この業界で仕事をしていると感じるのが、『勉強はできても成功できるかわからないのに、できないと確定で詰み』という風潮だ。
そしてその論調に信憑性を持たせるためか、『勉強できなかった人間の末路』はかなり重く辛く悲しい話ばかりがネット上で喧伝されている。(引用はしないけど)
しかしそれもまた一部だろう。実際、僕の周りにもハッキリ勉強ができない奴はいたが、皆が皆不幸な人生確定かと言われれば、全くもって違う。
今日はそういう『勉強ができなかった人たち』のその後について、知りえる範囲で紹介しよう。
数学で欠点を取りまくった高校の同級生。
高校の頃、同級生に面白い奴がいた。友達が多いからという理由だけで理系に行き、解けもしない数学で爆死寸前、進級も卒業もギリという綱渡り。
何故か文系の僕に数学のヘルプを求めてきたこともあるくらい、勉強には難儀していた印象だ。得意科目とか、あったんかな?
当然彼は『シンガク』など毛ほども考えておらず、かねてよりの志望であった『公務員』として、高校を卒業するとともに社会人デビューを果たすことになる。
そこからが彼の凄いところで、持ち前のコミュ力と頑丈な体、そして若干のサイコパス性をいかんなく発揮し、手柄をバリバリと積み重ねていったのだ。
結果、今は完全に僕より待遇も年収も上であり、結婚して幸せそうである。式には僕も列席したけれど、規模も大きく、参加者も多く、彼が重ねたブランドがよくわかった。
面と向かって言ったことは無いが、僕は年も同じ彼を心の底から尊敬している。
高校を喫煙で退学した中学の同級生。
これまたファンキーなヤツの話なのだが、中学の同級生に『はまじの究極体』みたいなノリの奴がいた。調子に乗っては怒られ、モノを壊し、反省は数秒、みたいな。
当然勉強もからきしで、得意だった社会以外は通知表も2とか3ばかり。僕と同レベルの酷さを叩き出していたのは、彼くらいではなかろうか?
そんな彼は公立高校に何とか滑り込みを果たすのだが、そこで事件を起こす。トイレで堂々と喫煙し、見つかり、1年次に速攻で退学処分を食らったのだ。
―まぁ、教育熱が高い人たちに言わせれば、これで人生は終了なのだが、彼はそうじゃなかった。通信制の高校に通い、19歳でそこを卒業。
その後は職を転々としながら全国を流浪し、今現在は僕の故郷で営業の仕事をしているのだという。
最後に会ったのは2年ほど前だが、その時は皆で酒を飲みながら、アプリを使って女の子を物色していたなぁ。元気なやつめ。
まぁ、幸せそうで、そして自立しているから、良いんですけどね。
不良すぎて高校を止めた僕の親族。
次は身内の話。昔のアルバムを見て驚いたが、『ザ・ツッパリ』みたいな出で立ちの写真が残っているのだ。しかも10人くらいのグループ。
確かに彼はビール瓶の蓋を人差し指を親指で折りたたむくらい筋力が強く、その片鱗は今も少し見えるのだが・・・。実際、高校まで行ったけど中退したそうだ。
その後はドカタとして働きながら下積みを重ね、僕が知らない間に独立、今では社長としてバリバリ働いているのだという。
極端な生き様はカリスマを生む。なんかその好例だなと、僕は豪快な姿を見るたびに思わされる。
勉強が嫌いすぎて高校を止めかけた僕の弟。
最後は究極の身内。僕には弟がいるのだが、あいつは振り返れば勉強がマジで嫌いだった。
僕が大学にまで進学したせいで周囲から勉強に対する圧がかかり、それを若干の迷惑と捉えたくらいなのだという。うーん、知ったことか!
そんな弟は高校の頃学年で下から数人という順位にまで落ち込み、本気で意欲を失い、両親に高校を止めさせてくれと訴えたのだという。
そこは両親が説き伏せて、そのタイミングでたまたま超苦手科目の担当が変わり、そしてその先生が自分にぴったりだったこともあり、更生することができたそうだ。
ちなみにこの話を僕が知ったのはほんの数年前。長男は蚊帳の外である。
その後は高卒で働こうとするのを両親がまた説き伏せて、専門学校卒とし、営業をしたりプログラマーをしたり、それなりに苦労をしていたそうだ。
実は僕もいたたまれなくなり、金銭的な支援をしたことは何回かある。それでも色々踏みとどまって頑張ってきたそうだが・・。
最近、正社員として雇用され、待遇も改善、そしてかねてより交際していた彼女と籍を入れたのだという。なんという吉報。
コロナ禍では式を挙げることも叶わなかったそうだが、簡易的なモノを挙げて幸せそうな写真を受け取っている。ほっとしたぜ。
これからも苦労はするだろうけど、なんかやっていけるだろという変な安心を抱かせる人間である。
まとめ。
僕は彼らから見れば、彼らに無いものを持っているかもしれない。だが彼らははっきりと、僕に無いものをもっていて、そしてそれを活かし社会的に成功している。
その要素は非常に簡単だ。
①コミュ力
②柔軟性
以上。彼らは人と打ち解けることが得意で、衝突を恐れない。そして一つの可能性が消えたことを、いちいち絶望しない。『次』を必ず考える。
一方僕は、多少勉強が得意だったものの、上記の要素を両方とも欠いており、かなり窮屈な青春時代を送ることになってしまった。
この仕事をしておきながら、これを言うのは恐縮だが・・。
勉強ができる、できないなんて所詮ただの一要素
である。『学歴』が無いなら、それが必要ない世界を探せばいい。そういう話なのかもしれない。
では今日はこの辺で。