一本ピシッと筋の通った説明は、言うのは簡単だが作るのは割と難しい。初年度は『本題からズレてる!』とよく怒られたものだ。
だが今は、その辺の悩みはほぼ全く抱えていない。僕なりのコツ、もといテンプレができたからだ。
今日はそれを、別に企業秘密にすることでもないので、ご紹介してみようと思う。
まずはゴールから考えるべし。
『この授業時間でどこからどこまで伝えたいか?』は最初にしっかり考えるべきだ。
例えば僕の場合は、『動名詞を教えるなら、不定詞との使い分けまで行ってしまおう』という具合。
ぶっちゃけ、最終的に目指したい地点が無いとか、話にならない。
仮にここがどうしても閃かないなら、例えば定期テストや入試の過去問を見ると、ぼんやりと見えてくるのでオススメである。
続いて、『なんで?』『どうやって?』を繰り返す。
そこからはちょっと地道な作業である。先ほど自分が伝えたいと決めたテーマについて、
『なんで?』『どうやって?』という問いを繰り返す
のだ。
例えば僕の例なら、
↓
なんで?『入試や定期テストの頻出事項だから』
どうやって?『enjoy,stop,finish等の決まりきった表現を列挙する。(証拠として過去問を板書する)』
↓
どうやって?『そもそも動名詞の説明から丁寧に行う(現在進行形との違いを明確に)』
↓
なんで?『動名詞は名詞であるというイメージを強く持たせたいから』
↓
なんで?『日本語でも動詞に『-こと』を付けると名詞扱いできるのと、同じノリだから』
という感じ。関連事項を掘り下げ続けているので、論点がズレていくリスクはかなり少なくできる。また、闇雲に考えるより、はるかに効率的だ。
そうして落とし込めるところまで落とし込んだら、次のステップに移ろう。
一番根っこにちょっとだけ関連した『ツカミ』を考える。
話の根っこを掴んだら、あとは『ツカミ』を考えていっちょ上がり。(ここが一番難しいのだが・・・・)
例えば先の動名詞のくだりだと、僕はよく『名詞とは、【は・が・も】が自然について文が流れる語』と説明している。
その上で、『走るは楽しい』『僕は寝るが好き』という例文を出し、この違和感をどうすれば消せるかを発問。
大体は『走ることは楽しい』とか『僕は寝るのが好き』と答えるので、『つまり動詞に"こと"や"の"を足せば名詞化出来るよね』と言える。
『それは英語も同じで、【動詞にingを足したもの】が【動名詞】なんだよ』
という風に持っていく。今のところ、毎年反応は上々だ。
ここは別に、全然関係なく見える体験談などでもいいし、いきなり入試問題をバンと出し、『今日の説明で出来るようになる!』と銘打っても良い。
オリジナリティを出せるよう、色々と考えてみてほしい。
実際はどう説明するか?
-ゴールから逆算することの狙いは、論理をずらさないというのもあるが、【説明の流れ】を作ることにもある。
実は、今まで作ったプロセスを反対にして授業をすれば、一本筋が通ったロジックが勝手に完成しているのにお気づきだろうか?
ツカミと導入
↓
伝えたい点に至るまでの疑問・スモールステップ
↓
今日のポイント
と言う具合。まさに、あら不思議状態である。
別にこれは授業に限定した話ではなく、汎用性の高いコツだと思うので、何かの参考になれば幸いだ。
それでは今日はこの辺で。