『模試の結果が返ってきたら、取れるはずだったのに間違えたところを確認し、次に繰り返さないようにする!』
みたいなセリフをよく聞く。このアドバイス、素直に実行した人はどれくらいいるだろうか。
僕は、ぶっちゃけると、ほっとんど無い。理由は、自分のダメなところを直視すると、やる気がなくなるからだ。
『失敗から学ぶ』のは大事だとは思うが、『自尊心』が傷付くのは嫌だ。
そんな二律背反に、あるヒントとなる記事を見つけたので、今日はそれをシェア。
それがこちら。
これの後半、『人間は失敗から学べるのか?』の考察がとても面白かった。すごく乱暴に言うと、被験者を2つのグループに分け、問題を出し、
・片方のグループは、『正解だったもの』についてのみフィードバックをする。
・もう片方のグループは、『不正解だったもの』についてのみフィードバックをする。
というものだ。そしてその後に追試を行い、学習能力やその結果にどう影響が出るのかを調べる、みたいな話である。
すると結果は、『不正解だったもの』のフィードバックをされた方は、学習能力も成績もむしろ落ちたのだという。
その理由として、『失敗』に目を向けさせられたことで『自尊心が低下』し、取り組む気持ちが失せたからでは?と述べられていた。
うーん、割と納得。確かに、間違いまくった単元をもう1度やる気には、即座にシフトは出来そうにない。
でも、だ。その後に面白い続きがあった。まるごと引用してみる。
実際のところ、この研究で行われた5つ目の実験では、
- 参加者に「他人の失敗」を観察してもらう
- その上で知識テストを行う
って手順で介入を行ったところ、今度は「失敗」を意識した参加者たちも、ちゃんとテストの成績が上がったというからおもしろいもんです。
要するに『他人事』であれば、自尊心をへし折ることなく失敗から学べる、という感じらしい。人間心理って面白いなぁ、と。
これは普段の授業でも使えそうだ。例えば、
『He sometimes study math after school.』
みたいなのを板書し、『これ、中学生がクッソやらかすミスが混ざってんだけど、気付ける?』みたいな発問をしても面白そうだ。
そういえば東進の志田先生も、『今からわざとどっかで間違うから、それを探してみて』という前置きをしてから板書をしていたのを見たことがある。
意外と気付かれていないけど、有効なテクニックなのかもしれない。とりあえずしばらく、誤答例を織り交ぜて、板書を作ってみようかな。
では、完全なる小ネタでしたが、今日はこの辺で。