集団授業を担当し始めた頃、教員でもないのに、『生徒制御』について軽く鬱になるのでは?というくらい悩みに悩んだ。
『教室はなぜ荒れる?学級崩壊を防ぐ術は?そもそも、予兆はどこにある?』
等々。とにかくあらかじめ知っておけることは知っておこうと、5~6冊くらいの本を読み漁った。
学級崩壊の原因、立て直した教員の実践録、そして発達障害の生徒との向き合い方・・・・。こういった情報は、確かに意外で面白かった。
―だが現在、その全てを仮に100%理解し実践しても、手に負えないことって出てくるよなと、すごく当たり前な結論に僕は至っている。
と同時に、今後こういう知識を調べる必要が出てくる方に向けて、どこまでそれらを真に受けるべきか、どの深さまで調べれば十分かを書いてみようと思う。
では以下、その続き。
2~3冊は同時に買った方が良いかも。
当然と言えば当然のことなのだが、一口に『教室を円滑に運営する方法』と言っても、そのターゲットは本当に多く、広い。
優等生だらけ?逆に、勉強嫌いな生徒ばっかり?それとも、ADHDの生徒がいる?小学校?中学校?高校?
みたいな。そして得てして、自分が悩んでいることは複数のテーマにまたがっているものだ。例えば、ADHDの生徒に寄り添う接し方に悩む、中学校の先生という風に。
ということで、初期投資としては少しデカくなるが、なるだけ2~3冊、少しでも自分の悩みにカスるテーマの本はまとめて買った方が良い。
でないと、例えば優等生向けの解決策を全然関係ないグループに使ってしまう、なんてワラエナイ話にも繋がる。
ここはケチらずドンと行こう。
体験談は、話半分にトレースしよう。
そういう指南本を読んでいると、具体例のつもりだろうが、筆者の体験談が載っていることがある。
まずこういう体験談は、話半分に聞いとくのが正解である。なぜなら、その体験談は、その人だからそうなっただけというのが正確なところだからだ。
例えば、生徒全員と会話を交わし、ハイタッチを・・・というのを、巨漢がするのと華奢な人がするのとでは、色々と状況が違うのはすぐわかる。
体形でもこんなに変わるのだから、キャラまで考慮に入れれば、同じ状況でその体験談を再現できる可能性は極めて低い。
だからこそ、時折すごく輝くような成果を得たそれが載っているが、そちらへの注目はそこそこにして、『抽象的な教え』の方に意識を向けるようにしよう。
絶対に覚えるべきは、外せない基本のみ。
最初に複数の本を買うことの理由にも通じるのだが、実は絶対に外せないとされる基本は、どの本を開いても大差ない。(つまりそれくらい大事)
仔細をガン無視すれば、それは大体以下の通り。
①学期が始まって3日間が勝負。(生徒がコチラの怒るラインや力量を測ってくる)
②生徒によってOK・NGのラインを変えない。
③まずは良い授業を創ることから。模擬を重ねるべし。
④指示は一度に一つ。いたずらに生徒を混乱させない。
―実はこれらは、基本だが守るのは非常に難しく、こちらにエネルギーを使わせる。
つまり、本来は基本を守るので精いっぱいだし、それである程度マシになるはずなのだ。
『ダイナミックな解決策があるはずだ!』というトリッキーな方法に執着しても、状況は変わらない。まず見直すべきは、みんなが言っていることから、である。
―ということで、赴任早々の超難問と、それについて採られるであろう打開策について述べた。
ここは精神的に非常にしんどい時期なのに、『俺も辛かったんだからお前も耐え忍べ』という論理がまかり通りやすい部分でもある。
それを根詰めすぎれば精神が壊れて終わりだ。そんな悲しい結果だけは避けてほしい。
では、今日はこの辺で。