僕は小・中・高の『国語』も担当している。色々とアバウトな科目という印象があるからか、学習アドバイスもアバウトなそれが多い気がする。
『熟読・味読しよう!』『全文書写してみよう!』『声に出して読んでみよう!』等々。ぶっちゃけ言葉にしづらくて仕方ない。
―今だから白状するが、僕自身国語は得意な方なものの、上記の勉強法はあんまり取り入れていない。理由はめんどくさいからだ。
自分がめんどくさいと感じているものは、生徒にもオススメしづらい。国語の楽しさの説明は学校に託して、僕はドライに『解き方』を伝えている。
特に『ポカミス』をやらかしたり、自分勝手な解答を書きがちな生徒に効くと思う。以下、詳細である。
線引き読み
色々な参考書なり授業なりで紹介されている方法。
僕自身、大学受験の際これを使い始めてから現代文の偏差値が60以上で安定するようになったので、効果は体感としてある。
―やることは、【本文の大事な個所に線を引きながら読む】というシンプルなモノだが、【大事な個所】ってのがアバウトだ。
異論は承知で、僕は以下の箇所には絶対に線を引けと、学年問わず指導している。
1 「つまり」「しかし」のあと
2 「たとえば」の前
3 「こそあど言葉」が示すもの
4 (小説なら)登場人物のセリフ、動作、気持ち
基本ここに線を引きながら読み、傍線部が出てくるたびに解くようにすれば、大体は正解に行きつくから不思議だ。
ただし中学受験などでは、本文前半の設問の答えが最終段落にあるといったクセのある問題も出るので、注意してほしい・・ということはご承知をば。
スピーチ風音読
音読に懐疑的な人はいるかもしれない。だが、ただ『読む』より『音読』をする方が圧倒的に効果があるという。
確かに文を声に出すと、読み間違いをしたり、すらすらは読めない箇所にぶち当たったりと、気づきは多い。
しかし、そんな音読の効果を更に高める方法があるのだとか。
それは、『誰かに読み聞かせをする感覚で読む』、というもの。この相手は、実際に居なくてもいいし、何ならぬいぐるみでもいいらしい。
僕自身ゲームのセリフを覚えるのが好きと言う変な趣味があるので分かるが、人に伝えるという意識を持つと、色んな感覚が総動員される実感がある。
抑揚、登場人物の気持ち、息継ぎのタイミング等々。確かにこれは、頭を使う!
授業初めのウォーミングアップにも使えるので、ぜひ使ってみてほしい。
語尾の決定
国語の読解問題においては、少しアホくさいのだが、解答の語尾の違いで減点されることが非常に多い。
例えば、『なぜですか?』という質問に対し『~こと』と答えるのがそれにあたる。そしてそれで失点する生徒はめちゃ多い。
ということで僕がよくアドバイスするのが、『問題をみたときは、答え方まで確認しておけ!』というものだ。
大体は、パターンは2つに収まる。
1 『なぜ、どうして』パターン→『~から。/~ため。』
2 『どんな、どういう○○か』パターン→『(~という)○○。』
ちなみに2は、例えば『どういう気持ちか』と問われたら、『~という気持ち。』と結べという意味である。
これを徹底させると、少なくとも語尾のミスという悲しすぎる失点が減る。そしてこのミスによる減点は、酷いと2点のこともあるので、決して侮れない。
国語のミスが頻発するなら、生徒全体に確認しては如何だろうか。
参考図書
以上の話は、実はこの本のほぼ受け売りである。
それを小・中学生にも通じるようにちょいといじっただけだ。
教える側の指導書としても極めて優れている本の1つなので、国語の説明がフィットせずにお悩みなら、是非一読してみてほしい。
それでは今日はこの辺で。