『勉強しなさい!』→『やろうと思ってたのに!』
―という実りの無いやり取りは、どうにも理性で制御できる部分は少ないらしく、あちこちで発生したという報告を受ける。
多分僕も自分の子どもが出来たら言ってしまうのだろうが・・・。ドライな今言えるのは、『やる気』に対して無知だと、徒労だしストレスが溜まるなぁという感想だ。
皆様が思っている以上に『やる気』のメカニズムは身も蓋もないし、パッと閃いたり、ドラマで見たりするようなやり方は、実は逆効果なことが多い。
今日は皆様の無用なストレスと無駄な労力を減らす一助になればということで、『やる気のメカニズム』についてお伝えする。
情熱でやる気を出させようとするのは、素人らしい。
まずはある種の思い込みから突っ込んでみる。例えばドラマなりなんなりで、不良や無気力な生徒を更生させるため、登場人物が採る手段を思い出してほしい。
全力で泣きながら思いをぶつける。殴る。殴られる。殴りあう。敵対グループに土下座。そんなところではなかろうか。
―はっきり言うが、これを現実世界に応用しても滑稽なだけである。こういう対応をされると、当事者は感動ではなく困惑を覚えるのが関の山だろう。
つまり、『やる気』を焚火のようなものだと思い込み、情熱というガソリンをだくだくと注げば絶対に燃え盛ると思い込むのは、無知も良いとこなのである。
やる気を出させることそのものが非常に難しいのに、そんな方法にこだわれば、さらに難度は上がる。プロ棋士に飛車落ちで挑むようなものだ。
だからこそ、この理念で成功した人はドキュメンタリーの題材になるのだと、いわば切り離して考えた方が良い。
少なくとも僕には、彼らみたいな突出した熱意も才能もない。だから、もっと『やる気』について地に足をつけた勉強を重ねている。
ということで以下、僕が得てきた知識を列挙しておこうと思う。
『やる気』を"激減"させるファクターまとめ。
―まず、やる気どころか反発を生む要素について説明しておく。それは簡単に言うと、
『制限』と『強制』
である。要は、生徒の自由意思を奪うようなやり方は、十中八九反抗を生んで終わりという話なのだ。
そう考えれば、『ゲームばかりしてないで勉強しなさい!』というセリフは最悪だとわかる。
自分の時間の使い方からゲームという選択肢を奪うという『制限』と、したくもない勉強への『強制』が両方入っているからだ。
このやり方でやる気が生まれたら非常に楽だが、そうはならない。せいぜい大声を出せて、少し溜飲が下げられるくらいしか、恩恵は無いように感じる。
では、まだマシなやる気の生み方とは?
残念だが、今のところ『100%やる気を生めるぞ!』という方法は存在しない。
以下の方法も、僕がやってみて、効果があるかなーとは思ったが・・。その効力は『まだマシ』くらいで考えておき、効果が出ればラッキーと捉えてほしい。
では行こう。
①自由意思の尊重
簡単に言えば、やる・やらないを一切強制せず、参考書や問題集、まんが日本の歴史などを準備だけしておくというもの。
やりたくなったら好きにやっていいよー、というメッセージを出し、手を出したら褒める!・・とか余計なことはしなくてもOKである。
例えば僕も校舎に、クイズ・なぞなぞの本や推薦図書を並べているが、強制せずとも手に取る生徒は割と増えた。
②一緒にやる
パートナーの存在は、やる気の燃焼に一役買う。それが講師や教師、親であっても、だ。
だから僕は、敢えて生徒が来ても、自分のデスクでテキストを広げて『予習』しているアピールをするし、休憩中に本を立ち読みしたりもする。
また、生徒が頭を抱えている、自分の専門外の問題も、たまには取り組んでみることもある。(そして割と解けないという悲しさを覚える)
サボりと取られないラインは死守しつつ、共に学ぶスタンスを伝えるのは、やはり大切だと感じている。
参考サイト
今回は、以下の記事を参考にした。非常に興味深いので、是非一読してみてほしい。
―ということで、無駄なストレスが減る一助になっていればありがたし。では今日はこの辺で。