色々有効な策を調べている最中なのだが、国語の文章読み取りと、算数の文章題が顕著に苦手な生徒がいる。詳細は伏せるけど。
例えば、前後の繋がりを意識した書き抜きはまずできない。答えを探すうちに、条件を忘れてしまうためだ。指摘すれば、気付いてくれるけど。
また、小説の人物関係も、上手くつかむことが難しい。というより、名詞が何を指すのか、そもそもそれが名詞なのか、ピンと来ていないらしい。
この間も、『ここは誰が喋ってる?』と聞いたら『つきよ(月夜)?』『はばしゃ?(「おじいちゃんはばしゃばしゃと海に」・・)の一部』と返されて頭を抱えてしまった。
国語の方については、『めっちゃ苦手』では説明しきれない部分があるような気がするが、邪推なのでそこまでにしておく。
正直、こういった生徒の自己肯定感は、大抵著しく低い。そりゃ、やってもやってもなかなかできるようにならないのは、面白くないよな、と。
また、そういう際の対応は、合格するまでの追試というケースも多いため、なおのこと苦痛になっているのが現状なのだろう。
ーこういうケースを踏まえると、『授業』とは果たして、『点数の担保』や『できる感覚』さえ売ればいいのかと、疑問符が付いてしまう。
それが満足度に直結していない気がするからだ。だから僕は、この生徒に限り、完全にベクトルを変えた。
今日はそんな話。
ニーズはもっと多様です。
ちょっと極端な例で話を進める。突然だが、『キャバクラ』という業態の飲食店?がある。
簡単に言えば、女性とお話しながら、盛り上げてもらいつつ、酒を飲むお店。
僕は行ったことこそ無いのだが、そこにゾッコンとなった友人は数名居り、その理由を尋ねたことはある。
聞けば、『シンプルに女の子と話すのが楽しい』という奴が大半だったのだが、一人だけ超切ない理由を言う奴がいた。
『疑似恋愛みたいな感じが楽しい』
おぅ・・。現実世界で全くモテない自分。ならば、お金でプロに、その鬱屈した気分を晴らしてもらうだけでなく、欠落した何かを満たしてもらう。
Ifの自分に出会い、損失した自信を補ってもらう場。彼にとってのキャバクラはそういうところなのだという。
聞きながら涙が出そうだった。(最近はいけてないらしい。まぁ、でしょうね)
―ってのを考えると、この感じって授業でも似ているよな、と。『点が欲しい』という前に、『わかった感覚を知りたい』というニーズは、多分ある。
ということで、先の例だと、僕はどう割り切っているか?賛否あるのは承知だが、ほぼ答えまで誘導し、解答だけ言わせ、超褒めて気分を良くしてあげている。
僕「この登場人物の気持ちは、はい、この行見て、『怒られて・・』何?」
生徒「かなしい」
僕「はい〇!やるねぇ、マジ!」
これをずっと繰り返す。龍が如くでしか行ったことないけど、なんかキャバ嬢の気持ちがちょっとわかる。
ちょっと前まで生徒の点数を上げられない塾は価値が無いとされていたが、今は失われた自尊心を満たしてあげる塾なら、その限りじゃないのかもと思う。
僕自身『勉強してるフリ』を推奨している気がして結構ジレンマを抱えているが、仕事なので意識して割り切る。頑張る。
もしかしたらその内成長してできるようになるかもしれないしな。それを期待し、今は気持ちよく答えを言ってもらい、満足して帰ってくれればそれでいいや。
ただのコラムでしたが、今日はこの辺で。