精神年齢9歳講師のブログ

"よいこ"から程遠い目線から、授業のネタ、講師としての日々、そしてたまには教育や子供について、真面目なことを基本毎日書いてます。

『解法のテクニック』は『読解力向上』にやはり効くっぽいぞ! ※ただし成績下位層のみ。

やはり、何度考えても『読解力』はつかみどころがない

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それは、言語の知識量や論理的思考力、推理力といった色々な能力が組み合わさった複合的なソレなので、そもそも1つの定義に当てはまらないからだろう。

 

勉強法も、『コレだ!!』という結論を得たものはないらしく、論文を漁っても、研究対象が膨大過ぎてキュレーションできない。

 

だがその中でも、『読解力向上』についてヒントになりそうな考察があったので、今日はそれを紹介する。

 

 

 

『解法のテクニック』は、スコアにどれくらい寄与するのか?

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『読解力』を手っ取り早く上げるためには、まず『テクニックを知ること』とよく言われる。

 

しかし、具体的にそれが成績にどう影響を及ぼすか?というのは、案外ガッツリと調査されてなかったわけで。

 

そんなことを考えていると、ついにそれを調べた調査のレポートに出会った。(先に伝えておくと、使用されたのは英語の長文である)

https://otsuma.repo.nii.ac.jp/?action=repository_action_common_download&item_id=6740&item_no=1&attribute_id=22&file_no=1

 

本当は大変密に実験の手順が書かれており、読みごたえは無茶苦茶あるのだが・・・。

 

今回は、一部だけの紹介に留める。まず、この調査のざっくりとした内容について。

 

① 両グループ、普通にテスト(センター英語等)を解いてもらう。

 

② 休憩を挟み、片方のグループだけ、解法のテクニックを指導。

 

③ 再度、両グループ、同難易度のテストを解く。

 

―尚、伝授したテクニックは以下の通りだという。(『→』の部分は僕が付けたコメント)

 

①「未知語推測」

→前後の文脈や接頭語などで、意味を推測するアレ


②「代名詞の理解」

→itやthat、及び『,which』が何を指しているかを掴むこと


③「接続詞の活用」

→Howeverのあとは逆接になるよ、とかそういうヤツ


④「トピック把握」

→『一体何の話をしているのか?』を適宜理解することで、パラグラフリーディングとも言う


⑤「メインアイディア把握」

→パラグラフごとではなく、全体のテーマを意識すること

 

結構受験界隈では目にし、耳にするテクニックたちだ。

 

では、この調査の結果はどうだったのか?以下、そのまとめである。

 

調査結果。

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少々驚いた。

 

成績下位層グループ(得点率半分以下)は、テクニックの使い方等の指導を受けた後のテストで、成績がアップ!

 

ただ逆に成績上位層(得点率半分以上)グループは、テクニックの使い方等の指導を受けると、成績がダウン

 

とまぁ、こんな感じ。面白いのは、全員が伸びたわけではなく、学力が高いと何故かスコアが下がったという点だろう。 

 

 

―ではなぜ、下位層は伸びたのに、上位層は凹んだのか?論文によれば、以下のような考察が書かれていた。

 

上位層はすでに自分なりの読み方を持っており、それに干渉したのでは?

 

逆に下位層はそういうテクニックを知らないので、素直に実践できたからでは?

 

という感じ。人間の脳は、知っている情報を無意識にシャットダウンするクセもあるので、この辺は納得。

 

なので、下位層を底上げするのが狙いなら、全体にこういうテクニックを使うのは良さげである。(母数が少ないのであくまで参考程度だが)

 

例えば季節講習などで、成績が振るわない生徒を1クラスに固め、徹底してここをトレーニングしてもいいかもしれない。

 

逆に上位層を更に高めるのなら、テクニックを使いこなす場をバリバリ提供する方がベターだと、講師の経験として感じている

 

こちらは様々なテーマの過去問だとか、『教えるつもり勉強法』などを伝えることで、テクニックを磨き上げる場を整える方がやはり良いだろう。

 

また、一度読解法を伝えたら、それを一貫して伝え続け、使い続けるコチラの継続力も試されるっぽい。(変にブレると上位層の点が下がるかも!)

 

英語科として、身が引き締まる思いである。十把一絡げに全生徒へ通じる学習法は、理想論だが現実は難しいということだろうなぁ。

 

―ということで、これはあくまで英語の話だが、多分国語でも同様の現象は起きうるのでは?と感じるテーマでもある。

 

集団は少し難しいが、可能な範囲で、生徒の力量に合わせたカリキュラムについて考えてみてはいかがだろうか。

 

これは僕も指導法を変えるタイミングかな・・・。

 

では今日はこの辺で。