今日は読書感想文をば。
僕は高校から理科の成績がヘボチンなのだが、理科そのものとか、その考え方は結構好きだという自負がある。
『これってどういう理屈で機能してるんだ?』とかに興味を持つことは多いし、何よりネットが普及したおかげで、それを調べるのも容易になった。
―だが、なかなかこういう熱を生徒に伝えるのは難しい。やはり『勉強が好き』と言おうものなら、意識高い(笑)みたいなイメージを持たれてしまう。
そしてそのまま大人になられた方も多いのではないだろうか。例えば『何かを学ぶのは楽しいぜ!』と言う同級生を、僕はあまり知らない。
そこで今日は、『科学的に物事を考える人間の思考プロセス』と『その熱意』、そして『その面白さ』が無茶苦茶濃く、深く学べる良書を紹介する。
それは『ご冗談でしょう、ファインマンさん』という本である。
さて。この『ファインマン』とは誰かというと、ノーベル物理学賞も受賞した、歴史的なアメリカの物理学者である。
―ただ、この本に超絶難解な物理学の話はほぼ登場しない。僕みたいなド文系が楽しく読めるくらい、その内容に理系用語は少ない。
では、この本に書かれている内容は何か?Amazonの説明を引用すると、
20世紀アメリカの独創的物理学者が、奇想天外な話題に満ちた自らの体験をユーモアたっぷりに語る。
持ち前の探求心と、大のいたずら好きは少年時代から変わらぬまま。
大学時代や戦時下の研究所生活でも、周囲はいつもファインマンさんにしてやられる。
愉快なエピソードのなかに、科学への真摯な情熱を伝える好読物。
※・・太字は僕が付けた
ということで、まず安心してほしいのは、『笑える』という意味で無茶苦茶面白いということだ。
しかも大体一話が2~10ページくらいなので、キリが悪くてなかなか読み進められない!というのもない。
その短くテンポの良いエピソードの中に、ファインマン氏の考え方や、『学ぶことの楽しさ』のヒントがぎゅうぎゅうに詰め込まれている。
試行錯誤、多角度からのアプローチ、仮説立て・・・・・。
言葉にするとここまでめんどくさそうなことを、実に楽しく日頃から行っていることがありありと伝わるのだ。
言葉を尽くして説明するより、『勉強って楽しいんだ!』というのがビシビシと伝わってくる名著。
別にそこまで肩肘張らずとも気軽に読めるので、このコロナショックで暇になってしまった方はいかがだろうか。
(僕のオススメは、少年時代に実験の果て、部屋を燃やしそうになるエピソードである)