『読解問題』が苦手な生徒は多い。
その原因は無茶苦茶複雑で、一言で言うのは難しいのだが・・・。
僕は最近、『拾えている情報が少なすぎること』が原因だと考えている。どういうことか、例を挙げてみよう。
例えば、『今日は月曜日です』という意味の英文なら誰でも読める。
だが、そこから同時に、『なら一昨日は土曜日で、昨日は日曜日か』という部分まで読み取れる生徒はそこまで多くない。
字面と、そこに内包される情報は、実は別物だ。そしてここは、演習と解説の読み込みを繰り返さないとなかなか身に着かない。
―だが、そもそも演習ができるレベルにまでなっている生徒がどれくらいいるのか、僕は甚だ疑問である。その途中に当たるところ、スモールステップは何だろう。
そして閃いた。ここで必要な思考法は、『なぞなぞ』で鍛えられる、と。今日はそんな小噺。
どういうことか、試しに一問ご紹介しながら説明する。
『消防士がいっちばん好きな天体はな~んだ?』
はい。『なぞなぞ』でまず取り掛からなければならないのは、問題の色々な解釈である。つまり、『色々と言い換えてみること』だ。
消防士→火を消す人、ファイアファイター、119番通報で来る人達・・・
天体→宇宙、でっかい星、水金地火木土天海・・・
いっちばん好き→NO.1、大好き、愛している、一位・・・
みたいな。実はこういう風に、書いてあることをこねくり回して情報を拾うという最初のプロセスこと、読解でも必要な技に他ならない。
―次は、さらにそれらの情報を繋げていく作業に入る。もちろん、元の問題文と照らし合わせる作業も同時並行となる。
『消防士がいっちばん好きな天体』
なのだから、答えは多分『水金地火木土天海』のどれかだろう・・一体どうすればロジックが繋がるかな?という自問自答。非常に頭を使っている。
『消防士は119番通報・・これを数字で読むと、「いち・いち・きゅう」・・・、あっ! 』
『一位地球、だから地球だ!』というのが答えである。
「―ふっ、くだらん」と思われただろうが、繰り返す。問題の様々な解釈、根拠ありきで答えを創る意識、全て読解問題に必要なそれなのだ。
だから、読解が苦手なのであれば、学年問わず学習のウォーミングアップに『なぞなぞクイズブック』を用いてみてはどうだろうか。
娯楽と侮るなかれ、学力向上のヒントは色んな所にあるものなのである。
では今日はこの辺で。