この記事を読んでいただいている皆様の中にも、もしかしたら『読解』『作文・小論文』の指導に当たっている方がおられるかもしれない。
こういった『総合力』が試されるものは、自分が解けるとしても指導が困難だ。僕は強くそう感じている。
僕自身結構この辺は考えて悩んで独学に励み、最近割と授業が形になってきたなぁと感じる次第である。
そこで今日は、その際に特に勉強になった参考書や問題集を、3つほどご紹介してみる。
『論理トレーニング101題』 野矢茂樹
つかみどころが無くて勉強が難しい『論理的思考力』を、実践的なトレーニングで鍛えるための良書。
正しい接続語の使用法は?正しい論理構成は?正しいトピックの選び方とは?
-といったつかみどころがない命題それぞれに、超具体的な問題が添えられており、解説も極めて丁寧で非常にありがたい。
例えば『ただし』と『しかし』の使い分けなど、僕自身も盲点で勉強になった部分はかなり多い。
きちんと接続語を使えることが、国語力が高くなる条件みたいな話も出ているので、まずは教える側として、この辺を再度学び直すのはいかがだろうか。
『現代文の勉強法をはじめからていねいに』 出口汪
このブログでは複数回取り上げたことのある良書。ぶっちゃけ、教える側が持っておくべき知識は、この1冊で完結してしまう。
漫画なので極めて読みやすいのもセールスポイントだ。僕も暇があると、ちょこちょこ拾い読みするようにしている。
唯一の弱点としては、ここにある手法はあくまで本当に基本的な話なので、この通りに説明をしても広く浅い感じになる・・というぐらいだろうか。
とはいえやはり、つかみどころのない『国語力』の指導のヒントを得られる優れたテキストに変わりはないので、これまた超オススメの一冊である。
『国公立大学現代文攻略』 長島康二
国語の指導をする際に、『ここに書いてあるじゃん・・・・』以外の説明が浮かばない方にオススメ。
先ほどの『はじめからていねいに』が基本とすれば、こちらは『専門的』な内容だ。
国公立二次と銘打っているが、実はこれ、少々の工夫で高校入試にも中学入試にも応用が利く優れもの。
本文はやや難解だが、解答にいきつく術をかなり噛み砕いて説明してくれているので、理解そのものもそこまで苦労しない。
(例えば、『三段論法』や『言い換え』、『本文の記述から答えを作る』といった基本に、どこまでも忠実である)
少額の投資でかなりのリターンが得られる良書。ちょっとレベルが高い層への指導が必要なら、手に取ってみてはいかがだろうか。
ということで今日は手短ながら、紹介の記事を書いてみた。
同じように指導に難儀している方に、何かしらのヒントが伝われば幸いだ。
では今日はこの辺で。