精神年齢9歳講師のブログ

日々を自由研究の如く生きたい。

『お金2.0』は、校舎運営にも非常に役立つヒントが満載の『実践的な指南本』だと思う。

『お金2.0』はすごいぞ!!というのをあちこちで書いてきたものの、それを密に読み込んだかどうかで言えば、実はダウトであった。

 理由は、時折理解もイメージも難解な概念が登場するためであり、そこはスルーしながら無理やり最後まで読んだというのが実情なのだ。

 

だが、それは絶対に勿体ないよなと。こんなザッピングで、著名人が推しまくる所以は、絶対につかめないよな、と。

 

ってことで、ノートにメモリーツリーを展開しつつ、わからない語句はまとめて調べつつ、今度こそ密に読み込んでみた次第である。

 

すると、ようやくわかった。

 

これは、『組織』の種類の一切を問わない、発展するコミュニティを創るための、非常に『実践的な指南本』だ。

 

実際にこの本に基づいて色んな手を打ってみたのだが・・・。狙い通りに動きすぎて少し怖いほどだ。

 

今日はワクテカしながら読書感想文を書いてみます。

 

 

発展するコミュニティに欠かせない五原則。

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特に気になったのは、『組織やシステムが発達するには、欠かせない五原則がある』という話だ。

 

それは何かというと、『動機(インセンティブ)』、『即時性(リアルタイム)』、『不確実性』、『ヒエラルキー』、『コミュニケーション』である。

 

例えば、流行っているスマホゲーム等程、『頑張ったご褒美(≒動機)』が明白だし、システムやイベントは日々更新される

 

強いボスやイベント戦に勝ったり勝てなかったりは運の要素が強いし、有力なプレイヤーはランキングという形で可視化される。

 

そして、そのコミュニティに属する人同士で、チャットであったり協力プレイができたりして、交流の要素もバッチリ、となる。

 

僕もいくつか思い巡らせたが、人を集める組織、人、ゲーム、サイトは、正直不気味な程その五原則を完璧に満たしている。なんかこう、深淵に触れた心持だ。

 

―しかし逆に言えば、意識してこれらの要素を取り込むことも、掴んでさえいれば十分可能という話だ。

 

だから試してみた。たまたま校舎で企画運営が決まったイベントに、自分なりに上記の五原則を取り込んでみたのだ。

 

ざっくり言えば、期間内にあるクエストをクリアすると、チケットを授与。そのチケットを使って、月末に別のイベントに参加!というものだ。

 

まず、このチケットは交換可能にした。いわば、通貨みたいな扱いにしたのだ。すると、大量にそれを持つものは『可視化』される。

 

そしてそのチケットによる景品は、出来る限り事前にアンケートを取り、生徒たちが喜ぶものを並べてみた。そう、『報酬という動機狙い』である。

 

イベントの内容は様子を見ながら足したり引いたりと『変化』を意識し、またクエストの性質を、生徒同士の『交流』が生まれるように工夫している。

 

そして最終的に景品を得られるかどうかは、実はかなり『不確実』にしている。運ゲーと言ってもいいかもしれない。

 

―というのをぶっちゃけ大雑把に使っているにすぎないのだが・・・。

 

今、校舎は盛況だ。普段関わりのない生徒同士が話し合ったりチケットを渡しあったり、交流と協力が生まれている。スゲェ。

 

偉そうなことは言えないが、『動機(インセンティブ)』、『即時性(リアルタイム)』、『不確実性』、『ヒエラルキー』、『コミュニケーション』の5つ。

 

これは組織を創って運営するのなら、絶対に押さえておきたいものと考えて間違いなさそうである。

 

同時に見える、『淘汰される塾』のカタチ。

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成功モデルが見えるということは、同時に『淘汰されるモデル』も見えることを意味する。

 

先ほど、発展するコミュニティの原則の一つに『動機』というのを挙げたが、これは『報酬』とほぼ同義だ。

 

つまり、『あなたのコミュニティに属すれば、どんな良いことがあるんですか?』という問いに対する答え、ともいえる。

 

労働者に対するそれなら『給料』というのが浮かぶだろうし、対生徒なら『点数向上』というのが挙げられるだろう。

 

―しかし、今こうして『お金』の価値が減っていると言われ続ける世の中では、上記の2つがどれほど価値を持つのか、今一度見つめ直した方がよさそうである。

 

そして同時に、一体多くの人は無意識に何を求めているのか、そちらに対する嗅覚も磨かねばならないとされる。『報酬』を間違えたら詰みなのだ。

 

この『お金2.0』で繰り返し強調されていたのは、『社会的欲求』という言葉だ。人生の意義であったり、他者に対する貢献であったり、そういうもの。

 

逆に言えば、『お金』や『点数』を得るために、その人の内面を踏みにじるようなことをすると、人が瞬く間に離れていくことが一層加速すると言い換えられるのだ。

 

例えば、激烈なスパルタ授業と、殺人的な宿題量とかが好例だ。

 

実は僕の近くにそれと似た方針の塾があるが、それを嫌ってそこから抜ける生徒は実際ちょろちょろいるのだという。

 

今は個人が自由に発信でき、『人柄』『楽しさ』といった今までは可視化・定量化できなかったものも、『価値』として十分機能している世の中だ。

 

やはり、人間性をないがしろにして、嫌われても良いから成績向上!なんて価値観に固執する限り、安寧な未来はなさそうである。

 

終わりに。

 

―ここまで書いたところで、では僕は一体何を考えているかを手前味噌だが書いておく。

 

僕は今、とにかくオンラインサロンを創りたいという話は以前書いた。

jukukoshinohibi.hatenadiary.com

 

実はその先の狙いも、ハッキリと存在している。一言で言えば、それは『仲介』だ。

 

もっと言えば、どんなニーズがあるのかという生徒側の情報と、どんな講師がいるのかというこちらの側の情報を、もっと透明にして、直接つなぎたいのだ。

 

例えば、流石に個人名は出さないにしても、講師の『物理○点、朗らかな性格』という情報は可視化しても良いと思う。

 

それを『ありかな』と思う生徒がいれば、ほんのワンアクションで1ヶ月程度の短期、テスト前の単発、気に入れば長期と言ったプランに繋いでいくシステムを創る。

 

もっと色々可視化した塾。僕はここを目指していつつも、現在はまだまだ賛同者探しと、多少のワガママを通すための結果作りの最中である。

 

ってことで、やはり読むたびに胸躍る発見がある名著。秋の読書にオススメである。

 

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