精神年齢9歳講師のブログ

日々を自由研究の如く生きたい。

『ADHD(かも)の子』に、塾ができる配慮は何かを考えてみる。

ADHD(注意欠陥・多動性障害)』という症状がある。最近急速に知名度が上がってきている言葉だが、簡単に言えば以下の特徴があるという。

 

・不注意


授業中に集中し続けることが難しい、忘れ物が多い、外からの刺激などですぐに気がそれてしまうなど。

 

一方で、自分の好きなことについては高い集中力を発揮できる。

 

・多動、衝動


動いていないと気分的に落ち着かないだけでなく、ただ無意識のうちに身体が動いてしまう、感情や欲求のコントロールが苦手などの特徴があります。

 

授業中でも立ち歩く、指名されていないのに答えてしまう、などの特徴がある。

 

・混合して存在


「不注意」と「多動性および衝動性」の特徴をともに満たしているタイプ。どの特徴が特に強く出るかは人によって異なる。

 

※以下のサイトより引用、一部改変↓

junior.litalico.jp

 

ひと昔前なら『落ち着きがない子』という一言で片づけられていたものが、医学的な『定義』を基に『分類』されたという感想である。

 

なんでもかんでも病名みたく扱うことには賛否両論だろうが、僕としては打つ手を考えやすくなるので、どちらかと言えば歓迎のスタンスだ。

 

さてさて。このADHD(注意欠陥・多動性障害)』の割合は、ざっくり子ども20人に1人程と言われている。クラスに1~2人はいる計算だ。

 

となれば、ある程度の規模の塾なりクラスなりを運営していると、ぶっちゃけ居ないワケない、と言える。

 

そして実際、僕の周りにもいる。診断を受けた子もいるし、そんな疑いがあるのでは?という子もいる。

 

ということで今日は、『ADHDを理解しよう!』的な話はさておき、『塾として』その子にできそうなことに絞り、まとめてみる。

 

『落ち着きがない』『言うことを聞かない』子と接する際、双方傷を負わないためにも、参考にしていただければと思う。

 

では以下、詳細。

 

 

 

なるべく刺激を少なくする。

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『気が反れやすい子』がそうなるのには、必ずそのトリガーがある。それはあまりにも幅広いので、代表例だけご紹介。

 

1 周りのクラスメイトの動作

 

2 掲示

 

3 複数の内容が入った指示

 

4 演習内容に気乗りしない

 

この中で気を付けたいのは、特に2(掲示物)と3(指示出し)だろう。よほどの事情がない限り、これらはすぐに手を打てるためだ。

 

実際、話を全く聞いてない生徒に発問したところ、『ポスター見てました、えへ』的な返答が返ってきたこともある。

 

例えば掲示物は教室の外に貼るなど、工夫はした方が良さげである。

 

また、3は気を抜くと、今だに僕もやってしまう。例えば、授業の初めに以下の指示を出すとどうなるだろうか。

 

『テキストのP54の①、その(2)と(3)を解いて!出来たら自分で〇つけ!』

 

―実はこれだけで、集中が切れる子は切れる。衝動性が強いと、『わから~ん!』と声を上げてしまうことも。

 

なので、なるべく指示は刻んで出すべきだ。

 

『テキストを出す→P54を開く→①を見て→(2)と(3)を解く』

 

これらは1つ1つ、確認しつつ話そう。また僕は、同時に指示の内容を板書するようにしている。

 

んで、解けた人が出てきたタイミングで、『答え合わせもやっちゃって!』と指示を出す。こんな感じ。

 

まずはなるべく、気を散らすトリガーを減らす工夫をするのが、ADHDであるかそうでないか問わず、大切だと感じる。

 

全力で運動させる。

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これは塾内でやったら顰蹙ものだろうが・・・・。僕は何とか、あることを実践できないかと日々頭を抱えている。

 

それは、『授業前の運動』だ。理由はコチラの記事を見たためである。

daigoblog.jp

 

みれば、授業前に運動を行うと、ADHDの子はざっくり30%超の集中力の高まりがみられたという。

 

勿論、そのまま運動を塾内で取り入れるのはキツい。仮にケガをしようものなら、コチラの責任や否を追及されるのもあるし・・。

 

ただ学校なら、休憩時間の運動を積極的に推奨することで、授業にもいい流れができるのでは?と思える。

 

時間制限を設ける。

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基本的だが効果てきめん。不思議と低学年ほど燃える手法で、『時間制限』を与えると、グッと集中してくれることが多い。

 

例えば漢字の書き取りや100マス計算などを用いて、授業の頭にタイムアタックをするのも良いと思う。

 

とはいえ、やることが無くなったら、こういうタイプの子はすぐに注意散漫になるので注意。

 

出来れば『〇分以内に全部解こう!』という形式じゃなく、『〇分で何問解けるかやってみよう!』の方がベターである。

 

最後に:ADHDは欠陥なのか?

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これについては、僕は全力で否定する。『障害』という言葉が付いているが、僕はこれについて少し不快感さえ抱いているほどだ。

 

実際僕自身、軽くADHDの気があるように思う。それは特に中学生頃まで、顕著に出ていた。

 

授業そっちのけで延々と『2×2=4、4×2=8、・・・』をノートに書き続けたり、教科書に載っている写真を模写し続けたり・・・。

 

授業でノートを取るみたいな、皆出来る継続的習慣が無理ゲーだった。でも、ハマりさえすれば、皆が出来ないレベルで集中出来たりもした。

 

集団生活はぶっちゃけ今でも好きじゃなく、独りでいる方が好きなのは、周りに合わせなくても良いという理由が大きい。

 

さて。少し話が反れたが、実際ADHDを持っていると、『高い創造性を発揮できる』・・といった長所が報告されている

daigoblog.jp

 

やはり、コチラができる最大の配慮は、『ADHDを負い目と感じさせない、またそういう価値観を蔓延させない』というものじゃないかという気がしてきた。

 

最後はちょっぴり深い〆となったが、長くなっちゃったので、今日はこの辺でおしまい。