たまになのだが、予想問題信者がいる。あらゆる大手塾や名だたる講師が編纂した問題集を小脇に抱え、そればかりを延々と解きまくるタイプ。
後は『なんとかパック』みたいなのを買って、それを必死にカリカリと解きまくるのもそれに該当するかな、と。まあ、経験値と学力向上にはつながると思いますが・・。
ハッキリ言うが、予想問題ばかり解いていると、それに反比例するように、本番で足元をすくわれる可能性が上がる。
だから手放しに、『予想問題ばかり解いてOK』というひねりが無さすぎる帰結に至らないよう、時たま折に触れて生徒には話をしているという話。
今日はそれについてつらつら書いてみまっしょう。
『予想』は『本物』に勝てない。
かつて英検の勉強をしていたときや、授業準備のために予想問題集を解いているときによく思うのだが、やはり『予想』と『本物』は違う。
感覚的な話だが、『予想』とはあくまで本物に近いだけであり、例えば両方を交互に解くと、問題によっては『これは予想』『これは過去問』と割とすぐ気づく。
いわば『予想問題』とはバッティングセンターみたいなものであり、それがガンガン打てるからと言って試合でもヒットメーカーになれるかと言われれば、当然違う。
―あと頭に浮かんでくる注意点としては、『予想問題』は結構ピンキリであり、特に受験者数が少ない試験におけるそれは、本番と似てすらいないことさえある。
公言は控えるが、僕が解いてきた問題集の中でも、『いやいや、何をどう読み取れば答えがこれになるの??』と全く腑に落ちないケースは10や20では済んでいない。
やはり変なところで思考が凝り固まらないように、過去問は必ず合間合間に挟んでおくことは必須だと思えて仕方ない。絶対に、だ。
とはいえ『過去問ばかり』解きまくるのもちょっと違う。
しかし、大事なのはバランスだ。例えば、過去問を20年分とか解きまくるのも、センスが無いとぶっちゃけ感じてしまうわけで。
まず第一に、塾とかに入らない限り、そんなに過去問題は手に入らないというのが挙げられる。過去問を何度も解くのは正直時間帯効果に乏しいので、僕はオススメしない。
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そしてもう1つの理由は、過去問は過去問で、数年も違えば傾向がガラリと変わるためだ。
例えば僕のいる県の高校英語の問題は、H25くらいの時点だと英文和訳が10点以上占めていたが、今となってはそもそも英文和訳が3年くらい出ていないのだ。
東進衛星予備校の志田先生も言っていたが、『傾向を知るなら3年分で十分』なので、予想問題と過去問の比率を4:1程度にして、上手に経験値を得るのをオススメする。
―ちなみに、ずっと問題傾向・形式が変わっていない試験であれば、この限りではない。例えば英検はここ10年くらい、長文の雰囲気だけならあまり変化がないのだ。
こういうのは力量にもよるが、過去問をひたすらに解きまくることで、得点力のアップが望める。ま、その都度検証してみてほしい、というのがオチである。
終わりに。
かなり主観的だが、本番レベルで点が取れないのなら、本番と同じ形式で難易度が低い予想問題を解きまくるのが向いていると感じる。
だが、本番レベルでも点が取れ始める段階になれば、予想問題でヘンにフォームを乱すより、過去問等で発問のクセ等の知見を貯めた方が良いように思える。
つまり、どちらに全振りしてもバランスが崩れるというのが、この両者の本当の所なのだと感じる。いいとこどりでいいんです。
そういう提案が伝わっていれば嬉しい。では今日はこの辺で。