英検1級を取っていると、新しいビジネスチャンス(という名の思い付き)を周りからよく言われる。
『英語教育が必修化するでしょ?もっと幼児教育に熱を入れた方が良いよね、やってみん?』
『小学校低学年から英語のコースを用意しておけば、そのまま引っ張り上げる道筋もできるよね、やってみん?』
等々。つまり、幼稚園~小学3・4年の英語教育に手を出そうぜと、そういう話である。
まぁ、これについては苦笑いしながら後頭部をぽりぽりするしかない(^^ゞ
誤解を承知で言うけれど、僕は今さらその分野に手を出す気はさらさらないからだ。
今日はそれについての言い訳を書きます。
英語教育はレッドオーシャンである。
わかり切ったことだが、需要があるところには必ず供給が生まれる。英語教育のニーズが高まるということは、つまりレッドオーシャン化することに他ならない。
また、コロナ禍の影響で、オフラインの教室に集合して授業という形式はあまり好まれなくなっている雰囲気もある。これは地方なら猶更だ。
すると仮に僕らがそういう分野に参入するとして、対決する相手は地方の競合他社ではなく、全国展開する教室と、そこが抱える超エリート講師である。
オンラインレッスンは今や非常に一般的な形式であり、価格も非常に抑えられている状態だ。心理的バリアはガンガン下がっている。
こんな風に、そもそも無理して参入しても、旨味に乏しいことが目に見えているのが今の低学年に対する英語教育なのである。
―だが致命的なのは、そういう業界の現状ではない。もっと僕自身に関することだ。次はそんなお話をしてみる。
僕の人生にガチな英語教育は無い。
致命傷は、僕が人生で一度も英会話のレッスンを受けたことがないというキャリアだ。
あまり信じてもらえないが、僕は留学経験もホームステイ経験も無く、海外に行ったのも東南アジアの国ばっかり3~4つである。
12歳で義務教育という英語に触れるまで、僕が持つ英語の知識は『えいごリアン』と『トムとジェリー』 だけであった。(白くて細いキノコがお気に入りです)
我ながら覚醒したのは高2の頃であり、それまでは英語って正直苦手科目寄りだったのだ。
・・・・・・・こんな人生の僕なので、どの面下げて『幼少期からの英語教育はええよ!』と言えようか。
一度も食べたことのないラーメンの味をプレゼンするようなものだ。どうしてもそこには『嘘』と『ズレ』が介在する。
また、僕が教えていて一番『響く』と思う生徒層は、『英語を割り切っている方々』。つまり、受験や定期テストで使えさえすればそれでいいというタイプだ。
僕は生徒に英語が『できるように』してあげるのは無理だが、『点が取れるようにしてあげる』のは得意である。
僕自身英語で飯を食っていく気はサラサラないので、熱意が乏しい。やっぱそんな半端な覚悟でレッドオーシャンに漕ぎ出すのは、ただの泥船なのでやる気はない。
それでもしろと言われたら?
断言するが、僕がゼロからそういうノウハウを学ぶなんてことは絶対にしない。熱意がある人、経験がある人を探し、僕は管理側に回る。以上。
今の世でゼロから自分を鍛えるという迂遠なことはマジでしたくない。最初からできる人を口説き、その人が能力と熱意を発揮できる場に専念した方が早い。
―その上で、例えば高校受験とか大学受験という話が出て来れば、僕が出張ればいい。そんなことを考えております。
てなわけで、今日はマジで誰に対するエクスキューズなんだという話だが・・。光あれば闇あり。
英語教育熱が高まるにつれ、そこに加われなかった層やそこから落ちこぼれた層も出てくる。僕はそちらのセーフティーネットでありたい。
コバンザメみたいな生き方だが、生存戦略としては一級品なので、別に悪くないのではなかろうか。
では今日はこの辺で。