精神年齢9歳講師のブログ

日々を自由研究の如く生きたい。

頑張り屋さんが頑張り過ぎて『どん底』に落ちた話をしよう。

最近何気なく生徒に伝えた言葉が、何故か自分の耳底に残って離れなくなってしまった。

 

『自分が自分を嫌いになったらおしまいだよ』

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詳しい状況は忘れたが、悩む生徒にふと伝えたこのフレーズ。これがブーメランのように返ってきて、『お前はどうなんだよ、え?』と、ずっと僕が僕に詰め寄っている

 

自分で言うのもなんだが、20代前半の僕ほど、自分に厳しい人ってそんなにいなかったんでは無いかなと思う。

 

その時は本気で、『お前には天賦の才など無いんだから、誰よりも努力して後天的に色々身に付けなければ終わりだぞ』と、自分に対して発破をかけ続けていた。

 

強迫観念的に頑張って、資格を取って、自分に『肩書』や『箔』を付けようと頑張った。

 

でもその都度、自分より上にいる人、知らない世界、才能あふれる天才を引き合いにだし、自分の成果を自分で否定するようなことを繰り返してしまっていたのも事実。

 

どれだけ頑張っても結局敗者というクソみたいな価値観から抜け出せ始めたのは、ここ数年の話なのだ。

 

―今日は別のブログに書いた話なのだが、どん底とはどういう景色なのか』を、反面教師になればということで書いておこうと思う。

 

そしてそこで得たモノも、それに添えておく。

 

実際、僕が落ちた『どん底』ってのは、真面目な生徒ほどそこに行きつきそうで怖い。

だから、自分の周りの頑張り屋さんを頭に浮かべながら、目を通していただければと思う。

 

あ、できればメンタルが元気なときに読まれることをオススメします。では以下続き。

 

 

自己否定、努力、自己否定。

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僕の自責グセが一番強まったのは、高校を出て大学に進学したときだ。

 

高校時代には知る由も無かった高い目標や夢、そして能力を持った同年代の人間がゴロゴロといる状態。

 

もとよりコミュ力の無かった僕は、人を巻き込んでどうこうってのは不可能だと思っていた。だが、それを息をするようにできる人間がいる。

 

昔から筋トレはしていたが、自分が蚊トンボに思えるくらい、アニメのキャラみたいなガタイの人がゴロゴロといる。

 

そして唯一自信があった勉強も、吹聴するのが恥ずかしくなるくらい秀才が周りにいて、僕は完全に埋没しているようにしか思えなかった。

 

何にも勝てない。皆俺より上。

 

どうすれば自分はここに居場所を見つけられるのか、絶望的な状態にマジでくらくらしたのを覚えている。

 

―友達は出来たし、部活にも入ったが、心の底ではどうにも『みんなに負けている自分』が気になって仕方が無かった。

 

どうすれば良いんだろう。そして気付いた。頑張ればいいんだと。では、頑張るためにはどうすればいいんだろう?簡単だ。満足しなければいいんだ。

 

皆が価値あると認めるもの。全力で手を伸ばしたら届きそうなそれを搔き集めるんだ!

 

―社会を全く知らない僕が出した結論は、悲しいほどピュアで、愛おしいほど甘かった

 

勿論、現実には何度も叩きのめされることになる。

 

TOEICで良い点を取ったと思っていたら、自分の隣の席の人はさらに200点も上だった。

 

彼女を作ろうと頑張ってみたが、不器用が過ぎて何の成果も得られなかった。

 

読書も繰り返したが、なかなか変わらない自分に絶望感さえ覚えていた。

 

時折上手くいくこともあったが、例えば自分より早く短い時間で高いスコアを取った人が存在する例を探し出し、自分はまだまだ誇れるところにいないと否定したっけか。

 

どこまで頑張っても上がいる。というか、何で頑張っても上がいる。俺には長所に当たるところ、何一つないじゃねーか。

 

―当時はこういう『競争のジレンマ』に本気で苦しんでいた。『特技はなんですか?』-『ないです。』それ以外の答えは、言うだけバカにされると思っていたなぁ。

 

『自分の能力を活かしましょう!』『好きなことをして生きていこう!』

 

・・・という言葉が大嫌いだった。

 

これらを聞くたび、『能力がないお前に生きる道はない!』『したくないことでもしなきゃダメだ!』というセリフに変換されてしまうからだ。

 

そして結局、大学での4年間ではこの矛盾と折り合いをつけきれないまま、僕は社会に出ることになるのであった。

 

どん底を知るのは、その日々の中で、である。

 

誰かのためにある。

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僕が知ったどん底とは、自分が全く分からなくなるという境地である。

 

仕事ってもっとこう、自分が能動的に働きかけて、社会という大きな共同体に貢献し、生んだ価値に相当するものを給料という形で受け取ることだと思っていた。

 

・・・だが、僕の拗れ倒した思考と、組織の風土は、僕の心を急速に壊していったっけ。

 

新人はしごき上げることで成長する・・みたいな価値観だったのか知らないが、僕は猛烈に働くことを義務付けられた。

 

もとよりそういう生き方をしてきた自負はあったが・・・・。それでも、働き過ぎて段々と色々分からなくなっていった。

 

怒られたくないから働く。休んだら怒られるから働く。自分の考えを入れたら作業が遅くなって怒られるから考えない。言われたとおりに動く。でも怒られる。

 

空き時間があるけどこれはまずいよな。せんといけんことがぬけてるよな。かえるじかんだけど、しごとしてないとだめなきがする。あれ、なんではたらいてんだっけ?

 

そもそも、おれってなんでいきてるんだろう?

 

・・・という風に、その頃の日々はキレイに記憶から抜け落ちている。誰にもメッセージを送ることがなかったようで、何の記録にも残っていない。

 

誰よりも劣っているから誰よりも働く。すると、自分は皆より劣っていなければダメだという変な価値観が育まれる。誰かより上のワケが無いんだ、と。

 

じゃないと、頑張らない。頑張れない。劣等感こそ最強のコーチなのだ。

 

―その後僕はどうなったか?詳しくは以下の記事に思いっきり無添加でまとめたので、勇気があるときにお読みくだちい。

hitomishiriteki-jinseikun.hatenablog.com

 

どん底』を知った今、胸を張って言えること。

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ってことでなんやかんや、今は立ち直って久しい状態だ。あの時期くらいメンタルを叩きのめされたことは、幸い一度もないままここまで来た。

 

僕は僕を否定することで頑張れると思っていたし、ある程度までそれは本当だったと思うけど・・・。

 

ここまで思いっきり社会のレールから脱線すると、本気で踏ん切りがついた。

 

つまり、僕は人が言う肩書が全然なくても、気にならなくなれたのだ。独身だから何?酒をめっちゃ飲むから何?給料そんな多くないけど、生きてて楽しいっす。

 

―例えば、僕は僕と付き合いのある友人たちについて、長所をいくらでも言ってあげることができる。じゃなきゃ関係は続かないからだ。

 

となれば、僕にだって人が価値を認めている長所ってあるハズなんですよね。非常にシンプルな話なのに、なんで気付けなかったんだろうな。

 

自分が自分で、他者から見た自分を格付けするから拗れるのだ。そしてそもそも、みんな他者には興味が無い。お前の顔を気にするのはお前だけ、なのだ。

 

僕が釣りに行きまくっても電車は走る。ソロキャンプをしても、Wi-fiは入る。事故って肋骨を砕いても、地球は回る。最悪死んでも、明日は来る。

 

僕以外に69億9999万人以上が暮らす地球において、僕が頑張らなかったら何が起きるというんだい?自分を過大評価し過ぎだぜ。

 

・・このどん底とは完全な真っ暗闇であり、否が応でも自分の"ちっぽけさ"と向き合うことになる。それ以外何も見えないからだ。

 

肩書も箔も全て引っぺがされ、自分という『個』の深いところを見つめることになる。

 

―僕がそこで拾った教訓は、『死ななくてありがとう』というある種究極の自己肯定である。

 

ずっと自分を否定してきたけど、最後は否定しなかったことを感謝する。これ以来、僕は自分が自分に出す合格点を、むっちゃくちゃ低くするようにしている

 

そうしてやっと、『努力が楽しい』と思えるようになれたのだ。『好きに生きる』って良いことだと思えるようになれたのだ。

 

頑張り屋さんは自分を殺すプロである。それで人生全部上手くいくこともあるが、そこには10年に一人レベルの天賦の才が求められる。僕にはそれが無かったのだ。

 

―だから、最初に書いた質問には、胸を張ってこう答える。

 

『俺は俺のことが好きだけど?』

 

『努力』にしか価値が置けない悲しい人が、少しでも減りますように。そう願ってやまない。

 

皆さんの周りの『頑張り屋さん』は、もしかしたら頑張ることでSOSのサインを出しているのかもしれない。少しだけで良いので、気にかけてあげてほしい。

 

では今日はこの辺で。 

 

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