精神年齢9歳講師のブログ

校舎での出来事、読んだ本、つまりインプットを全てアウトプットに変える実験場、的な。

【板書計画】を考える。~英語編~

講師や教師全体に通じる言葉なのかは知らないが、【板書計画】というものがある。

 

簡単に言えば『ある授業の流れを紙にシミュレーションしてみる』というもので、作っておくことには大きな価値があると感じている。

 

だが駆け出しの頃は、『自分で考えなさい』的な雰囲気の中でそれに取り組んだため、いやぁ・・大変だった。

 

ズレていると怒られ、説明が薄いと怒られ、果てはそもそも間違ったことを言っていると怒られ・・・(誉められることもあったけどね)

 

今日はその中で見えてきた、最低限の『板書計画』に必須なポイントを、ここに備忘録がてら書いておこうと思う。

 

 

 

①『テキストの問題を解くために、どこまで教えれば良いか?』

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超大事。教えたは良いものの、テキストの問題が解けなければ、それは不満を生み不振を生む

 

例えば『不定詞』の授業をしたとして、

 ・[to+Vの原形]で表す

 

・『Vするために』という訳になる

 

―というところで止めて演習させると、しれっと

 

I'm happy to meet you.

 

なんてのが例文にあったりして苦戦する。(一応同じ副詞的用法)

 

生徒が使っているテキストには必ず目を通し、『テキストの例題を解くのに必要な、最低限の説明』は必ず考えておこう。

 

②『発問ポイント』

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シミュレーションの時点で考えておくのは大切だ。生徒に『発問』をすることは、

 

①わかっているかの確認

 

②自分が話すばかりの授業の打破

 

③記憶の定着強化

 

④誉めるポイントになる

 

などなどの効果があると感じる。だがそれも使いようだ。

 

個人的には、ただ文法や単語の意味を聞くためにそれを使うのは微妙だと感じているため、大体以下の2ポイントに絞っている。

 

①前回の復習に当たる単元

 

②教えたことを応用すれば解ける問題(例えば、文法は同じで主語と動詞や時制を変える、など)

 

参考になればありがたし、である。

 

③『導入の話』

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導入の話を作っておくことは大切だ。お笑い番組で言うところの『前説』である。

 

まず僕は、『授業に関する』話で何か作れないかを考える。

 

純粋に面白いのも大事だが、テーマに関連し、かつ発問回数が多くなりそうなのが無いか、考える。

 

例えば『不定詞』なら、そもそも論として『副詞』『形容詞』『名詞』という語句の意味から説明することが多い。

 

また、-ingの導入なら、現在形と現在進行形の意味の違いはもちろん、絵に描いたときの違いまで突っ込むことも多い。

 

こんな観点から、僕はよく導入を用意するようにしている。(いきなり授業に入ると、やはり色々と微妙だった)

 

―では、そういうのが全く閃かないときはどうするか?

 

僕は『準備運動』と称し、例えば脳トレのパズル、論理クイズ、意味が分かると怖い話などを話している。

 

ジャンルを問わず、導入に『へぇ~』と思う経験をしておくと、その後の学習において効果が高まるのが確認されているという。

 

決して無駄話ではないのだ。ぜひ試してみてほしい。

 

④『入試や定期テストの情報』

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難易度が大したことなければ直接、単語レベル的に無理ならば紹介として、『ここ昔出たことあるよ』という話は必ず添える

 

説得力を高めたり、またサボってるワケじゃないというアピールになったり、この言葉の効果は思っている以上に強い

 

定期テストは場所によっては難しいこともあるが、入試の問題を見るくらいなら、どこでも可能であろう。

 

『一体どう問われているか?』を知っておくのは、自分にも生徒にも、極めて大切な話だと感じる。

 

終わりに。

 

本当はまだまだまだまだ書きたいことはあるのだが、企業秘密に突っ込むし、冗長になるしで、一旦止めておこうと思う。

 

ここに書いたことも、各人の教え方やキャラ、声のトーンなどで使えたり使えなかったりである。

 

将棋の羽生善治さんも著書で言っていたが、

 

・アイデアを思い浮かべる

 

・それがうまくいくか細かく調べる

 

・実戦で実行する

 

・検証、反省する

 

このサイクルこそ、良い授業、良い板書計画を作る、実は一番効率の良いプロセスだと感じるワケで。

 

僕自身、1時間かけて作ったものの、本番での評価はクソで、それを別の機会に10分で練り直したものが今度はウケたり、という経験もしばしばしている。

 

まぁ、基本、作っていて僕は楽しいので苦ではないのだが。ストックも、捨てたの合わせれば100枚どころでは確実に収まらない。

 

皆様の板書づくりの参考になっていればありがたし。