精神年齢9歳講師のブログ

校舎での出来事、読んだ本、つまりインプットを全てアウトプットに変える実験場、的な。

みんな『読解力』を難しく考えすぎだと思う。

『読解力』とか『国語力』とか、『論理的思考力』の質問は非常に数多く受ける。ちなみに、圧倒的に保護者側から相談が来ることが多い。

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聞けば、読解力が無いとは、テストで点が取れないという文脈で言われていることが大半であり、つまりほぼ全て、点の取り方論に終始している印象である。

 

あのドリルはどうですかとか、あの参考書はどうですかとか、もっと文学的作品に触れさせるべきですよねとか、謎に混乱しているケースが多いので、話が難しい。

 

―ってことでこっそり本音を書くが、みんな『読解力』を難しく考えすぎである。鍛えるとかそういう次元で考えるから、面白くないし大変になる。

 

どういうことか、以下持論をつらつらと。

 

 

僕は正直、『読解力』とはテクニックを活用する能力の高い低いだと考えており、そもそも地力がゼロに近いなら、鍛えても全くもって無駄だと思っている。

 

―では、ここで言う地力とは何か?簡単な話だが、使いこなせる語句の多さ、幅広さ、触れてきた言葉のジャンルの多様さである。

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冷静に考えれば、身の回りに溢れる『本』は、何も全て『文庫本』とか『新書』ばかりではないことなど、すぐにお分かりいただけると思う。

 

断言するが、高邁な本をたくさん読むことと、国語のテストで点が取れることは、あまり関係が無い。反例などいくらでも知っているからだ。

 

例えば、本棚1つを活字ばかりの本でパンパンにしている友人がいたが、彼よりもゲームの攻略本をめっちゃ読むタイプの友達の方が、点数が高かった。不思議である。

 

では、本を読んでもそんなに『読解力』が付かないなら、一体何をどうすればいいのだろうか?

 

―僕が思うに、『読解力』は、没頭した状態でどれくらい色んな種類の言葉に触れてきたかに関係がある気がする。

 

手前味噌だが、僕は国語が得意である。しかし、大学3年に上がるまで、言い切るが読書習慣など全く無かった。人生で当時20冊も読んでないのでは?

 

しかし、その1つ1つを読み込む深さは相当だったと思う。図鑑は破れ、攻略本は千切れ、いくつかは未だに手に取って読むほどだ。

 

また、ジャンルもバラバラだった。親から与えられた文学本にも1冊だけハマったが、後はレシピ集・図鑑・攻略本・随筆・ファンブック・漫画・ラノベ、様々だ。

 

高尚な本ばかりが注目されるが、意外と秀才とされる人間の中でも、文学作品ばかり読んでいるケースはそこまで多くない重松清も読めば、ジャンプも読むのだ。

 

それすらも苦手なら、RPGゲームも結構オススメだ。セリフなどから情報を得て、結び付けていかないと、クエストを進めることはできない。

 

書いてある情報から、書いてない真理を根拠をもって推測し、攻略する。この思考プロセス、実は現代文の読解問題と全く同じでございます。

 

―というより、活字を追うのが苦手なら、ラジオでもテレビでも解説動画でも、媒体とか死ぬほどどうでもいい

 

『読解力』なんて難しい言葉を使うから本質からズレている気がしてならない。要は、色んな言葉に触れてきた経験値こそがそれなのである。

 

絶望的に語彙力が少ない状態の子に、教団Xとかを渡しても仕方がないだろう。その子には多分、漫画の方が非常に有益な教科書となる。

 

―では、学校でやる漢字ドリルや、そういうのに特化した問題集に意味は無いのだろうか?

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これについては、ゴールの無い学習に用いるのはイマイチだが、受験対策という意味では効果的だとは伝えておく。

 

とりあえず、単に語彙力を増やしたいナァ・・という思いでそういったドリルに手を出すのは止めた方が良いかな、と。遠回りだからだ。

 

例えば、漢検3級の語彙力を完璧にしたところで、それを日常会話にまんま落とし込めるかと言ったら怪しいだろう。そういうことです。

 

しかしこと受験になれば、出る順・狙われる順に『言葉』が並んでいるため、学習しておくと驚くほど『点数』が伸びるのは間違いない

 

・・・ただ理想は、『あぁ、あの言葉と同じ意味ね』とか、『あのキャラが喋ってたやつじゃん』という閃きを定期的に起こしつつ学習を進めることだ。

 

この感覚があれば、爆発的に知識のネットワークが広がる上、前進している感覚を強く抱くことができるため、モチベーションにもつながり得る

 

そのためには、日々色んなタイプの言葉に触れておくこと、もといそういう環境を作っておくことが大切かなと、強く感じている

 

・・・最後にヒントとなることをちょいと添えておく。

 

読書習慣が全くない人でも、ある特定のジャンルや媒体のそれは、めっちゃ密に読み込んでいるケースが大体ある。

 

例えばスポーツニュースとか、ゲームの攻略情報とか、お菓子のレシピ集とか。ちなみに僕の原体験は、釣り雑誌を徹底して読み込むことですた。

 

そのため、こちらが押し付けても面白いほど子供は本を読んでくれないが、好きなことを扱うそれなら、手に取ってくれる可能性はある

 

やはり、興味の対象だけは絶対にコントロールできない。こちらにできることは、やっぱ環境を創ることが限界なんだろうなと考えている。

 

ってことで無理やりまとめよう。

 

『読解力』は難しく考えすぎず、色んな媒体で様々な情報に触れさせる環境を創るので十分です。ただ受験等で時間がないなら、問題集を使うのもありです。

 

てな感じ。意外と僕らは、活字ばかりで出来ているワケじゃないのです。

 

では今日はこの辺で。

 

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