大体の高校で学年末試験が始まり、来週を目途に各中学校もそれに突入していく。
昨日の記事でも書いたが、試験前になると、訳も分からず焦り、時間ばかりかかる勉強法に終始し、結局準備が間に合わない生徒を散見する。
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そこで今日は、この直前期だからこその、勉強時間と集中を伸ばし、効率的に準備を終わらせる術を、箇条書きと簡単な説明でまとめておく。
テンパってる生徒に是非伝えてあげてほしい。では、続きは以下から。
事前準備編
①学習環境を創れ!無理ならそういう場所に行け!
『環境』が持つ力は、殊の外強い。学習するための空間を用意できれば、そこに行くだけで勝手に脳にスイッチが入るほどだ。
だが、逆もまた然り。自分の部屋と言うリラックススペースで、学習という苦行を行うのは、あまり効率的とは言えない。
したがって、まずは環境を創ることが要だ。自分が学習する際、視界に娯楽が入らないよう、まとめて箱か何かにぶち込んでどこかに仕舞おう。
タイマーとしてスマホを机上に出すのは百歩譲るが、通知が気になるという理由で置いておくのはぶっちゃけ論外。その都度集中が切れるためだ。
ただ、そういった環境づくりがそもそも難しいなら、勉強するための場所に自ら行くしかない。図書館、塾、エトセトラ。
ということで、そもそものスタートとして、僕は『環境創り』を推しておく。
②試験範囲を『ザッと』確認する!
『試験範囲、どこがヤバい?』と生徒にきいて、もし『全部!』と言ってきたらどうするか。
ハッキリ言う。その状態は、何が分かっていないかすら分かっていない。つまり、何が問われるかという敵を全くつかめていないということだ。
冷静に考えれば、だだっ広い試験範囲の本当に全てが0から分からないなんて、極めて稀な話だろう。
だからこそ、まずはザッと全体像を掴ませるべきだ。ページ数通りにまずは教科書をナナメ読み。これでいい。
すると、『ここイケそうだな』とか、『このページ、コラムだから関係ないじゃん』といった、削れる箇所を絶対に見つけられるはずだ。
敵を知れば百戦危うからずというが、これは言い得て妙、的を射た格言だと思う。
実際の学習編
①まずは見て読んで、試験範囲を1~2周するべし!
試験勉強という範囲が決まった勉強の基本は、一にも二にも反復だ。
超綺麗にノートをまとめる学習は、例えば答えを隠して読む勉強を2~3回した生徒に完敗する。これが現実なのだ。
だから、まず1~2周目は、書くのではなく読むことをメインにし、とにかく早く終わらせよう。
社会や理科のワークは、答えを紙か何かで隠して言うだけなので分かりやすいと思うが、国語や英語でも、長文の全体像や単語等はこれでイケる。
数学も、『この手の問題は、確か中心角をxと置いたよね』みたいに、答えに行きつく道筋がぼんやり見えればOKとしよう。
まずは書くのではなく、見て読んで、一周スピーディーに終わらせる!!
本当に、これに尽きる。やればわかるし、やらねば終わらないと、強く感じる。
②インプットとアウトプットは、それぞれに集中し、連続させない!
もはや肯定している先生も講師もほぼいないが、答えを見ながらワークに転記する"作業"は、最悪な学習法(ですらないが)の1つである。
理由は、インプットとアウトプットがごちゃ混ぜになっているからだ。2つの作業は、よほどの天才でない限り不可能である。
だからこそ、何度も言っていることだが、まず勉強時間は15~45分のそれと、5~15分の休憩で1セットとしよう。
そしてそれぞれのセットでは、『インプット』のみ、『アウトプット』のみと完全に切り離そう。そうすることで、飽きが来るのを防げて、結果集中時間が延びる。
例えば、1セット目で『歴史の教科書を思い出し法で暗記』したら、その次のセットは『何かのワークを解く』という具合だ。
これを『タスクシフト』というのだが、僕自身も集中時間がトータル延びたという実感はある。ぜひ試してみてほしい。
―では最後に、適切な『息抜き』について述べていく。
息抜き編
①最高の休憩法は、『そもそも何もしないこと』。
まず言いたいことから言う。ぶっちゃけ、勉強時間を区切り、いざ休憩に入ったとして、本当にしてほしいことは1つだけ。
何もするな
である。目を閉じてゴロゴロしててほしい。これが一番、頭に残るためだ。
例えば15分の休憩でゲーム等に手を出すと、その刺激が記憶の構築と定着を妨げて、学習効果が減ってしまう。それは不毛ではないか。
理想は少なくとも10分程度ゴロゴロしてほしいが、最悪でも1分程度はぼーっとしてから、ゲーム等の娯楽に手を出してほしい。
②やる気スイッチを強制的に押す手段とは?
あるのかないのかよくわからないやる気スイッチ。実はこれを、強制的にONへ入れる術はある。
それは、全力運動だ。例えばどうにもやる気に呻吟するなら、腕立て伏せを全力で20回程度やってみると良い。
或いは、騒音や周囲が気にならない環境なら、『バーピー』という動作をやってみてもいい。これも20秒でゼーゼーものだ。
『運動して疲れたら寝ちゃうじゃん!!』と言う人は、部活動を終えて、家に帰った後の話をしているのだろう。
逆に尋ねるが、特に運動系の部活動終了直後に眠くなった人は、一体何人いるだろうか?
運動は最高の目覚ましだ。良いからやれ!Just do it!
終わりに。
―ということで、ここにあることを繰り返し取り入れることで、対策が無い場合の2倍程度は、集中時間を延ばせるはずだ(個人差はあるが)。
そして効率も同時に高めることで、対策無しで取り組む場合と比べて、実質4~5倍程度の量をこなすことができるはずだ。
繰り返すが、大事なのは戦略。それ次第で、学習の質も量も、そして成績も、良くも悪くも大きく変わるのだ。
身の回りのテスト週間難民が居るのなら、是非伝えてあげてほしい。
では今日はこの辺で。