心底同情するが、学生って本当に忙しいと思う。(これは皮肉でもなんでもない)
莫大な宿題。迫りくる定期考査。面倒な人間関係。しんどい部活。面倒な大人との軋轢。・・・書いていて心底めんどくさい。
しかも世の中はヘンなもので、こういう『同時進行で繰り広げられる大量のタスク』との接し方を全く指導しないそうだ。まぁ、僕も習った覚えは無い。
僕はそんな、生徒の『マルチタスク』を全力で止めさせたいと考えている。以下、その理由と、具体的な取り組みについて述べる。
『マルチタスク』は、カッコよくないし、よろしくない!!
まずそもそも、マルチタスクとは何か?
簡単に言えば、『同時に色々な作業をこなそうとすること』である。なんかカッコいいフレーズだ。
だがこれらは、僕らにとって超大切な、『集中力』や『精神衛生』に無茶苦茶な悪影響を及ぼすことが分かっている。
理由は簡単。
僕らの脳は集中する対象を瞬時に切り替えたり、同時に色んなことを考えられるようにできてはいないから
だ。両手で同時に、初めて触るほうきをつかってバランス取りをするようなものだ。大体どちらかが崩れて終わりである。
そしてこのマルチタスクには、色々と恐ろしい話があり、特にこの記事が無茶苦茶参考になる。
例えば、
生産性が40%低下!
作業時間が50%増加!
ミスも50%増加!
という具合。同時に進めた結果、時間もミスも増えるとか、なんて皮肉だろう。
―こういうのもあり、僕は僕自身がマルチタスクをしないよう注意しているし、生徒にさせないようにマインドセットも適宜行っている。
さて。導入はこの辺にして、以下具体的な策を述べていく。
やはり基本は筆記開示。
マルチタスク撲滅の第一歩にして最高の手段の1つは、抱えているものを書き出して可視化することに尽きる。
残っている宿題は?テストまでに終わっていない課題は?部活の練習は何を積もう?
といったタスクを、まずはひたすら書き殴る!ついでに、何か悩みごとがあるなら、それも書き殴る!
実は悩みごともまた、マルチタスクの1つだ。方程式を解きながら、将来の進路は考えられませんよね、という話である。
ということで、『何すりゃいいかわからーん!』とか、『そんな暇ない!』という思考が停止している生徒には、まずはとにかく書き出せと伝えている。
これだけで色々と落ち着けるので、大変オススメな方法である。
ポモドーロ・テクニックでテンポよく消化!
ここで書いた話と重複するが、タスクを書き出したら後は一気呵成に消化するに尽きる。
オススメはやっぱり『ポモドーロ・テクニック』であり、タイマーで制限時間を設けながらタスクを1つずつ片付ける、というのがソレだ。
まずは25分作業→5分休憩、からスタートしよう。(僕は45分作業→15分休憩サイクルにしている)
出来れば、掛かる時間がほとんどないタスクから取り掛かるのがベターだ。例えば僕は、机上の整理整頓や日報のチェックから仕事を始めている。
『前進している』という感覚は、最高のガソリンの1つでもある。是非ともこれはクセづけてあげよう。
それでもマルチタスクを手放さないなら・・
とはいえそこまで伝えても、授業中に内職をしちゃう生徒はたまにいる。その反論はもはやテンプレ。
『部活が(学校が)忙しくてここ以外時間取れんもん!!!!』
みたいな。一昔前ならぶん殴られそうな詭弁である。だが、コチラが提案するべきは、あくまで解決案であろう。
まず、『時間が無い』なんて、大体はただの思い込みだ、というところから伝えてあげよう。(これは忙しい!が口癖の皆様にも同様)
僕はよく、以下の質問を生徒に繰り返し、そのことを気付かせている。
僕『じゃあまず、1日何時間寝たい?』
生『7時間かなー』
僕『何時に家を出て、何時に帰ってくる?』
生『7時に家を出て、18時に帰ってくる』
僕『朝の支度やご飯やお風呂の時間はどれくらい?』
生『朝は1時間、ご飯とかも合わせて1時間くらい』
僕『-となれば、23時に寝て6時に起きると仮定しても、フリータイムは19:00~23:00に4時間あるよね?』
『学校での空き時間なんかを利用すれば、この辺もグッと増えそうじゃない?でもそれができないのは、戦略や意識が違うからだよ』
みたいな。『えっ、マジで?』という風に、驚きの表情を浮かべる生徒が大半だ。時間が無いというのは錯覚と言うのがよくわかる。
その上で、例えば宿題をする場所はココという風に環境を創るとか、上記のテクの話とかをすると、聞いてくれる確率がアップする。
頭ごなしに叱っても逆効果だ。参考にしていただければありがたし。
終わりに。
ということで、『マルチタスク』の害悪についてつらつらと語ってみた。同時にバリバリ作業なんて幻想だ。漫画のキャラである。
こういった考え方を関心を持って知ること、そしてそれを素直に実践することは、今後大きな成長や成功を生み得る大事なファクターだ。
出し惜しみなく伝えてあげるようにしたい。
それでは今日はこの辺で。