僕は未だに会話では口下手という自負があるのだが、『授業』や『講義』においては、結構安定して合格ラインを出せている自負もある。
当初は『自分で授業を誰もいない教室で練習するくらいしないと上手くならない』と言われていたが、今思えば『んなことはなかった』。
実際、読むだけで説明が上手くなったといっても過言でない名著がいくつもあったからだ。民家の本棚を調べたら、新しい魔法を覚えたような感じである。
ってことで今日は、過去の焼き増しに近いところはあるけれど、読むだけで話が上手くなる名著を思いつく限り並べたいと思う。
TED ―驚異のプレゼン
ずぇったいにいの一番で紹介したい名著。
TEDというあらゆる分野のエキスパートが講演を行うイベントがあるのだが、そこで最高評価を受けるようなトーカーの共通点を抽出した実践書である。
読むと分かるのだが、先天的な才能に当たる部分はあまりなく、ほとんどがコチラの工夫や心掛けで何とかなるものが大半なのだ。
原文が英語なのだが、和訳特有の変な読みにくさが無いのも◎。例えばジェスチャーを意識して盛り込んだり、ユーモアを混ぜたり、すぐできるコツばかりなのも嬉しい。
何を読むべきか悩むのなら、まずはこれを手に取るのが良いんじゃないかなと思える、そんなお値段以上の名著である。
伝え方が9割
一時期一世を風靡した本。コピーライターである著者が教える、同じことを言っているのに伝わる力が段違いに変わる方法が余すことなく書かれた名著である。
例えば『違法駐車は止めてください』という張り紙を貼っても、なかなか効果は無いことだと思う。
だがそれを、『○月に撤去します』という書き方に変えるだけでも、違法駐車する側にとってはイヤなことなのでその行動が減る・・という例があった。
これを授業全てに散りばめると本末転倒だが、自分が伝えたいポイントが絞れているなら、それをより心に残してもらえるチャンスは増す。
状況は少し選ぶものの、サクサク読めるのでこれまたオススメである。
予備校講師の参考書一式
Instagram等の隆盛をみてもわかるが、人は自分が感動したものをシェアしたい本能を持っているんだと思う。(僕もそうだし)
となれば、『教える』の原体験は、自分が強く『わかった』と感じた経験を積むことで得られることも納得だろう。
―やはり今見ても、というより今見ると改めて、有名講師の説明の仕方は思わず舌を巻いてしまう。わかるのだ。わかってしまうのだ。脱帽。
気付けばその教えを丸ごと覚えて喋っている自分さえいるくらいだ。それくらい感動の力はすごいし、感動させる講師は強い。
科目は正直何でも良いのだが、2番目に得意な科目のそれを選んでおく方が、色々とちょうどいいかなと感じている。
今井の英文法 上・下
先ほど紹介した参考書の中でも、特に『なるほど!』と思えて、さらに『再現のし易さ』もずば抜けているのが、僕はこの人の参考書だと思う。
序盤は非常に緩やかに始まるのだが、下巻まで行くといつのまにか難関大学レベルにたどり着いている。繋ぎすらわからない滑らかさなら、氷室辰也のプレイ並みである。
例え話のわかり易さはもちろん、間違っているモノがなぜ間違っているのかの明快な解説、そしてあやふやな理解になりがちな単元にもズバズバと輪郭が与えられる感覚。
受験生が読むためのモノなのだが、講師が読んでも学びは多い。ぜひ手に取ってみてほしい。
終わりに。
ということで、読むだけで結構な経験値が得られる本を選りすぐってみた。少し年代として古いのは、それくらいこういう類の本が稀なのが理由である。
実地が一番地力を伸ばすのは間違いないが、ふしぎなアメ的な方法もこっそり存在する。言いきっちゃえば、勉強して練習すれば、一番力が伸びるってことなのでしょう。
参考になれば嬉しい。
では今日はこの辺で。