最近、『英検』のサイトを見るにつけ、その種類が急増しているのに驚くばかりだ。
従来の英検、英検CBT、英検S-CBT、英検Jr・・・・
これらを把握し、伝え、対策することが仕事であるにも関わらず、我ながら少々混乱している。こらいかんぜよ。
ということで、より一層自分の記憶と情報の整理を確実なものにするため、このブログで発信することを目的として、今一度あれこれまとめようと思う。
備忘録がメインだが、お役立ちいただける情報が書けるよう、その目線も意識して書いてみる。
多分長大になるので、お時間があるときにドウゾー。
英語検定各種の説明。
まずはそもそも、実施されている試験の何がどうなのか、今一度整理してみる。(膨大になり過ぎるので、英検Jrとかは省略)
①実用英語技能検定
【英検】と言われればざっくりこれのことであり、要はペーパーテストのことである。級は1~5級まで。
塾や学校などの『準会場』か、協会指定の『本会場』を選んで受検可能である。(ただし二次試験と、準1級・1級は本会場のみ)
2016年・17年に傾向・形式が変わった(特定の級のWritingの追加、CSE導入、3級以上の並び替え廃止)以外は、馴染みのあるままで大きな変更は無し。
尚、合格点やレベル、過去問は以下のページを参照されたし。
②英検S-CBT
最近何かと話題なのがコレ。僕自身、膨大な質問や疑問を生徒から寄せられたので、結構気合を入れて調べてみた。
まず、内容について。公式サイトを漁ると、こんな説明があった。(少しだけ調整してます)
スピーキング | ヘッドセットを使用して、音声を聞き取り、マイクに発話します。(録音式) |
リスニング | ヘッドセットで音声を聞き、解答用紙にマークして解答します。 |
リーディング | コンピュータ上の問題を見て、解答用紙にマークして解答します。 |
ライティング | コンピュータ上の問題を見て、解答用紙に記述して解答します。 |
―要は、今まで問題冊子に書いてあった事柄を、全てPCのモニタを見てマークシートに記入というものである。尚、準1~3級が対象とのこと。
このS-CBT試験の最大のウリは、普通だと一次→二次と分かれる四技能試験が、1日で完結するところである。
しかも規定スコアを超えれば、それで合格となり、見事検定取得となるのだという。
おまけに、試験日程は超融通が利き、期間内の土日ならどこでも、という書き方であった。
(先に釘を刺しておくが、当然ながら候補日の全てを使って10回も20回も受けられるという意味ではない。
あくまで各回、その期間で一度だけ受けてね!という意味なので注意。
例:2020年度第1回の英検をS-CBTで受検するなら、4月~7月のどっかの土日に一回だけ受ける、という話である。)
―さてさて。ここまで書いて気になるのが、『吹き込み式のスピーキングってなんだ?』という話だと思う。
これについては体験版を見てもらうのが一番早い。
ボタンを押すと、こんな風に面接官がどアップで登場し、英語で語り掛けてくる。
その質問に対し、解答を英語でマイクに話すというものだ。
結構『そこにいる感』があり、僕もちょっと緊張してしまった。臨場感だけなら心配なさげである。(感想については最後にぶん投げる)
③英検CBT
で、もう1つ話題になっているのがコチラ。S-CBTとの違いが一見わからず僕はパニクったのだが・・・。
簡単に言えば、S-CBTは準会場、CBTが本会場というイメージで考えれば、あまり問題はなさげ。
他の違いとしては、マークシートではなく全てPC上でクリックし選択肢を選ぶというシステム、というのがある。難易度は当然ながら同じで、実施級も一緒。
尚、受検できる会場はまだ少なく、以下のそれらに絞られている。(2020年3月31日現在)
北海道 | 宮城 | 埼玉 | 千葉 | 神奈川 |
東京 | 石川 | 愛知 | 京都 | 大阪 |
兵庫 | 広島 | 香川 | 福岡 | 沖縄 |
あと、いちいち書くと膨大な量になるので、料金等の細かい話はコチラのサイトをご覧いただきたし。(受検料は、S-CBTのが500円だけ高い)
ーという感じ。各検定の説明はそろそろこの辺に留めておこう。では次に、『体験』を解いてみての僕の感想を述べる。
従来の英検か、それともCBTか?
異論は山ほどあるだろうが、僕自身の感想をこの項では述べる。
まず、リーディングとライティングについては、難易度に差異は無いと感じる。(マーカー機能があるため、長文の問題に線をマウスで引くこともできた↓)
ただし、リスニングとスピーキングに関しては、『CBTシリーズの方が難しい』と感じている。
理由は、問題が全て画面に映し出されるというシステムのためだ。
まずリスニングは、体験版ではあるが、画面にメモができない。(仮に出来ても追いつけない)
特に準1級レベルとなると、情報の大洪水である。僕はこれをメモ禁止の縛りで制することができるかと言われれば、かなりきつい。
そしてスピーキングについて。こちらは『録音の方が緊張しない!』とお思いかもしれないが・・・。
生身の人間相手ではないので、とっさのリカバリーが効かないというデメリットがある。
例えば僕も1級の面接時に、面接官が僕の発言で軽く首をひねったのを見て、そのフォローを入れたことがある。
そういう武器を奪われるので、この2つは実際より難度が高い気がしてならない。(最も、この二技能が得意なら、気にする必要はないかもしれないけど)
―ということで僕の感想をまとめると、難度としては、
・リーディングとライティング
従来の英検 ≒ CBT
・リスニングとスピーキング
従来の英検 < CBT
という具合である。この辺はいずれテコ入れがあるかもしれない。
―では最後、僕自身が疑問に思ったこと、実際に生徒・ご家庭から問われたことについての解答を調べ、それを雑多にまとめてみようと思う。
気になるアレコレ総まとめ。
①結局、何回受けれるの?
これは英検の公式回答でもあるのだが、従来の英検、S-CBT、CBTを上手い事組み合わせれば、MAXで年に8回受けられるのだという。
例)
第1回→英検、CBT、S-CBTで申込
第2回→英検、CBT、S-CBTで申込
第3回→英検、CBTで申込
→計8回
―とはいえ、下手な鉄砲作戦になったらあまり有意義じゃないので、英検とS-CBTを組み合わせて、最大計5回の受検が現実的だと思う。
②R・L・Wが合格点を超えたものの、Sがそれを下回ったら?
この場合は、合格ではないが『一次試験免除』の資格をゲットできるとのこと。(有効期間は同じく1年)
ただ気を付けねばならないのが、『S(スピーキング)』のみの受験は、S-CBTもCBTも不可という点だ。
これらの形式では、必ず全技能を同日中に実施せねばならない決まりなので、その辺のワガママは無理とのこと。
二次試験のみに集中したいのなら、一次免除を申請したうえで、従来の英検を申し込むのを強くオススメする。
③ダブル受検はできる?できない?
S-CBTとCBTの場合、ダブル受検は不可とのこと。あくまで同一級を1回だけ、という話であった。
④新しい試験の登場で、従来の英検で取った級は価値が無くなるのか?
そんなことをされたら僕は怒り狂う。(そして絶対僕だけじゃない)
英検は、従来のも、S-CBTもCBTも関係なく、現状半永久的に有効とのこと。
ただし、留学等の申請には、『2年以内』という制限があったり、同じ級でも求められるスコアが違ったりするので、注意されたし。
終わりに。
ということで、何だかんだ結構文字数が膨らんでしまった。この記事は定期的に更新する必要がありそうである。
ここに書いたことをもし頭に入れたいとお思いならば、手前味噌だが以下の方法でインプットしてみてほしい。
・『人に説明する』という前提で読み進める
・見出しごとに目を閉じ、内容を思い出す
これだけでも、だいぶ違ってくる。参考にされたし。(僕も明日、集団授業の導入で話す予定)
勿論、色々とわかったら加筆していくので、定期的に見ていただければと思う。
それでは、長文にも関わらずお読みいただきありがとうございました。今日はこの辺で。