説明をスラスラと行うには、どのように知識をインプットしておくのが良いのだろうか。
人によって、『覚えこむまで練習!』とか、『たとえ話を豊富に盛り込む!』とか、色んな方法でこれに立ち向かっている印象だ。
今日は何かの参考になればということで、僕なりの『説明をするための』インプットの仕方を、ここで述べてみようと思う。
①『伝えるべきテーマ』をざっくりと確認する。
いきなり要約や丸暗記から入る方がいるが、ハッキリ言って効率は全然よろしくない。まずは全体をざっくりつかんだ方が吉。
僕はよく、以下の質問を自分に投げながら、授業の予習を行っている。
・何分かかるだろうか?
・どこを重点的に伝えようか?
・似ている既出の単元は無いか?
という感じ。まずはこれらの観点から『指導する内容』をふんわりと考えておくのがベターである。
尚、僕はたまに、『一番点数が悪い生徒』と『一番点数が良い生徒』の顔を浮かべながら予習するようにしている。
難しすぎず、簡単すぎずというラインを維持するのは、殊の外滅茶苦茶難しいためだ。ぜひ意識してみてほしい。
時間はざっくり15分程度でOK。
②『様々な情報源を使って』それらを補強する。
一度『板書』として脳内なり紙なりにシミュレーションしてみると、説明がしっくりこない箇所とかがチラホラ出てくることだと思う。
そういう時は、参考書からネットまで、多くの情報源から情報を取捨選択し、補強するのがベター。
気をつけねばならないのが、特にネットに『わかりやすく解説!』とあっても、自分の腑に落ちなかったら採用してはいけないという点だ。
自分が疑念を持ちながら話した内容は、生徒に伝わってしまう。
うろ覚えだが、『女子に数学は出来ない』という考えの先生に授業を受けたクラスの女子は、本当に成績が下がる傾向にあったという話さえあるくらいだ。
あくまで自分がしっくりくる説明を採用したり、自分にしっくりくる言葉遣いに変えたりといった、微調整も忘れずに行おう。
③【余裕があれば】一旦寝かせる。
原稿を寝かせるという言葉がある。簡単に言えば、自分が仕上げたモノを、時間を空けて見直すというものだ。
この効果は絶大で、ついこないだ自分の大学の卒業論文を見返したところ、言葉の稚拙な箇所にいくつも気づいてしまったほどだ。
当時はあんなに必死で、毎日推敲したにも関わらず・・・。
さて。
こういう風に時間を空けたり、対象から距離を置いたりすることで、脳内で何が起こるのか。
一息ついていると、脳はいわゆる『緩和モード』なるものに入り、頭に入れた知識の定着を図ってくれるのだという。
つまり、無意識下でよりシンプルで効果的な言葉を探してくれたり、気づけていない共通点をつないでくれたりと、そういうことをしてくれているのだ。
だからこそいわゆる『ひらめき』は、くつろいでいる瞬間に起きがちだし、寝ている間に夢だって見るのだ。
説明の場面に時間的余裕があるなら、日を空けよう。そうでなくても、数分はそこから考えを離してみよう。
案外良いアイデアは、集中していないときに湧き出てくれるものである。
終わりに。
すごく乱暴にまとめると、以下のようになる。
・教える単元の全体像を確認したら、複数のソースで説明を補強。ある程度出来上がったら、あえて何も考えない時間をつくる!
という具合。この辺りの話は正直まだまだ話したいネタがあるので、いつか近いうちにまた書いてみようと思う。
それでは今日はこの辺で。