精神年齢9歳講師のブログ

校舎での出来事、読んだ本、つまりインプットを全てアウトプットに変える実験場、的な。

僕は、校舎に合格実績やランキング表を貼るのが、大嫌いだ。

僕は別に校舎長ではないのだが、メインで入る校舎について、その環境にはかなり目を光らせている。(もっとも、今は休業状態だが)

 

そして、塾としては少し異例かもしれないが、僕は校舎から極力、【合格実績】や【ランキング表】の類を、今年からなるべく消すようにしている。

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その理由は、これらの掲示物にはもちろん色んなメリットはあるだろうが、正直言って惰性であったり、デメリットの方が強かったり、そんな疑念が払拭できないからだ。

 

後は個人的に嫌いなのもある。

 

今日はそんな施策をする理由について、ちょっとひねくれた目線から書いてみようと思う。

 

 

 【ランキング】のダークサイド。

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ランキングの上位に載るような生徒からすれば、自分の名前が輝くそれをみるのは気分が良いものだろう。

 

或いは、ライバルの現在地と比較し、お互いに切磋琢磨しあうきっかけとなる・・なんて言うこともできそうだ。

 

だがそれは、ハッキリ言って能天気が過ぎる考え方である。

 

例えばランキングの母数が100人いたとすれば、一体どれくらいの層が、考え方次第では【敗者】となることか。考えると怖い。

 

つまり、自分の惨めなスコアを晒されていると感じる生徒の数は、確実にそこからポジティブな恩恵を受ける生徒よりも多い

 

下手すれば生徒同士でのけなしあいや、足の引っ張り合い、自己重要感の喪失など、デメリットが蔓延してしまうのもあり得る

 

『そこはてめーの管理次第だろ』と言われるかもしれないが、僕は生徒たちとせいぜい週に二回、多くて数時間しか会わないのだ。限界がある。

 

僕は過去の自分を超え続けるという比較には意味があると思うが、やたらめったらな他者比較は、自分には価値が無いという価値観を生み得る諸刃の剣だと考えている。

 

だからこそ、点数を取る取らない、偏差値の高い低いという一元的な評価であるランキングを常に貼り続けることは、僕はあまりしたくないのである。

 

【合格実績】の悲しすぎる側面。

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大手の塾になると、合格実績をデカデカと校舎のあちこちや窓に貼る・・なんて宣伝方法をよく採っている。そのインパクトは相当デカいので、効果もまた然りだろう。

 

もちろん、それは塾の関係者ではないご家庭、つまり新規の顧客を集めるのに効果はあるだろう。だが、『内生』にとってはどうだろうか。

 

仮に僕がとある塾の生徒で、かつ受験に失敗したとしよう。行きたかった高校とは別の高校に行き、そこの制服を着て、その校舎の前を通る。

 

すると目につくのは、【○○高校 ○人合格!!】という実績。そして突き付けられる、自分はその○人に入っていないという現実。

 

校舎の中に入れば、『○○高校・普通科合格 ×× ××』みたいな、個人名付きの合格実績が貼り巡らされている

 

もし校舎の規模が小さければ、消去法で誰が落ちたかというのは結構辿り着けてしまう。そして、自分はダメだったという現実を、否応なしに激しく突き付けられる

 

そんなのを気にしないという心が強い生徒だったらまだ受け流せるだろうが、日本人の97%は遺伝子的にネガティブなんて話もあるくらいなので、それは望めない。

 

―つまり僕は、【合格実績】をひねくれて解釈すれば、心が弱った生徒には以下のメッセージが誤って伝わってしまうのでは、と危惧しているのだ。

 

① 受かった人は大切にします!

 

② 結果だけ見ます!頑張りは見ません!

 

―こうなれば、二度とその生徒はこの塾の門を叩かないだろう。それはどうにも悲しい話ではないか。

 

そういうのもあり、僕は大っぴらに【合格実績】を校舎には貼らないようにしている。(ただ校舎長も同じスタンスなので、徹底は割と楽である)

 

※以下少々余談。

 

特に上位レベルの高校・大学の【合格実績】をバリバリ貼ることの狙いとして、『元々賢い生徒が集まってくる』という効果がある。

 

ぶっちゃけ断言するが、生徒を鍛え上げるより、賢い生徒を集める方が圧倒的に【実績作り】として楽である。(賢い奴はほっといても勉強して賢くなるため)

 

そうしてブランドが作られれば、また一層賢い奴が集まり、実績ができ・・というカラクリがある(らしい)。つまり、その塾に入ったから成績が伸びたかどうかは、実はあまり関係性が無い可能性も存在するのだ。

 

この塾はすごいのだ!という噂こそ聞くが、指導内容や在籍講師についてをあまり聞かない場合、少しリサーチした方が良いかもしれない。

 

・・・ちなみに僕のいる塾は、どちらかと言えば偏差値40くらいから50ちょいを目指す層がターゲットなので、なおの事合格実績は貼りたくない。

 

では、健全にランキング表を使うにはどうすれば良いか?

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さて。別にこのまま愚痴で終わっても良かったのだが、せっかくなので【健全な】ランキング表について考えてみたいと思う。(【合格実績】はマジで浮かばない)

 

まずとりあえず、全員の名前を載せるような乱暴すぎる表は言語道断だ。下位層で晒される生徒の気持ちを考えてほしい。

 

※『努力を怠ったせいなんだから、晒して当然だろ!』と思う人は、↓を読んでください。

jukukoshinohibi.hatenadiary.com

 

極論、そもそも名前など要らないはずだ。載せるなら上位数名の得点、それだけで良い気がする。

 

『良い点とったんだから褒めてよ!』というのは、一対一のやり取りで満たせばいいと思う。

 

また、線引きを上位だけに揃えるのは愚策だ。例えば、県内トップレベルの高校の偏差値だけを載せていれば、大多数が敗北感を覚えて終わる。

 

あくまで主軸は『現在地の把握』に置くべきだ。だからこそ、『複数の学校のボーダー』や、『去年の平均点』など、色んなラインを設けておく方が健全である。

 

個々人が好きなラインを選べるような配慮。これくらいは、ランキング作成において、マストな心配りだと言える。

 

終わりに。

 

―実は僕自身、ありとあらゆる競争にさらされたことが一因で、負けることを極端に恐れるような性格に捻じ曲げられてしまった。

 

そして今、対人関係において非常な苦労を強いられている。自分より上の能力を持つ人に出会うと、無意識に身構えてしまうのだ。

 

新しく出会った人を、まずは格付けするような思考。意識する度にその認知を直す努力をしているが、効果は遅々としておりなかなか大変だ。

 

そんな経験があるからこそ、やはり『競争って素晴らしい!優劣は付けろ!』というスタンスが性に合わないのだ。

 

それはスパルタではない。ただ乱暴なだけ。

 

どうかこういう負の側面にも、目を向けていただければと思う。

 

では今日はこの辺で。

 

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