『教科書の太字のところを覚えておけば点になりますよ~』と、よく言われる。僕はこれについて、半分同意するが、半分はそうしかねる。
僕はこの『太字だけで何とかなる説』は、勉強が得意な人による理論だと考えているからだ。
絵が上手い人が『ね、簡単でしょ?』とテクを教えてくれても、苦手な人からすれば超難問だったりする。一体どうすれば良いんじゃい、と。
ってことで、なんか最近無茶重い記事ばかり書いてきたので、今日はそんなお話を軽く述べちゃうぞ、と。
太字だけ勉強してるという奴は、実は太字だけ勉強しているなんてことはない。
太字だけ勉強してるという奴は、実は太字だけ勉強しているなんてことはない。トチ狂ったとした思えない言い回しなので、ちゃんと説明します。
・・・自分が言うのもなんだが、そもそもある程度の基礎知識が無ければ、太字の語句だけでインプットが完了することは絶対にあり得ない。
例えば質量保存の法則とか、等速直線運動といった語句"だけ"で理科を語れる人がもしいたら、ぜひ教えてください。
さて。
太字だけ覚えて点が取れる人は、実は無意識に、既存の知識と結びつけているケースがほとんどであり、つまり厳密には太字"だけ"を勉強しているのではない。
さっきの例で言うと、『質量保存の法則』という語句を見た瞬間、『あぁ、アレのことね』というモデルが脳内に浮かんでいるはずなのだ。
そう。『太字だけで十分だ!』という人は、その語句を見た瞬間に、あらかじめ知っている情報とかを使い、イメージと理解が完了させる能力があるのだ。
そこがゴッソリ抜けている生徒が、同じような暗記の仕方をしても、爆死する未来は目に見えている。
もう一度言うが、例えば『シラス台地』とか『筑豊炭田』という語句"だけ"で九州地方を語れる人がもしいたら、僕に連絡ください。
―ってことで次は、『太字だけ教』の方々が無意識下に実践している思考法を、後から開発する方法について伝えたいと思う。
ふわふわからカッチリ。AだからB。
まずは何より、広く狭く、ふわふわからカッチリである。そうすることで、勝手に筋道立てた理解が完了する。
例えば、『日本の自然の特色』という単元があったとき、まず『信濃川』といった末端の知識から覚える生徒がいるが、これは時間が勿体ない。
最優先は『根っこ』であり、『ふわっとした』説明を知ることである。
先ほどの例なら、『日本は山が多いっす』『日本は周りを海で囲まれた島国っす』『九州は火山が多いっす』といったのがスタートになる。
そこから派生させていけば、以下のような”AだからB、BだからC的な流れ”で覚えていくことが可能だ。
『日本は山が多いから斜面が急なところが多いし、そもそも国土が狭いから、日本の川は世界的に見て短くて流れが急なんだゾ。その中で一番長いのが信濃川っす』
―僕のイメージなのだが、マジカルバナナを延々と続けるように、Aという知識を理由にBという答えを出すという流れを繋げていければ、最強である。
・・実は学校の社会の教科書って、各段落ごとに『ふわっとしたまとめ』が最初から付いているのだ。
『九州の自然の特色』みたいな具合だ。理想は、そこだけみて、その段落の情報全てを思い出せることである。
そこで障害となることは、人に聞くなり資料集をみるなり、何ならググるなり、あらゆる手を使って排除すればいい。(つまり僕らの仕事です)
何かしらの参考になればありがたしー。