大手予備校講師の紹介や、参考書の帯を見ていると、歯が浮くような宣伝文句が多い。
『受験生の圧倒的な支持!』『合格者を多数輩出!』『わかりやすさそのもの!』『縦横無尽な知識量!』『独自のメソッドで偏差値を大改造!』
・・・・うーむ、どれだけ素晴らしい授業を展開しているのだろう?確かに気になるし、気になり過ぎて実際手に取ったり、受講してみたりもした。
―そういう経験を何度も重ねた今、強く思うことがある。
それは、『最強の講師とは結局、超でかいことをぶち上げて、かつその責任を背負える者』ということだ。
以下、どういうことか、つらつらと解説。
内容か、話術か?
何度か伝えていることだが、僕はインターネットがここまで普及した今、教育もほぼオープンソース化していると感じている。
有名なシェフがレシピ集を書くように、名のある講師はもれなく参考書を書くのだ。正直それを読めば、『指導法』や『教え』そのものは吸収できる。
では、なぜこんな風にネタに溢れた昨今でも、『人を惹きつける講師・そうじゃない講師』が居るのだろうか?
つまり、何が差別化の要因になっているのだろうか?少し思いめぐらせてみた。
―そして得られたのが、『結局、どう語るかだな』という悟りである。
したがって僕は、純粋な講師の力量とは、人を惹きつける話し方を持っているかどうかにあると感じている。
例え話などに工夫を凝らすわかりやすい授業など、もはや前提なのだ。今はそこから先の戦いになっている。
では、"そこから先"とは具体的にどうなのか?以下、密に述べていく。
『パワーワード』をブチあげろ!
有名なスピーカー(予備校講師、政治家、お笑い芸人etc)に共通する要素として、話の巧さ以外に何が浮かぶだろうか?
色々あるだろうが、僕は『パワーワードの存在』だと感じる。言い換えれば、その人が持つ有名な一言である。持ちネタという感覚に近い。
では、講師のパワーワードとは何かというと、自身が提供する授業に対し、これ以上ないくらいプレッシャーをかけるようなものだ。
例えば、『この授業は滅茶苦茶わかりやすいです』とか、『ここにある方法をちゃんとクリアしていけば、志望校のランクは1つ、2つは当たり前に上がる!』とかだ。
言おうとしてみればわかるが、これらの言葉は無茶苦茶怖い。言っていることは超魅力的だが、達成されなければこちらは嘘つきになるのだ。
僕は生徒に、『俺の指導で偏差値を10上げてやるぜ!』とか、言った瞬間から胃痛に悩まされそうである。
―だが、力量のある講師は、こういう誇大なことをぶち上げ、実際に達成させてしまうのでマジですごい。
・・・というより、自分が提供するものをトレースすれば成績が上がると分かっているからこそ、そうさせるためにでかいことを言っているのかもしれない。
今の僕に足りないのは、中身を磨き上げるだけでなく、それに自信を持ち、そのカリキュラムを実践してもらうためにデカいことを言う肝っ玉なのかもしれない。
小手先ではない。話し方の勉強は必修科目である。
『話し方』について、『小手先』と揶揄する声は多い。大事なのは熱量であり、それさえあれば上手くいく、という感じ。
しかし僕は、講師業において、『話し方』をきちんと習得しておかないのは顧客に対して超失礼と考えている。
理由は簡単で、例えば僕にだって得意な英語において、熱量をあまり抱けない分野が存在しているためだ。だがそこも、クオリティを保証して説明せねばならない。
つまり、話し方を習得しておくことは、安定したクオリティの担保を意味するのだ。実際、有名講師はもれなく、人を惹きつける話し方にも秀でている。
世の中には色んな話し方の本が出ているし、どれも勉強になるのだが・・・。今回の推薦図書は一冊に留めておく。ぜひ読んでみてほしい。
まとめ。
ってことで、改めて『優れた講師が持つスキル』についてまとめてみる。
① 自分の知識への強い自信
② 生徒を引っ張るパワーワード
③ 高い習熟度の話術
という感じだろう。改めて分析をすると、講師として身が引き締まる思いだ。(大げさ)
皆様も自分の話し方や伝えているテクニック等、今一度省みてはいかがだろうか。
では今日はこの辺で。