授業とは、言葉を悪く言えば生徒にとって受動学習の時間であり、こちらの配慮が無ければ長時間集中力を維持するのは極めて困難である。
仏教にさして興味がない人が、2時間も集中力MAXでそれを聞くなんて不可能。そんな話に似ている。
さてさて。では、その集中力が持続する時間を延ばすため、こちらが打てる手は何なのか?
今日はそれについてつらつらと書いてみる。
導入の5分を大切にすること。
長く続く集中を生むため、導入の5分は極めて大切だと言われる。それについては、実際僕も体験としてそう思う。
特に、最初のツカミの時間で、生徒の知的好奇心を刺激する何かの話ができれば最強だ。
というのも、知的好奇心が刺激された状態から学習に入ることで、学習効率が高まる・・・という話を聞いたことがあるためだ。
僕自身は、よく導入と称して『論理クイズ』だの『意味が分かると怖い話』だのを行っており、その反応は悪くない。
是非とも参考にされたし。
説明は15分程度で終了!
説明は本当に楽しい。それは、僕自身ひしひしと感じるので、全然否定はしない。
だが、それだけで授業を終えると、生徒目線としてはかなり不親切だ。僕らの授業はお笑いライブではないのである。そこを履き違えてはならない。
何とかコンパクトにすることを意識し続け、1つの授業時間における説明時間は15分程度に収めよう。
これで生徒の集中力はグンと延びること請け合いだ。
演習は時間制限を設ける。
ここで何度も書いた話ではあるが、やはり演習にはタイムリミットを設けるべきだ。
ただ『解け!』というだけだと、不思議と集中が続かない。まぁ、ゴールがあるマラソンと無いマラソン、どっちが辛いかを考えれば、自明ではあるけど。
目安として、15~20分くらいで答え合わせまで終了するくらいの分量が良い。これはもちろんクラスや生徒で変わるので、机間巡視しつつ把握してほしい。
指示を同時に複数飛ばさない。
以前、マルチタスクは良いこと無し!みたいな記事を書いた。特にそれは、集中力に悪影響を及ぼす。
それは、些細なことでも起こり得る。例えば以下の指示も、立派なマルチタスクである。
教科書とノートを出して、P45の大問2と3だけを15分で解きなさい!
-おそらく、10人いればこれで始められる生徒は3人もいない。『なんて?なんて?』と返されることを保証する。
尚、僕自身は指示を細切れにしたり、必ず板書したりと、マルチタスクにならないように常々心掛けている。
特にクラスに発達障害のケがある生徒がいると、指示が理解できないことからヒートアップする場合も多いと聞く。(様々な事例を読んだことがある)
こちらがラクしているとき、その負担は大体生徒にいっている。その意識はずっと持っておこう。
掲示物は必要最小限にする。
もし教室に大量の掲示物があるなら、取捨選択したうえで片っ端から剥がしてしまおう。
多量の情報が目に入ることは、これまた集中力を大きく削ぐ。
例えば皆さん自身も、ふと気づけば人の話そっちのけで、壁のポスター等を眺めていたことはないだろうか?僕は超ある。
冷静に考えれば、教室に貼らずとも生徒の目に触れさせる術はあるはずだ。生徒が必ず通る廊下なり階段なりに分散するのも一手だろう。
教室を殺風景にしろとまでは言わないが、不必要な情報源は絶対に除去すべきだと言える。
終わりに。
こんな風に、授業の内容うんぬんの前の段階で、打てる手は結構あるワケで。
自然と集団授業に特化した書き方になってしまったので、今度は個別授業編も書くことにする。
皆さんの授業が円滑に回ることを願ってやまない。
それでは今日はこの辺で。