論文を拾い読みしていると、面白いけれど記事にするほどじゃない『小ネタ』がどんどんストックされていく。
いつかそれらまとめて記事にしようと考えていたが、やっとこさ大体記事1つ分の量が溜まったので、今日はそれを以下に書いていく。
『成績が悪かったら誰のせい?』
小学生が、自分の成績をどう評価し、なぜその結果が出たと思うかを尋ねた調査があった。
言い換えれば、良い結果・悪い結果が出たとして、その原因はどこにあると思う?と小学生に訊き、まとめたという具合。
かいつまんで言えば、
① 学年が上がるにつれ、『努力不足』と答える割合が増加する。(つまり、他責にしなくなる)
② ただ同時に、自分の『才能』を否定し始める生徒が出てくる。(この層はケアしないとマズい)
という具合。だが。僕が一番気になったのは、これらではない。このアンケートでは、『先生の教え方のせい』という項目もあり、
国語と算数に比べ、理科と社会は悪い成績の際、『先生の教え方のせい』に対する回答が多かった
というのがすごく刺さった。
聞きたくないものの、生徒から学校の先生に対する不満な点をたまにぶちまけられるのだが、その内容として社会が圧倒的に多いためだ。
何か関係がある気がする。
僕は社会も指導しているので、授業構成等のクオリティをもっと気を付けようと考えさせられたアンケートである。
『成績向上に繋がる他者比較とは?』
僕は『競争主義』をバリバリに押し出すのに懐疑的だ。僕自身がそれで何度も自尊心をへし折られたのがその理由。
だが、生徒の中には『競争した方がやる気がでる!』というケースも多く、とはいえ逆もまた見逃せない数居るので、頭が痛い。
そこで参考になったのがこの論文。
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjep1953/55/1/55_72/_pdf
内容が極めて難解なので齟齬があるかもしれないが、参考になった記述を抜粋する。
『自分はどちらかと言えばできないと思う・・』とお考えなら、誰かとの『比較』は成績向上に繋がるっぽい
その上で、数学は、『勉強量を人とよく比べる生徒』に成績向上の傾向が見られた
国語の場合は、『勉強法を人とよく比べる生徒』に成績向上の傾向が見られた
という具合。数学はとにかく量をこなせとはよく言われるので、ちょっと納得。国語も、勉強法を間違えるとむしろ成績が悪くなるので、これも納得。
『人と比べて私はダメだ・・』という自己否定になると比較は毒でしかない。
だが、『あの人のやり方や頑張りの方が良い!』と感情を割り切って取り入れる分には、別に良いっぽい。声掛けの参考にされたし。
『家庭の雰囲気とテスト成績の関係性とは?』
テストの成績の良し悪しに、『家庭の状況も関係あるのでは?』という調査をした論文がある。対象は小学4・5年生である。
つまり、両親がどういう性格や価値観をお持ちかで、生徒の学業にどのような影響を及ぼすかのアンケートのまとめ、と言える。
その結果は結構ハッキリと差が出ており、面白かった。
しつけも愛情面の支持も密に行う家庭の子は優秀者が多し!
しつけよりも愛情面の支持が強い家庭の子も優秀者が多し!
しつけの比率が高い家庭の子は、成績が低め!
子どもに無関心な家庭の子も、成績が低め!
という具合。下2つは過去にこういった記事を読んでいたので、すごく納得。
僕自身、実を言うと成績が優れている子で両親との仲が悪いというケースはかなり少ないと感じていた。(逆もまた然り)
愛情面というのはかなりアバウトだが、要するに『家庭内でのコミュニケーションがある』とか、『よく褒めてあげる』といった話だと思う。
この辺で僕らが介入できることはほぼ無いが、もし自分に子どもが出来た際、或いはすでに居られる場合は、参考になりそうな話である。
ということで、論文の拾い読みまとめはこれにて終了。またネタが溜まったらこうしてまとめるので、その際はよろしくです。
では今日はこの辺で。