勉強が苦手な生徒からの学習相談をよく受ける。そして、意外と以下の問答が多い。
生徒『この辺が分からなくて、先に進めなくて・・・。』
僕『なるほど。まあ塾に自習に来て質問するのも1つの手だけど、もっとサクサク行きたいよね。参考書って何使ってる?』
生徒『参考書って何ですか?』
僕『(絶句)』
―という。説明書も見ずにゲームを進めるようなものだ。分からない方が自然である。
だが、本当にこういうやり取りは、たまにあるのだ。そして、表面化していないだけで、多分もっとこんな生徒は潜んでいる。
今日はそれを受けての、僕が提案したい事柄を述べる。
なぜ『参考書』を使わないのか?
正直言うと、小学~中学にかけてだと、受験でもしない限り『要らない』からだ。
入試レベルにならない限り、紙幅を割いてでも伝える必要がある単元は、そこまでない。また、需要も少ない。
そういうのを経ていると、『参考書』の存在を知らないまま日々を過ごしても、仕方がない・・・・・・
って納得するのは無理がある。
なんか他に理由がある気がしてならない。
参考書など要らないという指導を受けているのか?それとも親に禁止されているのか?はたまた、それを買うのをケチっているのか?
理由はつかみどころが本当に無いが、とりあえず問題として扱っていいくらいのテーマではある。
ということで、僕なりに『参考書』との出会いをプロデュースする方法を考えてみよう。
生徒と『参考書』を引き合わせるには?
①質問対応時にプレゼン。
質問対応の内容があまりに初歩的だと、ひとしきり解説はするが、その後に『これを貸すから、読んでみ』と参考書を渡すようにしている。
質問を持ってくるという姿勢は立派だが、それは最後の手段レベルに考えた方が良い。
毎度毎度テキストを持って、講師の所に行って、説明を・・というのは、やはり時間を食う。
時短ツールとしても、また能動的に学習を進める手段としても、参考書を手に取るように、意図的に仕向けたいところだ。
②見本市を作る。
とはいえ、いきなり本屋で参考書を手に取るよう指示を出すのは難しい。何を選べばいいのかが膨大で、生徒がしり込みするのは請け合いだ。
だから僕は、各科目が得意な講師に話を聞いて、ある程度選別した『参考書棚』を作り、生徒の目につくところに置いている。
要はお試しコーナーだ。ここで手に取り、気に入れば、自分で買って読むはずである。
百聞は一見に如かず。熱烈なプレゼンの前に、本物を置いてみるのがオススメだ。
終わりに。
『参考書』という考え方を早めに教えておくことには、ある大きなメリットがある。
それは、いずれ自分で学習を進めねばならない場面の備えができるという点だ。
テーマが難解になれば、人から教えてもらえる方が稀だ。何らかの書物や、データを読み取り、自分で解釈して学んでいく必要がある。
その習慣を身に着けるタイミングが遅れれば遅れるほど、将来的に大きな痛手となる。早いうちに伝えておきたいものだ。
―ということで今日はこの辺で。