精神年齢9歳講師のブログ

日々を自由研究の如く生きたい。

ピクサー流の『アイデアの磨き方』がすっごく面白い件について。

あまりにも分厚いため再読を尻込みしていたが、踏ん切りをつけてピクサー流 創造するちから』をチマチマと再読している。

ヒット作を連発するピクサーが、創造性を最大限発揮するために取り組んでいること、そしてそれを実現するための具体的施策などがまとまった大著。歯応えがすごい。

 

この中には、創造性に伴う不安への対処や、マネジメント論にまで突っ込んだ記載があるが、そこはちょっとバッサリとカットしている。

 

授業というある種創造性を求められるものをウリにしている僕なので、そこは関係が薄いためだ。

 

むしろ、『如何にしてクリエティビティを高めるか』、言い換えれば『どうすれば0から1を生めるのか』という項目を選び取って読み進めている。

 

今日はその中で、『ほほうぅ!!』と強めに感動した記述を、ちょいと解説(というより私見)を添えて書いてみようと思いマッスル!

 

 

 アイデアの始まりは、醜く脆い。

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本文を読んでて『確かに!』と思ったのは、『化石が埋まっているのを丁寧に掘り出すように、既に完成したアイデアを探すという考え方は、実は違う』という記述だ。

例えば、『メルカリ』というサービスのアイデアは、誰も見つけてない状態であっただけで、たまたま山田進太郎氏がそれを発掘した・・というのではないという話。

 

つまり、『完成したアイデア』を探すのではなく、とりあえず『生む』ことが大事ということだ。(この辺、同じことを言う人たちの本は何度も読んだ!真理と言うことなのだろう)

 

だが、得てして『生まれたてのアイデア』そのものは無価値で、魅力的には映らない。それを、『醜く、脆い』と形容しているのだ。

 

―では、"醜く脆い"アイデアは、生んだ後にどうすれば良いか?それは、別の項で詳しく説明されていた。

 

『独創』には時間が掛かる。

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ピクサーの映画は、実はMr.インクレディブルトイストーリー以外見ていない僕だが、その面白さの噂は何度も何度も聞いている。

 

そんな素晴らしい映画を作る際のプロセスも、この本では紹介されていた。それはいわば、企業理念のようなものに近かったのだが、紹介する。

 

①『独創』には時間が掛かることを全員が承知する。

 

②生み出したアイデアに、早い段階でなるべく多くの人から意見を頂戴する。

 

―言い換えれば、『時間』と『集合知』を使って、醜く脆いアイデアを、磨いて固めていく感じである。(これをブレイントラスト会議というらしい)

 

つまり、イデアはさっさと生んで、『より良くするぞ!』という思いを持った同志の目の下にさらし、それを監督が組み合わせて一つの作品に仕上げていくというモノ。

 

(ちなみに、どうやらコメントを受ける義務はあるが、それをそのまま生かすかどうかは自由らしい。自分の表現したいものと完全なる別物になったら、確かに困りものだ)

 

―ただし、ここまで書いたところで、さらに念押しされていることがあった。

 

それは確かに、捉え方を間違えれば、そしてそれをチームで統一していなければ、アイデアの全てを潰しかねない盲点である。

 

ただ、それは別の項にまで広がるくらい広い話だったので、僕も項を変えさせていただく。

 

それは、『失敗の捉え方』についてである。

 

失敗を許容しないところに、創造性はない。

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これまた企業の文化や風土だと思うのだが、ピクサー『失敗』を推奨している。そして、それが起きた際の『責任者探し』を、やってはならないことに挙げてさえいる

 

保守的な組織のそれらと、真逆のことを言っているのは、読んでてなんか痛快だ。その理由は、乱暴に言えば以下の通り。

 

①アイデアは生んでからの手直しが前提なので、そもそも変化も失敗も前提であるため。

 

②失敗すれば責任を問われるのであれば、全員が守りに入る。そうなれば自由で闊達な意見もアイデアも、出てくるわけはないから。

 

―何というか、目から鱗である。日本は失敗したら未来が断たれるみたいな風土だが、ピクサーは失敗しようとしないヤツを認めないスタンスらしい。

 

堀江貴文氏の『見切り発車は成功のもと』というフレーズに通じる哲学である。

 

本物(リアル)を知る。

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最後はちょっとしたおまけめいた記事。

 

ピクサーの映画は、背景やストーリーがとてつもなく作りこまれ、かつ臨場感があるのが定評なのだという。

 

実はその秘密も書いてあり、かつ言葉にするだけならシンプルだ。

 

それは、『本物(リアル)を知る』こと。要するに、事前調査を徹底している、という感じである。

 

例えば、あるレストランを題材にした映画を創る前は、実際に厨房の様子を舞台となる国まで見に行ったらしいし、加えて下水道の設備も見学したのだという。

 

また、ある動物の動きをアニメーションする際、その動物そのものを本社に連れてくるなんてこともしたのだという。何という情熱だ。

 

―ここまでするのはなかなか難しいが、例えば絵を描くにしても、資料を必ず参照する・・といった工夫で、近いことは出来る。

 

断言するが、現実は想像より遥かに多くの情報を持っている。絶景の画像より、下手すれば近所の散歩の方が発見は多いのだ。

 

参考にされたし。

 

終わりに。

 

 ―ってことで、ピクサーを知らない僕でも非常に多くのアイデアを得られたし、かつなんかピクサーの映画をめっちゃ見てみたくなるおまけまでついてきた。

 

イデアという使いどころがないものに悩む人、悩む生徒、悩むお子さんに、ヒントとして伝えていただければなと思う。

 

では今日はこの辺で。

 

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