精神年齢9歳講師のブログ

校舎での出来事、読んだ本、つまりインプットを全てアウトプットに変える実験場、的な。

実は生徒に伝えたいアイデアが満載。『サブスクリプション』を読んでみた。

ここ数回の記事でちらちら書いていたが、サブスクリプションという本にハマっていた。

 

 

ちなみにサブスクリプションとは定期購読の意味で、例えば雑だが月額制でニュースサイトの会員記事に登録するのも、一種のそれである。

 

尚、この本そのものは、この世における新たな成長戦略の話だ。だが、それ自身も猛烈に面白く、ワクワクした。(夏までには僕なりのアイデアを会社に出す予定)

 

すなわち、言い換えれば、一見『生徒』たちには縁がなさそうな話が書いてありそうな本である。

 

だが僕はそう思わなかった。むしろ、これから社会に出ていく生徒たちにこそ、今の内から知っておいてほしい考え方やヒントが詰まっていたからだ。

 

今日はサブスクリプション』そのものの説明は思い切ってぶん投げて、生徒に伝えたいヒントのみに絞り、ここにまとめていく。

 

 

下落する『所有』の価値。

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少し余談だが、僕はいわゆる『さとり世代』である。あらゆる欲が薄く、購買意欲も乏しいため、主に上の世代から冷笑されるニュアンスがある。

 

だが、言い換えればこの考え方が現在の主流なのだ。『所有』の価値は、近年どんどんと減り続けている

 

では今は何を皆が求めているかというと、それは『利用』であり『経験』である。例えば、欲しいのはベンツそのものじゃなく、それに乗ったという経験なのだ。

 

本にも書いてあるが、近年はインターネットが発達したのもあり、その流れが一層顕著になっている。(サービス業がGDPに占める割合をみるとよくわかる)

 

―勘違いされたくないのだが、実はこの流れはピンチでもありチャンスでもある、いわばニュートラルな状況と言える。

 

例えば今は月額でPhotoshopだって『利用』できるし、クラウドワークスか何かで、一その道のセミプロに動画編集だって割と安価で『依頼』できる。

 

つまり、あらゆることの初期投資も大きく減っているのが特徴なのだ。僕はこの流れについて、むしろ歓迎するべきだと感じている。

 

失敗を恐れるな!という根性論は月並みだが、僕は生徒によく、『今の世は失敗しても、マジで傷は浅いからな』という変なポジティブを説いている

 

夏休みの自由研究ではないが、ぜひこういうサービスを『利用』する感覚を、今の内から得させてみてはいかがだろうか。

 

(昔は高かったソフトも、1000円弱で1ヶ月のみ使えたりする)

 

『完成』よりも『改善』を目指せ!

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本を読んでいて繰り返し出てくるフレーズに、以下のようなものがある。

 

『まずは製品を市場に投入し、フィードバックを得て、それを何度もアップデートしていく』

 

『永遠のベータ版であれ』

 

僕はこれを読んで衝撃を覚えた。僕自身、『完成』した製品を市場に投下することこそが至高だと、思い込んでいたためだ。

 

今の世は考え方が逆なのだ。とりあえず試作品の段階だろうが、市場(もとい皆が見れる場所)に送り込み、種々雑多の意見を得る。

 

そしてそれを素早く反映させ、次のバージョンを投下する。以下、繰り返し。

 

いちいち『所有』できる形にしておいては、このサイクルが取れず出遅れる。車を一台作り上げれば、次のバージョンは早くて数年後の登場だ。遅い。

 

前の記事で書いた話とダブるのだが、やはり生徒には、『完成した100点レベルの何か1つ』よりも、『7~80点をたくさん取る』ような学習がカギだと僕は考えている。

jukukoshinohibi.hatenadiary.com

 

失敗を恐れないというより、全てをプロセスと捉える感覚だ。言葉にするのは難しいが、繰り返し説きたいテーマである。

 

『人を幸せにする』という言葉の真の意味。

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『人を幸せにする』というと、どうして不思議とスピリチュアルな響きがあるのだろうか。(或いは小学校の道徳授業の思い出が浮かぶ)

 

例えば、『人の嫌がることを進んでやる』とか、『人を積極的に手伝う』とか、そういう言葉が浮かぶ。

 

―なんか怒られそうなことを言うが、僕は上記の言葉について、『これらをされたらとりあえず感謝なさい』という押し売りなニュアンスを覚える

 

僕は例えば、自分の机を誰かに綺麗にしてもらったところで、あまり嬉しくはない。(何なら配置が変わるので少しイヤ)

 

だがそれにイラっとすると、『親切にされたのに何事だ!』と怒るクレーマーもいる。世知辛い。

 

さて。何が言いたいのかというと、実は普通に生きて教育を受ける限り、上記の言動以外に、『人の幸せ』については意外と具体的に考えないということだ。

 

だから、『人を幸せにする』というと、一種の奉仕活動に全振りなアクションが多くなるのだ。(それ自身は尊くて素晴らしいから、やたらに非難するつもりはないが)

 

さて。この本には、『顧客の成功』こそが『企業の成功』だと繰り返し説かれている。提供するサービスで、どう顧客に幸せになってもらうかを考える、という旨だ。

 

そしてズバリと書かれてあったのだが、それはつまり、『結果にコミットする』ことと、『経験を売る』ことなのだという。

 

片方はライザップっぽいが、実はこれは真理にして、僕もそうだがなかなか気付けない観点である。

 

ジムに通う人は、スミスマシンを触りたいから行くのではない。筋肉をつけるとか痩せるとか、真の目的が隠れている。コミットすべきはそちらなのだ。

 

また、『所有』の価値は下がっているが、『利用』の価値は逆に上がっているので、どうすればよりよい体験をしてもらえるかを考えるのも、重要な戦略だ。

 

BBQがしたい人にグッズを売るのはナンセンスだ。そういう人には、機材のレンタルや、オプションで設営と撤収を行うというサービスを売る方がありがたいのでは?

 

"『他者の幸福』について、独りよがりな観点から見ないようにする。ではどうやって?"

 

自分に何度もブーメランとなる覚悟は決めた上で、コロナが明けたら生徒に説きたいテーマである。

 

終わりに。

 

ということで、久しぶりに読書感想文を書いてみた。今回は『殴り書きノート』を作っていたため、今までで一番書きやすかった気がする。

jukukoshinohibi.hatenadiary.com

 

今後はちょいちょい、こういう読書感想文を増やそうかなと思う。ただし内容は、『対生徒』に関係しそうなところに限定したうえで。

 

―今更だが、専門知識が無くても大事な箇所は読める『サブスクリプション』、ビジネスに関係あろうがなかろうがおススメです。

 

 

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