『受験』。
ここまで厳然とした響きの言葉って、なかなか無いと思う。
挑むことになる動機はどうあれ、合格者と不合格者が必ず誕生する、人生に数回もない超巨大な勝負どころである。
僕も一応この戦いに色々あって参加したが、それでも高校と大学の二度だけだ。人によっては幼稚園から・・・なんてのもあると聞いて、背筋が凍る。
―そして時折思うことがある。『受験』を制して、そこそこのブランドを得た人間がいるのは間違いないが、それって氷山の一角のさらに一点だよな、と。
例えば、今年度の東大合格者は、全学部合わせて3000人ちょいらしい。だが、その内何%が、そのブランドの恩恵を上手いこと得られているのだろう?
では、いわゆる、スポットライトが当たりきっていない側ってどうなのか?さすがに全員が全員、クイズ王でもなければ法律を頭に叩き込んでいるわけでもあるまい。
・・・ってことで今日は、流石に東大生の友人はいないものの、それなりに名のある中学・高校・大学に受かった友人達の進路の内、いくつかを紹介してみたいと思う。
関関同立のどれかに受かったTくんの話。
友人の出世頭は、Tくんというヤツだ。小学校の時から聡明だったが、中学で姿を見なくなり、聞けば中学受験に成功して名のある私立に行ったとのこと。
彼はその後、一貫校で高校まで進み、大学受験を一浪して、関関同立のどれかに進学したのだという。
でだ。経済学部を卒業した彼は、その後僕の出身県で一番名の知れた銀行に就職を決め、そこで数年働いていたそうだ。
―なぜ過去形か?それは、その話を聞いた時点で、彼は仕事を辞めて有給消化中だったからだ。
聞けば、派閥争い、主体性のない作業、その全てに心の底から疲れてしまったそうで・・・。
そんな彼は今、もともと勉強は超得意に違いないので、とある試験をパスし、元気に働いている。なんか、楽しそうなのが印象的だった。
中国地方イチ?の国立大学に受かったNくんの話。
これまた地元の友人から。彼は中学受験で見事一貫校に進み、ストレートで中国地方イチと言われる大学へ進学していた。(学部は失念)
そんな彼は同窓会で出会った際、そこそこ名の知れた会社で営業をしていると言っていた。印象的だったのは、彼の仕事観だ。
『定時で帰るよ!当たり前じゃん!仕事よりしたいこといっぱいあるもん!』
うーむ、エリート街道を突っ走っても、仕事に人生を捧ぐタイプになるとは限らないのかな・・。(彼が例外なのかもしれないけど)
これまた関関同立のどれかに受かったYくんの話。
同窓会で久しぶりに出会った彼は、明朗な人柄が功を奏し、指定校推薦をゲットして有名私立に入学を果たしたそうだ。
そんな彼の哲学は、僕からすれば対極に位置していたため、非常に興味深かった。
『結局自分のブランドで勝負するしかないから。
俺、勉強でそこにいったわけじゃないから。
就活も、一ミリも勉強せず、素で挑んだわ!!』
―うーむ、スゲェ。これはその背中に惚れる人間が出てきてもおかしくない哲学だ。ちなみに彼もまた、名の知れた会社で営業の仕事をしている。
会ったのは2年前だったが、その時には既に婚約を果たしていたっけ。羨ましいとかそういうのを通り越し、『だろうな』と思った気がする。
終わりに。
ってことで、偏りがあるのは当然だが、有名な学校に進学した人のその後を、一部ながら紹介してみた。
感想も考察も言うだけ野暮だが、一つ思うのは、『結局、学校のブランドより、人間性な気がする』ということである。
『そんなん東大とかに行ってから言えwww』と言われそうだが、僕は素直にそう思わされた。何というか、圧巻。
受験を突破すれば、それだけで幸せ・・・とかも言えそうにはないが、内発的動機があるなら、目指す価値はあると言えそうだ。
内発的動機が無い僕からのダベリでした。では今日はこの辺で。