授業態度が不真面目だった僕なのでなおさら強く感じるのだが、『ノートを取る』意味って一体何なのだろう。
かなりひねくれていた中学生の頃は、ぶっちゃけノートなど『めんどくさい提出物』としか考えていなかった。
なので、授業後に見直すことは皆無。汚い字でワケわからない文言を、落書きと共に書き殴ったものを提出し、最低評価ばかり貰ったものだ。
―では、今はどうか。実は、根本に抱いているものは変わっていない。
教える側になって思うのだが、ぶっちゃけノートを取るより、説明を聞いていてほしい。メモと傾聴を同時に行うのは無理だからだ。
しかし、やはりまだまだ『ノートは取るべき!』という価値観は広まっているし、『自学』という趣旨でノート作りを課題に出す学校も多い。
と言うことで今日は、ノート作りに懐疑的な僕なりに、どうすれば『頭を使ってノートを活用できるか?』を考えてみた結果を書いてみようと思う。
①『別解をまとめる』
知識と言うのは、他の様々なそれと結び付けて覚えておくのが良いと言われている。
例えるなら、マジカルバナナを延々と続けるように、知識がするすると出てくる状態だろうか。(平安といったら貴族、貴族といったら荘園・・みたいな)
この繋がりを作るためには、一つの問題に対する色々なアプローチを知っておくのがベターである。
一番使いやすいのは数学だ。得てして難問ほど、その解答に行きつくプロセスが色々と用意されているものだ。
特に文章題など、答えが複数用意されている問題について、その別解をノートにまとめておくのはアリだと思う。
『一次関数』の問題だが、実は『相似』を使った方が楽だった、なんてザラだ。
これらを同じページにまとめておくと、脳内で2つの分野の知識がつながる。結果、より多様なアプローチが可能になる、という算段だ。
別に数学に限定しなくてもいい。
例えば『平安時代』をテーマにノートをまとめるならば、『文化』『政治』『外交』などの様々な視点からそうしてみると面白い。
『別解』を意識してまとめることで、ただ書き写すより何十倍も効果的になる。ぜひ試してみてほしい。
②『弱点ストックノート』
僕は『英単語カード』を作り、一生懸命覚えるという学習方法について、長いこと冷ややかに考えていた。
『それって結果、クオリティが単語帳ができるだけじゃね?最初から単語帳で覚えた方が、時間も掛からなくて良いのに・・』という具合。
ただ最近は、『一概にディスるのも違うなぁ』というスタンスに落ち着いている。
いずれ詳しく書こうと思うのだが、英検準1級、1級の取得の際、この『単語カード』にはずいぶんお世話になったためだ。
使い方は、『3~4回連続で間違えた英単語・英熟語のみを単語カードにストックする』というただそれだけ。
苦手なところだけ何度も復習できるのは、非常に効率が良かった。
やはり、自分の『弱点』に当たるところは、そこだけ繰り返し復習できるよう、別にまとめておいた方が良さげ。
例えば3日連続で間違えたモノと言った風に、自分なりに基準を設け、それをノートにまとめていくのは、効果的な使い方として大アリだ。
科目ごとに分けると手間なので、1つのノートにジャンジャンまとめて、徹底的に弱点を潰せるようにしよう。
③『人に説明するつもりでノート』
個人的に最高だと思う使い方。実際生徒にさせてみたこともあるのだが、一番以下のセリフがピンと来やすかったらしい。
君らが先生になったとして、どんな説明をしながら、黒板に何を書く?そういう観点で、このページをまとめてみ。
という具合。『人に説明するとしたら・・』という観点での情報収集やインプットは、定着度も難易度も段違いだ。
尚、初めて習う単元や、理解が難しい分野でこれをさせるのは乱暴なので、例えば僕は以下の変化球もよく混ぜる。
(授業の最初に)とりあえず、しばらくはノートは使わん。筆記用具も要らん。話を聞いててくれたらそれでいい。
↓
(板書をしながら、一通り説明をする)
↓
OK、じゃあノート出して。筆記用具も出して。今から10分あげるから、
『俺がどんな説明をしながらこの板書を書いたか思い出しながら』
ノートに自分なりにまとめてごらん。
―すると、すごくしんどそうにノートをまとめだす。だが、少なくとも、受け身の姿勢でダラダラまとめるよりかは楽しそうだ。
日頃の授業がマンネリなら、取り入れてみてはいかがだろうか。
終わりに。
ということで今日は、『ノート』というテーマ1本でまとめてみた。
やはりどうにも僕は『ノート作り』が好きになれないので、これくらいドライで、かつ効果がある方法でないと、やる気にならない。
しかし、そうだからといって勉強ができる・できないは別の話である。ノートが綺麗な人は、割とノートが綺麗というそれだけ、である。
そんなひねくれメッセージをもって、今日はここまでとしやす。