精神年齢9歳講師のブログ

校舎での出来事、読んだ本、つまりインプットを全てアウトプットに変える実験場、的な。

授業が『わかりやすすぎる』と成績が下がるんだってよ。じゃあどうしたらええねん。

わかっていた話だが、やはり『わかりやすい授業』ってのは、手放しに称賛しきれないリスクを内包する

 

karapaia.com

※ただしコチラは『笑える』という意味の面白さ↑

 

www.jyda.jp

 

授業が素晴らしいのはそれはそれで価値となるが、あまりに説明が理解しやすいと、『定着』していないのに『わかった!』と生徒が錯覚するのだという。

 

要するに、『復習をサボる』んですな。だからこそ、授業力をウリとする衛星予備校も、授業終了後に『確認テスト』を必修としているところも多い。

 

―とはいえ、雑な授業を行おうものなら信頼とか集中力を削いでしまうので、どこかに『アメ』と『ムチ』の落としどころを探らねばならない。

 

今日はそんな、教える側にとってはトレードオフとなる、これらの相反するテーマについて考えてみたぞというお話である。

 

 

では、この偽りの『わかった!』をどう打ち破れば良いのか。実はこれについて、僕は僕なりに結論を出している。

 

個人的な感想だが、『わかる!』という感覚の後に、『ヤベッ』というショックを与え、『あ、なるほど』という納得を与えるのが、この現象を打破する要だ。

 

言葉にするとチンプンカンプンだが、実はコレ、オーソドックスな授業を行う講師の方にとっては、極めて自然な授業の流れである。

 

では、英語の授業を例にとって説明してみよう。

 

①まずは基本を理解させる。

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昨日、英語の『命令文』の授業をした。(一応世間は春休みなので、新学年に向けての復習として実施)

 

ぶっちゃけ、『命令文』の説明は難度が低く、生徒もサクサクっとついてくる。

 

例)You study hard. と板書

 

→「主語を消して、動詞の原形から文を始めば命令文だよ!」と言いながら『You』を消す、という具合

 

まずこれで、『わかった!』という感覚は植え付けられた。(同時にDon't~、とか、Let's、Pleaseなども伝えてしまう)

 

とりあえず、このステップは意識して目指したい。(でなければ満足度に関わる)

 

②例題で一旦どん底に落とす。

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しかしその後、例題を板書していく中で、軽く凹んでもらうのがオススメ。先の例だと、発問しながら問題の難度を徐々に上げていくのだ。

 

僕の例だと、以下の文を『英訳して』といって、次々と黒板に書いては当てていった。

 

走れ! → 走るな! → 公園を走るな! → 昼三時に公園を走るな!

 

みたいな。そしてトドメとして、

 

親切になさい。

 

という例文を出した。意外とこれ、解ける生徒は少ない。大半の生徒の顔が曇るのが面白い。

 

・・後はこの例文が解けるよう、ヒントを順々に伝えていくだけだ。

 

例)あなたは親切だ、は英語で? → You are kind.

 

 主語を消せば? → are kind.

 

 areの原形は? → ・・・。

 

 areって通称何動詞? → be

 

  それが原形の名前。じゃあ答えは? → Be kind.

 

でいっちょ上がり。このやり取りが生む『緊張感』は、結構大切。そして、最後のステップに移っていこう。

 

③あとは演習でいっちょ上がり。

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ここはコチラの予習にかかっているのだが、僕は演習時に使うワークの問題が8割は解けるよう、板書計画を先回りして考えている

 

そうすれば某通信教育講座のパンフではないが、『見たことあるヤツ!』という感覚が大体生まれ、そして正答率もアップする。

 

最終的には本物の『わかった!』という感覚と『解ける!』という満足度を持って帰っていただける確率がアップするので、この型はオススメである。

 

終わりに。

 

ということで、教える側の人にとっては気の毒?な話をまとめてみた。

 

わかりやすい説明はもちろん魅力的だが、『危機感』と『復習の必要性』を抱かせないと、長期的な満足度はものすごく下がるリスクがある。

 

ここに書いたことが参考になればありがたし。では今日はこの辺で。

 

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