コロナの影響は色濃いが、新年度の問い合わせがポツポツと届き始め、体験授業を実施する機会も増えてきた。
良い口コミも悪い口コミも広がり得る極めて大切な機会であるため、やはりノープランで突っ込むことはできない。(そしてさせない)
さて。この体験授業では特に、あるポイントを外すことは絶対に出来ない。
それは、『聴講者の得』である。
今日は僕自身の備忘録も兼ねて、この新歓期に気を付けるべきポイントをまとめておく。
『得』とは何か?
この『得』とは、すごく乱暴に言えば以下の3種類だと僕は考えている。
①『わかった!』という感覚
②『解けた!』という感覚
③『なるほど!』という情報
このどれかさえ最低限入っていれば、満足度は急激に高まるという手ごたえがあるので、毎度毎度コレをベースに授業を組み立てている。
では、それぞれは具体的に何を指すのか、以下に続けてまとめてみよう。
①『わかった!』という感覚
これは言葉より遥かに難しいが、最悪問題が解けずとも、『わかった!』と思わせれば、生徒(もとい聴講者)に対しては大体勝ちとなる。
教科書に書いてある言葉を噛み砕いて例え話で説明したり、すごくわかりにくい因果関係を解き明かしたりと、一番コチラの腕が問われる分野かもしれない。
②『解けた!』という感覚
これは主に『算数・数学』的なジャンルに向いている。
大体の聴講者が理解に難儀するテーマについて、『とりあえず解ける裏技的知識』を伝授するのがそれに当たる。
何となくだが、中学入試のサイコロの展開図とか、空間図形をぶった切るアレとかでよく見るイメージがある。
③『なるほど!』という情報
一番難易度が低いので、是非とも実践してみてほしい内容だ。というのも、これはいわゆるトリビア的知識でもあるからだ。
例えば、公立高校入試の平均点とか、とあるメソッドを導入している会社の業績なんかは、調べればとりあえず一発で出てくるものだ。
あるいは、歴史上の裏話とかも、Wikipediaなどに普通に載っている。わざわざ金を出して参考書なんかを買う必要はない。
―だがその手間をかけて事前に情報を得ている人は超少数派だ。かける労力や時間の割に、満足度と言うリターンが大きいのが特徴である。
・・・ということで『定義』の説明は終わったので、次に『具体的にそれを盛り込む方法』について考えてみよう。
オススメの実践方法。
ここからは、ぶっちゃけ社会人向けのセミナーをしたことがないので、小~高校生に対しての授業を例にとって説明してみる。
時期によるが、まず指導単元は『自分が魅せやすいもの』かつ『大体の人が困るところ』から探すべきである。
例えば僕は『不定詞と動名詞の使い分け』の授業が得意なのだが、ここで詰む生徒は実際あまりいないため、そこまで響かない。だからあまり行わない。
また、高校英語の『否定・倒置』でつまずく生徒は多いが、僕もここが苦手なので、手を出すことはない。
手前味噌だが、僕は時期とタイミングさえ許せば、各科目以下の単元を体験授業で実施している。
中学英語→be動詞と一般動詞、不定詞(副詞的用法)、分詞、関係代名詞
高校英語→過去完了形、分詞構文、仮定法、英検の読解問題
中学社会→飛鳥、平安末期~鎌倉滅亡、幕末、第一次世界大戦付近
※地理はそこまで得意じゃないので避けがち
中学国語→文節、品詞、説明文・物語文の読解方法
高校国語→現代文の読解方法
―つまり、強みに当たるところなどこれくらい細分化して構わないので、何かを説明する際は考えを巡らせてみてほしいという話である。
さて。裏技的シリーズは、身も蓋もないが『参考書』を立ち読みすればネタそのものは入手できる。あとはそれを自分のキャラに合わせて調理するだけ。
新情報についても、それはこちらのリサーチ力と要約力に掛かっている。詰め込み過ぎても伝わらないし、説明が丁寧過ぎても『情報量』が減る。
―ゴチャゴチャ書いたので乱暴にまとめるが、結局『自分が聴講者だとして、どんな情報が嬉しいか』を考えるのが一番手っ取り早い。
或いは、自分が話そうとしているテーマについて悩みを抱える人に、直で訊いてみても良い。そうやって目線を変えて逆算すれば、勝手に上記の3要素に着地する。
重要視しては欲しいが、ことさらにプレッシャーに感じる必要もないので、最初の接触においては意識を向けてみるのをオススメする。
同じようなことに悩んでいたり、そもそも考えていなかったりした人に役立つことが書けていれば嬉しい。
では今日はこの辺で。