『自分を持て!』というセリフを、昔は強迫観念のように胸に秘めていた。
『普通の人なんかにゃなりたくない!』という熱さではなく、『人の言うことに従い続けるだけの人生ってヤダな・・』という消極的さ故、だ。
正直、他人と違うことをするのは、無茶苦茶簡単だ。試しに朝ご飯をアイスにしたり、家で無数のヤゴを飼ったりすれば、非常に簡単に”変わり者”にはなれる。
だが、『確固たる自分』を持つとなれば、話はまるで違う。
要するに、『自分のアイデンティティを非常に深く、強いところまで理解している』段階には、おいそれと辿りつけはしない。
実際僕も、『自分を持とう』と結構頑張ったが、結局己が何者かもつかめないまま、結構な時間が過ぎてしまった。
―じゃあ、その結果、今はどう考えているか?
実は、基本的には、『言われたことに従う方がお得』だと思っている。
ここに至るロジックは非常に簡単であり、そして別に、僕が他者への絶対服従を誓ったわけでもない。
今日はそんなお話をかる~く書いてみます。
『トク』を優先するということ。
きっかけは↑の本である。そこにあった、『トク』を徹底的に追及する考え方は、自分に無いものであったため、非常に学びが多かった。
そして本書の中にあった、『偉い人の言うこと』に対する筆者の意見が、僕に新しい観点を与えてくれたのだ。
手元に本が無いので一字一句再現するのは無理だが、雰囲気だけ伝える。
基本的に、偉い人の言うことには従っておいた方がトクです。
従っておいて、成功すれば、もちろんそれで良い。
間違っていればその人の責任にしたり、見下したりすればいい。どっちに転んでも、こっちは『トク』です。
・・・これそのものは、姑息とか色々な異論があると思うが、僕はハッキリ『ありやな』と思わされた。
少し考えれば当然なのだが、『人の言うことに従っても自分は消えない』し、『無条件でさえなければ、従いながらも自分を出せる』のだ。
これは生徒にとっても同じだと思う。『センコーの教えとかマジつまらん!従わない俺、かっこいいぜ!』というのは、二流だろう。
本来は、『こいつの言うことに一旦乗っておくか』とドライに考えて、『お、できたじゃん。ラッキー』という成果か、『わっかんね、あいつアレだなぁ』と思うかだろう。
これを思い切り表明すれば結構嫌なヤツになってしまうが、影でこっそり思い、実践するなら誰にも怒られまい。
ちなみに僕は、『役に立たん情報を言おうものなら生徒から総スカンを食らう』という危機感は未だに持っている。
『言うことは聞け!ただしできなかったらお前のせい!』という論理で何とかなるほど、教育の分野は甘くないのだ。そのことを肝に銘じた方が良い。
―てなわけで、教わる側であったり、駆け出しであったりする立場の人は、我流を一旦引っ込めて、アドバイスとかはぜひ『従っておこう』。
その方がトクすることが多いですよ、マジで。
では、今日はこの辺で。