『頑固な生徒』がたまにいる。
尚、ここで言う頑固とは、【他者の価値観・考え方を一切取り入れようとしない】という意味である。
さて。ハッキリ言ってしまうが、こういう生徒は厄介だ。何故かというと、得てしてその頑固さは【勉強法】に出てしまうからだ。
僕はかつて何度か、【効果が無いのに人気はある勉強法】をここで否定してきた。
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それは授業時も同じで、全体にも勿論言うし、自習時に個々人へ声掛けもしている。
―だが、それを頑として受け付けない生徒はたまにいる。あまり言いたくないが、そういう生徒で無茶苦茶勉強できるヤツを、僕はほぼ知らない。
そんな状態でも、テスト等の結果がふるわなければ、その責任はコチラに問われる。本当に厄介だ。突破口はどこにある。
そこで今日は、そんな同じ悩みを持つ方に向けて、この難題について役立ちそうな事柄をまとめてみる所存である。
―だが最後の最後に、ちょっと過激なことも書いておくつもりだ。
あまり具体的な生徒の顔を浮かべながら読まない方が良いかもしれない。それでも良ければ、以下ドウゾ。
BYAFテクニック
こちらの記事で紹介されていた方法。
BYAFとは、【But You Are Free】の略であり、何かしらの交渉や営業の最後に、『最後に決めるのはあなたですよ』的なフレーズを足すというテクだ。
記事によれば、これだけで説得の成功率が2倍に跳ね上がるのだという。(細かい理由は、ここに書くと冗長なので割愛)
さて。これを例えば勉強法のやり方で言うなら、
『こういうやり方もあるよ。まぁ、取り入れるか入れないかは、自由だけど』
という具合で生徒に提案する感じだ。超簡単なので、まずはこれを試してみてはいかがだろうか。
フット・イン・ザ・ドア
何故か恋愛関係のハウツーを説いた本や記事でよく紹介されているテクだが、本質は『相手に依頼を受けてもらいやすくする声掛け』と言える。
これまた超簡単で、『すごく小さいお願いことから始めてみる』という、ただそれだけだ。
例えば、勉強法にしても、『とりあえず今日この1日だけは実践してみてくれ』という風に生徒に言えば、やってくれる可能性は跳ね上がる。
頭ごなしにガラっと変えるのは、大人だって抵抗は強い。だからこそ、まずは簡単なのから始め、段々と『次はこれもやってみようぜ』と広げていく感じである。
―ちなみに、わざとデカいお願いをして、それを断られた直後に本来のお願い事をすると、これまた成功率が格段にアップするのだという。
こちらは『ドア・イン・ザ・フェイス』と呼ばれる方法であり、組み合わせて使うことも可能だという。手数を増やすという意味でも、オススメである。
イエスセット
こちらもまた心理的なお話。まず下ごしらえとして、『該当者がイエスと言わざるを得ない質問』をいくつかするところから始まる。
例えば、成績が伸び悩む生徒の場合だと、こうなる。
僕『次のテストは、今よりいい点取りたいよね?』
生『はい、平均80点は取りたいです』
僕『ただ、どうしていいかよくわからないのが本音じゃね?』
生『正直、そうです』
―という感じ。ここまでスムーズにいくかどうかは個性によるので、細かくアレンジしてほしい。
さて。こういう風に『イエス』を連続させると、不思議なことに『ノー』と言われる可能性がどんどんと減っていくのだ。
元来の気質として、人は無意識に自己矛盾を嫌うのだという。したがって、『イエス』が連続した場合、その後も無意識に『イエス』を選ぶのだそうだ。
少しだけ練習が要りそうな気がするが、これまた知っておいて損はないテクニックである。
最後に:【頑固者】を相手にする際、知っておいてほしい前提。
さて。導入にこっそり、『ちょっと過激なことも書いておくつもり』と言っていたが、その内容を今から書こう。
それは、『頑固者』にこちらの意見を取り入れてもらうのは、ほぼ無理というものだ。
つまり、自分の価値観に固執する状態は、他者の説得でどうにかなるものじゃないという話である。失敗する方が当然なのだ。
これは、もう色んな研究で確認されている傾向である。僕自身、実体験としてもこれはマジでその通りだと思う。
『あの生徒、勉強法が悪いから伸びないのに、それを変えてくれない・・俺に人徳があれば・・』
なんて思い悩むのは、そもそもナンセンスなのだ。こんな思い悩みをしていると、鬱病になる日も遠くない。
一応、上記の記事をまとめると、紹介したテクに加えて以下の施策を試してもダメなら、もう説得を諦めた方が吉だという。
①相手の価値観を否定するのではなく、新しい情報を足す
②具体例を添える、または別の有名人や成功者の意見を加える。
③即レスで4回説得する
―ここまでやっても自分の我にこだわる生徒は、精神が成長するまで待つしかコチラに打てる手は無いと思う。(それが周りに伝染しないようにするのも忘れずに)
ということで、お前が言うなという話だが、このテーマについて悩む人は、線引きをハッキリさせ、『課題の分離』を意識しておこう。
さて。まさかの最後は『失敗するのが自然だよ』という結びであったが、これが真理なので仕方ない。
以前の記事にも書いたのだが、講師として長く健やかにやっていくなら、ある程度のドライさは必須である。
この記事は、そういうことを伝える目的でもあった。心のどこかに響いていれば嬉しい。
それでは今日はこの辺で。