精神年齢9歳講師のブログ

日々を自由研究の如く生きたい。

『他者の授業の見学・研究』は、ある程度経験を積んじゃったら『専門外の分野』のがええで。

より良いコンテンツを創るには、聞こえは悪いが『他者の良いところを徹底してパクる』のはある意味マストである。

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それは僕らが提供する商品、『授業』においても同じだ。

 

だから僕がこの仕事を始めた際、受けた研修は『先達の授業見学とネタ伝授を受け、一週間で完コピすること』であった。(有意義な時間だったと思う)

 

そんな経験があるので、最近も空白時間に、参考書を読んだり、某予備校の映像授業の一部を読んだり、有名講師のブログを読んだりしている程である。

 

―しかし、最近は少し考え方が変わっている。

 

ある程度キャリアを積んでから他者の授業を参考にする際は、『専門外の分野』の方が適していると思うようになったのだ。

 

今日はそんなお話をしてみる。

 

 

経験を積んだ状態で起こりがちなデメリット。

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まずは、ある程度経験を積んだ状態で、自分が担当する科目を見学すると起こり得るデメリットをまとめてみる。

 

①プライドが邪魔をする

 

これが一番のあるある。勉強のつもりがあら探しになっちゃうのは、意識してないと結構普通に起こる心理現象である。

 

僕自身、自分が担当する科目(特に英語)を見ていると、大枠より仔細に意識が向きやすいのは常々感じており、何というかそれを正すのに非常に疲れてしまう。

 

②オチが分かったような気になってしまう

 

これも理屈は同じ。『はいはい、説明はこのあと、こう展開していくんでしょ・・』みたいな感覚も、経験があると抱きやすい。

 

オチも大切だが、そこに至るまでにどういう説明を組み立てるかも重要なのだ。しかし、そこに集中するのが難しくなるというのも難点だろう。

 

③感動を覚えにくい

 

『すげぇ!わかった!』という感覚を生める講師は強いが、これを意図してクリエイトするには、少なくない天賦の才が必要とさえ思わされる。

 

だからそこを一番強く学びたいのだが、半端に素養があると『知ってるわー』という感覚が邪魔をして、『わかった感』を打ち消しがちなのだ。

 

つまり、新鮮な気持ちで聴けないのだ。レアなセミナーで感動を覚えやすいのは、そもそも自分がそのテーマに無知だからというのが大きい

 

これまた経験が邪魔をする例の一つである。

 

専門外の分野を観るメリット。

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では、上記のデメリットをどう打破するか?

 

実は、自分の専門外(苦手科目と考えても良い)の授業を観ることで、上記のデメリットは結構綺麗に裏返るのだ。

 

①プライドが邪魔をしない

 

 

まずそもそも自分の売り物ではない単元は、誰とも『比較』も『競争』もする必要が無いので、非常に純粋な気持ちで視聴できる。

 

僕もこないだ何の気なしに『物理』の授業を見たが、気のせいではなく理解ができたのでびっくりしている。

 

そのために散りばめておくタネも、いくつか見受けられた。早速次の授業で試す予定である。

 

②オチが分からないため、終わりに期待できる

 

完全にチンプンカンプンなので、最終的にどこまで行けるかが見えない。つまり、不思議とワクワクするのだ。

 

説明される→わかる→解ける→ちょいむずくなる→ヒント→解ける、嬉しい→結構むずくなる→でも、解けそう→できた、おめでとう→実は大学入試の過去問でした

 

―という見事な授業に、素直に感動を覚えた。これもまた、次回の授業で徹底してパクらせていただく所存である。

 

③感動ポイントがわかる

 

『無知な自分』が感動するポイントは、恐らく結構な生徒にも当てはまる。確証はないが、7~80%は当たるハズだ。

 

例えば僕は、『2通り以上の解釈を示されて』、かつ『片方が大変イメージしやすい』説明が好きだとわかった。

 

敢えてわからないように言った後で、具体例マジックで腑に落とす。

 

果たして文系でどこまで通じるかはわからないが、いやはや、美味しいヒントをたくさん拾うことができました。

 

終わりに。

 

もちろん、五科目全てを教えられるようになる必要はサラサラない。むしろ、それは自分が感動する余地を削るという意味で、悪影響のが強いとさえ考えている。

 

授業の研究は非常に面白いが、自分の得意分野を観ると、『新鮮味』という大事なものがごっそり抜ける。

 

何かマンネリ化しているものがあるのなら、苦手な科目を敢えてご覧になってはどうだろうか。

 

では今日はこの辺で。

 

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