それは必ず一貫するべきだ。守っている人を尊重し、そうじゃない人にはちゃんと諭す。
ここがブレると、生徒の中に疑心暗鬼が生まれる。結果それが、不信に繋がり、荒れ始める・・こともしばしばなんだとか。
意外とこれはかなり難しい。自分がその決まり事を守るのは当然として、優等生がそれに逆らったときに釘を刺せるかが難問なのだ。
最初の内は手帳に決まり事を書いておき、毎日それを思い出してから授業に臨むくらいの覚悟がいる。実際にやってみて、その難しさを感じる次第だ。
④教師側の情報量が多い。
基本、こちらの話に興味を持ったり、集中したりしていれば、荒れる可能性は大きく減らすことができるハズ。
では、そういった興味や集中力を削ぐ原因は何なのか?という話だが、僕は『教師側情報量』だと思う。
書き方がアバウトだが、例えば黒板がある壁に、掲示物はいくつあるだろうか?黒板の隅に、課題をいくつ書いているだろうか?
今日の説明の中に、削れる点はなかっただろうか?要らない知識まで教えていないだろうか?
―この辺が多すぎると、生徒の集中力は大きく削がれるという。無駄な掲示物は即刻剥がし、説明はスリムにしよう。
僕も日々気を付けていることだが、油断するとすぐ乱れるので難しい。
終わりに。:とはいっても。
とはいえ、こちらの指導法でどうにかなる範疇を超えている、そんな生徒が居るのもまた事実なワケで。
無理に集団授業に入れて不幸になるくらいなら、方々に相談の上で、その子にあった環境に移ってもらうのも一つの指導である。
僕もそういった生徒の対応に気を病み過ぎて、本気で鬱になりそうな時期もある。無理なものは無理というのは、指導する側が言っても良いはずだ。
最後にそういう念押しをしたうえで、今日はこの辺とする。