『板書』は何かを人に教える際、非常に有益なツールである。
情報のみならず、例えば数学の解法のプロセスも併せて伝えられるため、上手く機能させればとても使える道具なのには違いない。
ただそれも、余計なノイズが入っていなければ、の話。無駄な情報然り、分かりにくい表現然り。
その辺は意識でどうにもなるのだが、『そもそも板書をキレイに書く』という問題が、抽象的でアバウトだ。
そこで今日は、『キレイな板書』≒『生徒の集中を無駄に削がない板書』と定義したうえで、オススメの本と小技をまとめてみる。
教師のためのきれいな字を書く六度法1週間レッスン増補
導入としてはコチラがオススメ。僕は実のところ字がヘタクソで、あんまり表立って文字を書きたくないほどだ。
ただ、ここに書いてある教え(読みやすいという印象を与えるための字のコツ)を実践すると、我ながらクオリティが上がったと感じたので驚きだ。
『線の間隔を統一する』『気持ち右上がりで書く』と言った風に、教えもシンプルで、難解な訓練は不要である。
中古も多く出ているので、ぜひ手に取ってみてほしい。
小学漢字1006字の正しい書き方
白状すれば、僕は書き順と言う概念に懐疑的だ。(だから字が汚いのだが)
理由は、どういう手順で書こうが、最終的に出来上がる文字は同じものだからだ。プロセスまでこだわるのは、数学くらいにしてほしい。
―とはいえ、真面目にコツコツ頑張ってきた生徒ほど、教える側の書き順にも目を光らせているものだ。僕も何度か、『違う!』と指摘された。
そこを糸口に、クラスの統一が乱れることもある。死ぬほどめんどくさいが、ある程度の基本は知っておいた方がベター。
『なんか縦の線は最後に書くパターンが多いよね』くらいのノリでいい。
『あぁ、懐かしいなコレ!』という軽い気分で、流し読みするだけでもメリットは大きいのでオススメだ。
黒板を塞がない。
生徒からよく挙がっていたコメント。それは、『見えん!』である。しかも原因は、僕。
字が小さいのではなく、生徒の視線と板書の間に僕がいたため、そういうコメントが出ていたのだ。
そういうのに悩んでいたのとたまたま時を同じくして、『黒板の前に立つな!』とめちゃ怒られる研修にぶち当たった。
メンタルはボコボコにされたが、得られた学びは大きかった。
それ以来、意識して生徒と板書の間には立たないようにしている。
しゃがんだり、手を伸ばして書いたり、やむなしの場合は『すぐどくから待ってー』と言ったり。
この工夫だけで、受ける側のストレスは大きく減る。絶対に試してほしい小技である。
―ということで今日もまたニッチなテーマになったが、意外と教えてもらえないテーマでもある。
黒板との付き合いにお悩みであれば、ぜひ参考にしてみてほしい。
それでは今日はこの辺で。