この記事を読んだ。
便乗めいた内容になってしまうが、僕はこの内容に同意する。というのも、僕自身、英語の勉強をガッツリ始めたのは、実は16~7歳の時だからだ。
そんな変わったキャリアを持つ僕なので、『年齢が遅いから英語なんて・・』と思われる方々に、別目線の話を提供できるかもしれない。
そこで今日は、自分の考えを添えつつ、上記の記事の内容についてご紹介したいと思う。
『英語は〇歳までに~』というフレーズについての、身も蓋も無い話。
先の記事でも触れられていたが、『〇歳までに英語を~』みたいな謳い文句はよく見かける。
ただ不思議なことに、その後に続くフレーズは、『ラクになる!』等の前向きなキャッチではなく、『英語脳になれない!!』みたいな脅迫が大半である。
ぶっちゃけこれは、人はネガティブに影響されやすいという性質を利用したマーケティング手法であり、やたら心に残るのは、ある種当然なのだ。
だがこれは同時に、聞いた人のメタに『小さい内から英語を学ばねば手遅れ。つまりお前は手遅れだ!』という文言を刻み込んでいる場合もある。
更に、これまたただのブランディングの手法だが、著名な英語講師の歴を見ると、『幼少期から英語に触れ~』『小さい内から面白さに目覚め~』から始まることも多い。
そして後は、『TOEIC990点!』『英検1級取得!』『論理的で緻密な授業が大好評!』という歯が浮くような誉め言葉が続く。
―こういうのも、僕みたいなネガティブのメタに、『やはり英語は早い内から始めんとアカン。お前は手遅れやでぇ』という文言が刻まれるからなんかイヤだ。
だからハッキリ言うが、これらのフレーズが意味するのは、年齢が低ければ低いほど、日本語の習得と同じノリで英語に慣れていけるというただそれだけの話である。
理屈ではなく感覚で体得できるという、それ以上でもそれ以下でもないのだ。良いか悪いかは、ぶっちゃけその人次第である。
ということで、上記のフレーズについては、過度に恐れないのが一番健全な接し方だと考えている。強迫観念で始める勉強ほど、つまらないものはない。
興味があったり好きだったり、或いは何らかの憧れがあったりすれば早く始めるのは良いのだが・・・。
そうでないなら長期的に見て積む可能性のが高い。今一度、考えてみてほしいテーマである。
では、ある程度『日本語』が頭に入った後は、どう勉強すればいい?
では、ある程度『日本語』ができたら、英語は習得できないのか?ハッキリ言うが、そんなワケは全くない。
しかし、幼児や低学年の子供の勉強法をまんま流用するのも、モチベーションをことごとく挫くので微妙だ。
例えばくまのプーさん的な絵本を、中1が嬉々として読めるかと言われれば、まず間違いなく微妙である。
―この辺の落としどころは、安河内哲也氏の著書にヒントとなるフレーズが書いてある。
曰く、『文法』や『単語帳』を、『時短ツール』として使う
というものだ。これはどういうことか?
例えば第一言語である日本語については、誰から教わるでもなく、幼少期から日本語に晒され、夥しい数の試行錯誤を繰り返すことで"自然に"習得するとされている。
皆が『お父さん』と呼ぶ。でも、知らない人に『お父さん』と言ったら、お母さんが慌てた。そういう時は『おじさん』と言うらしい・・・。
みたいな。時たま『赤ちゃんになって英語を勉強するのだ!』みたいなことを言う人がいるが、多分根拠としてこの例を考えているのだと思う。
だがこの勉強法には、一つ致命的な欠点がある。それは、
時間が異常に掛かり過ぎる
ということだ。
上記の本が言うには、『1日10時間の上記のような勉強を10年繰り返す』ことで、一切のルールを習わず、英語をマスターできるという。
そんな時間がある暇人など、中学生以上の年齢でいるわけがないではないか。だから登場するのが、『知識』として文法や単語を覚える作業の必要性である。
『人にお願いするとき』は、Would you ~ ? を使いましょう。
みたいなのは、『そうなんだ』という知識を得て、『使ってみよう』という練習をすることで、超高速で『習得』に至る。
日本語が頭にあることはハンデではないのだ。逆に、それとリンクさせることで、スムーズに『言語上のルール』を会得できるとも考えられる。
―ということで、『感覚』で習得するのが難しい年齢になったら、まずは『知識』を得ることから始めるべきである。
それらを『使用』し、『習得』するような学習を積めば、例えば最終的に行きつくところは帰国子女らと同じぐらいのエリアになる。
尚、その学習法として、『セルフイマジネーション』とか『シャドウイング』とか『音読』とか『多読』とか、言いたいことは山ほどある。
しかしそれらをこの記事に盛り込んでしまうと、言いたいことがサッパリになるので、別に機会にそれは譲ることとする。
とりあえず、日本語がある程度できるようになったなら、それを利用して英語を勉強すればいいという当たり前のことを、ここでは念押しして伝えたいと思う。
遅咲きでもネイティブ思考になれる、ある『劇薬』。
そして何より、何歳になろうが『ネイティブ』チックな英語力を鍛え上げる方法は存在する。
それは『留学』だ。強制的に英語しか使えない環境に身を置けば、ハッキリ言って英語は誰でも習得できる。
僕の周りで留学を経験した人はチラホラいるが、話をまとめると結構面白い。ちなみに全員20歳以上でのことだ。
①一ヶ月程度、例えばフィリピンに留学しただけで、とりあえず『言いたいこと』は英語で言えるようになる!
②イギリス留学三ヶ月程度で、大体どんな人の英語も聴けるようになった!
③行ったら、外国という環境に一週間もせず慣れちゃう!
という感じ。実は僕は留学経験など無いし、行く予定も無いのだが、近い経験はしたことがある。
僕は一度マレーシアに行ったことがあるのだが、着いてみれば英検1級を持ちつつも、何を言ってるかよくわからないし、言いたいことが出てこないのはザラであった。
しかし、同行者が全然英語が出来ないとのことで、僕が方々へ通訳とかその辺として駆り出されたのだ。逃げ場なし、生きるにはコミュニケーションせよ、と。(大げさか)
タクシーの手配。場所の聴き出し。値段交渉。ツアーガイドの和訳。料理の説明を受ける。
―こういうことを繰り返すと、滅茶苦茶不思議なのだが、人見知りしている自分に飽きてくるのだ。
『言いたいこと浮かばんけどええわ、とりあえず話そう』みたいな踏ん切りがつく。これは日本で味わったことの無い不思議な感覚だ。
ちなみにこの体験は、2日目の朝から始まった。最終的には空港職員と少し盛り上がったり、知らない現地の人と少し語らいながらビールを飲むとこまでは行けた。
『留学』という劇薬を使えるならそれが一番確実だが、ちょいと長めの『海外旅行』でも効果はある。
大人になっても英語は出来る。どうすれば良いかというと、海外に行けばいいのである。乱暴だが、これまた真理ということで。
終わりに。
―繰り返すが、僕は留学経験も無ければ、両親から早期の英語教育を受けたことも無い。初めて英語に触れたのは、ゆとり世代なので中1だ。
高校2年まで、偏差値はよくて50のポンコツである。そこから勉強法がガチっとハマり、そこそこのところまで来たという自負は、流石にある。
話したり聴いたりは正直苦手だが、1週間くらい英語圏の国に行けば仕上がるだろうという変な余裕はある。
―つまり、英語は"いつ始めるか"より、"どう勉強するか"だ。
冒頭で紹介した記事にもあったが、『開始年齢に過敏になりすぎないこと』を、僕も強く紹介しておこうと思う。
ここに書いたことが、誰かの心を軽くすることを望む。
では、今日はこの辺で。