今、実家にいる。
不思議と帰省1日目は、昼寝の有無とか何時に床に入るかとか関係なく、上手く寝付くことができない。だからこうして寝床から起きて記事をしたためている。
さて。
こういう時に思いを馳せるのは、やはり自分の過去だ。実家には18歳の頃まで住んでいたので、それまでの日々の思い出は探せばゴロゴロと出てくる。
ってことであらゆる棚や押し入れをガサゴソと漁ってみると・・・。昔使っていた携帯電話が出てきた。
そして奇跡的に、メールの履歴が全て残っており、あの頃の僕が送り、受け取った文言を皆見ることができた。思わず目から汗・・・とはならなかった。
何故か?その中に己の劣等コンプレックスを強く感じたからだ。流れたのは冷や汗である。
では、当時の僕は、一体それを何に対して抱いていたか?それは、『みんなと同じじゃないこと』に、であった。
―もう、当時の僕に、今の僕が、『そんなん心の底からくだらねぇ』と声を掛けることは叶わない。
だから今日は、僕の胸に込み上げた何かを、過去の自分に向けて書くような体裁で記事にする。そうすれば、記憶の彼方に良い形で消せるだろう。
ってことで以下そんなお話。
おい、14歳の僕よ。
お前はハッキリと悩んでいるな?
同級生が皆知っている、興味を持つことに、お前自身が全く関心を寄せられないことに。
極端な言い方をすれば、『人と少しずれている自分に』コンプレックスを抱いているだろう?実際、内申点もクソだもんな!そう思っちゃう気持ちはわかるぞ!
確かに周りの奴らは、『め組の大吾』とか、『スキマスイッチ』にドハマりしている。でもお前は、世間が『イイ』というモノが、全然ハマっていないだろう?
そして『当たり前』の感覚が無いことを、陰でこっそり悩んでいるだろう?
メールを見れば書いてあるぞ。『今、どんな歌手が流行ってるか全部教えてくれ』と、友達にすがっているな?
知ってどうする?まさか好きでもないのに時間と労力を使って、浅い知識を頭に叩き込むつもりか?何のため?周りのヤツに嫌われないためとでもいうのか?
30前の今の俺が見ると、健気さと愚かさに涙が出そうだ畜生。
生身の人間が、完璧なシチュの中で淀みないセリフをスラスラ言うことにただならない違和感を覚えるから、ドラマがそもそも苦手だろう。今もそれは治ってないぞ!
また、お前が人生で初めて買ったCDは、『ドラゴンクエストⅧのサウンドトラック』だろ?
家族からも友達からも変わってるなと言われて落ち込んだあの日、まだ覚えているぞ!
お前が生きている2005年前後は、確かに世界は学校が全てで、かつ周りは顔なじみだらけで、人と違うことを言えばそれだけで集団から弾かれるリスクがある!
だからこそ、そういう『みんなと同じ自分を目指す』ことに絶対的な価値と必要性を感じているんだろう?ハッキリ言うが、クソ無駄徒労の極みだぞ!
結果出来上がるのは、周囲の顔色を敏感に読み取り、その都度自分を偽る、八方美人の技能が高いだけの空気みたいな存在だ。
お前はそれが遠因で、20代頭で心を壊しかけ、結果その前後数年の記憶を人生からほぼ消すハメになるんだぞ?まぁ、知る由も無いだろうけど・・・。
ただ、そういう息苦しい日々も、実は中学を出るまでだ。
少なくとも高校に入れば、自分の周りにも変わり者とされる人間がいると薄々気付けるようになる。そしてそいつらとコミュニティを築けるぞ!
―だが、そこでもお前はまた悩むことになる。リア充とされる成功者に対し、自分が対極に位置することに。覚悟しとけ。
そもそも異性とは無縁で、会話も下手。勉強は得意でも、それは一切魅力とならない。お前は自分に価値が無いのだと、そこでも思い悩むことになる。
だが、それもまた一興。その時がくれば、思い切り悩めばいい。
不思議なもので、そんな葛藤が10年も蓄積されれば、いつかどこかで吹っ切れてマジでどうでもよくなるから。
―そろそろ30手前の今の俺の話をしておこう。
9か10歳の時、お前が夢を持って山口きらら博のポストに投函した、10年後の自分に宛てたハガキがあるよな?覚えてるか?
あそこに書いたキラキラした夢は、残念ながら全て叶ってません。
そして、微塵も叶えようとは思いません。野球は止めちゃったし、お酒は美味いし、結婚もしてません。ドンマイ。
でも代わりに言いたいことがある。
とりあえず今は人生マックスで幸せだし、楽しいです。大学がピークかと思ってたけど、てっぺんは毎年更新していますわ。
この考え方は、いつから抱けるようになったか?人生に不満だらけな今のお前には想像できないだろうけど、いつか分かる日が来ると信じて書いときます。
『みんなと同じとか無理だし無駄』と気付けたときからです。
その境地に至るため、お前は20代頭で一度、どん底に落ちる。でも、死にはしないからそこは安心してほしい。
『俺は俺の好きなことを突き詰めて生きまーす』という決意が出来たとき、人生の楽しさのピークが毎年更新されるようになる。ま、お楽しみに。
―最後にもう一言添えれば、お前は無いものに対してフォーカスし過ぎだって。冷静に考えれば、友人と話題が何一つ合わないなんてことはないだろう?
トリビアの泉はお前も毎週見ているし、爆笑問題のバク天!も録画するほど好きじゃないか。あのビデオ、実はまだあるぞ!
お前はきっと、何かが欠けていることを確認しては、安心しているんじゃないかな?
持ち前の真面目さと繊細なココロがある意味暴走した結果、自分が完璧であってはならないと、半ば強迫観念みたいなものを抱えているんだろう?
確かにその劣等感は、ある程度までは自分の能力を高める起爆剤として作用してくれる。現にお前は、さして得意でもない英語の検定で1級を取ることになる。
だがそれと引き換えに、自分の成功を全く喜べない、悲しい人生が訪れることになる。
謙虚にしとけばある程度は無事だが、行き過ぎると、文字通り味方のいない世界に生きることになっちゃうぞ?
悪いことは言わないから、『やるな俺』と思うところは、自慢せぇとまではいわないから、胸の内に持っていなさい。ホントに辛かったっすよ!
お前は誰よりも優しく、真面目で、謙虚だよ。だが、自分に対しては異様に厳しいぞ。気付いてないだろ?だから、今気付いてほしい。マジで。
今の俺がキミに願うことは本当にそれだけです。ってことで、ここまでで終わり!
じゃ、二度と来ない中学時代、残り1年ちょい駆け抜けてくれい!
―さて。
書いていると不思議と熱くなり、結構プライベートなことまで文字にしちゃった気がする。完全に年代がバレる。どうでもいいけど。
色んな生徒と接しているが、当時の僕が抱えていた悩みと多分同類、下手すりゃ全く同じものを持つ子を、どうしても散見してしまう。
カタい言い方をすれば『自己肯定感』が弱すぎる。自分が自分の敵になったら、やはりキツいところがある。
今は結構無邪気に、上司から怒られようが『ま、俺は俺が思う正しいことをしたからええか、価値観のズレはしゃーない』と1分くらいで切り替えが可能になった。
それは僕が僕の価値を認められるようになったってのが大きい。実際これができる中学生はたまにいるが、皆もれなく人生は楽しそうだ。
皆さんの周りはどうだろうか?そもそも、皆さん自身はどうだろうか?『大切にする』の意味合い、コレを機に考えてみてほしい。
では今日はこの辺で。