大事だとはわかっているが、なぜ『模試』のやり直しはああもやる気が出ないのだろう。(過去問演習然り)
間違った問題と再度向き合うと、『あー、俺はここがダメなのか・・・』という自己否定に陥りがちな僕にとってはなおさらだ。
だからか知らないが、嬉々としてやり直しに挑める生徒を僕は知らない。強制的にやらされない限り、手を付けない。気持ちは分かる。
そこで今日は、そんなやる気の出ない『やり直し』を少しでも有意義にこなす術を、3つご紹介してみよう。
まずは一旦時間を空けること。
『模試』や『過去問』といった、頭をフルで使う時間の後は、良くも悪くも冷静ではない。まずは時間を一旦空けるのがオススメだ。
勢い余って、『この解説わけわからねぇ!』とか、『間違えた自分がダサい!』みたいな意味のない怒りを抱く恐れもある。健全では、ない。
答え合わせの直後から復習をするのではなく、短くて良いので、時間を空けるのが絶対にベターである。
全ては冷静になってから。過去問を解くばかりで浮足立っている生徒に、そう伝えてほしい。
『本当に今出来ていないとダメか?』と自分に問う。
『模試』や『過去問』を解いていると、ネガティブな方ばかりに目が向きがちだ。
実はこれは人間において自然な傾向(ざっくり悪い点1つを打ち消すには、良い点が3~4つ必要)なので、問題はそこではない。
『自己否定モード』を拗らせて、己を責めるために見直しをしていないかは、本当に気を付けた方が良い。
例えば、偏差値50の高校を目指す生徒がいて、全受験生の正答率が5%くらいの難問が出来ないと頭を抱えていたら、どう声を掛けるだろうか?
簡単だ。『そんなの捨てろ』である。こういう『自己否定が目的の』見直しは、本気で意味がない。
不安になる気持ちは分かるが、受験や資格試験は、『合格点』を取れば受かるのだ。
一歩引いた視点を見失っている子に心当たりがあるのなら、或いは自分がそうであるなら、今一度意識を向けた方が、精神衛生に良い。
自分以外の誰かが間違えたという設定で、勉強・解説する。
基本、『二度と間違えないゾ!』という自分のための勉強は、先に挙げた『自己否定』と隣り合わせであり、やる気維持が極めて難しい。
そこで使えるのが、『他者視点』である。悩みの解決法などでも、効果はあると確認されているらしい。
これを『模試の復習』に取り入れると、以下のようなフローになる。
① 間違えた問題を、『自分以外の誰かに説明する』と仮定する。
② そのつもりで、解説・参考書を読み、『どう教えようか?』と考えながら復習する。
要は『他人事』という感覚を持つことで、自己否定マインドもだいぶ薄れるという話。
別に誰も傷つかないし、巡り巡って自分のためになるので、積極的に『他人事』にする工夫も入れてみよう。
終わりに。
過去問演習や模試が爆増するシーズンだ。解き捨てでもそれは良いのかもしれないが、結局は同じミスをやらかしまくるリスクもある。
だからといって、自分のダメなところと喜んで向き合えるわけもない。ジレンマだ。
―そんなトレードオフを抱える皆様に役立つことが書けていれば嬉しい。
それでは今日はこの辺で。