精神年齢9歳講師のブログ

日々を自由研究の如く生きたい。

申し訳ないけど、どれだけ講師が優秀でも成績が上がらない生徒の特徴(と少々の改善策)を語りました。

今日は19:30から酒を飲んで20:30には寝ます。明日は4:30起きだからです。精神年齢が低いと遊びに全力になれますね。中元です。

 

はい、今回も例によって例のごとく、おしゃべりシリーズです。

 

いよいよ新学期が始まって、今ちょっと遠くへドライブしている最中なんですけれども、真新しいユニフォームの学生がいっぱい自転車乗ってて初々しいですな。

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なるほど、今から新しい生活が始まったんだなって、そんなおっさんめいたことを考えてます。

 

すると新生活の中で新しいこと始めようっていう話で、アルバイトとして塾を選ぶ人もちょこちょこいるですよね。

 

ありがたいことに僕が勤める塾にも、もちろんドライなタイプもいるんですが、ほとんどは純粋に教育というものに対して向き合ってくれる講師が在籍してます。

 

授業に対しちゃんと緊張してくれて、準備してくれて。生徒の点数あげようっていうふうにやる気を持ってくれて、点が上がらなかった時にちょっと反省してくれる。

 

そんな学生講師が多く集まってくれています。

 

・・・ただそれは手放しに容認しきらないんですよね。真面目な人ほどやっぱり、塾講師という仕事に責任や困難さを感じて、すぐに辞めるという悲しい話

 

これは過去に何度かありまして、何だかんだ突き詰めれば優秀であるが故の結果が出せなかったときにおける自責の念が原因とか、そんなことが多いんです。

 

ただね、ただ、ですよ?ちょっと説明のため、一旦自分の話をしますね。

 

この仕事を5~6年続けてきて、僕も正直100人以上じゃ済まない生徒を見てきており、どんなに厳しく見積もっても7~8割くらいは入塾した後の成績をあげてます。

 

実は、勉強の仕方がわからなかったり、勉強してなかったりする生徒の成績を上げるのって、そんなに難しくないんですよ。させれば伸びるって事だから。

 

勉強じゃなくても、スポーツでも何でもそうじゃないですか。初心者ほど、成長早いですよね。だって、今まで何にもやってない分、伸びしろしか無いので。

 

だから手を替え品を替え、勉強時間を確保し正しい方法を教えてそれに取り組ませれば、大体は成績が上がるんですね。

 

もちろん話を聴いてもらえるよう生徒の心を開かないと全ては始まらないので、そこをないがしろにしたら当然上がるものも上がらないんですけれども。

 

・・・そろそろ本題に入るんですが、正直ですね、僕も成績を伸ばしきらない生徒って何人かいるんです。

 

そして申し訳ないんですけれど、『何百歩譲っても成績変わらんの俺のせいじゃねえだろ』っていう子っているんですよね、ほんと申し訳ないですけど

 

これは俺以外の人間がやっても多分変わらないだろうなっていうのをすごく感じる生徒は、比率としてはそんなに多くないんですけれども、ゼロじゃないです。

 

仮に真面目な人が何も知らずにこういうタイプの指導に当たると、その内、ヘタすりゃ心を病むんじゃないかなと、ちょっと危惧しております。

 

ということで今日はですね、最低限知っておいてほしい、多分誰がやってもなかなか伸びないよねっていう生徒(とご家庭?)の特徴を三つほど紹介いたします。

 

できる限り解決法も添えますが、色々あってか~なり大変です。

 

もしどんな手を尽くしても受け持ってる生徒の成績が伸びなくて悩んでしまうということがありましたら、ちょっと参考にしていただければなと思います。

 

あ、当然ですが、例えば他の生徒の成績はアップしているのに、特定の生徒だけそうならないといったレベルの授業の腕は前提として聞いていただければと思います。

 

そもそも一人も上げたことがない、あるいは上がらない方が多いという状況であるなら、まずは他人のせいにせず鍛えてください。

 

では以下、続きです。

 

 

自分を曲げないことはいつも美徳ではない。

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成績がなかなか上がらない生徒の一番の特徴はですね、その生徒自身が非常に頑固な時です。

 

つまりこっちが言ったことを何一つ聞いてくれないという状態ですね。これもいくつか実例がありまして。

 

ある科目の成績が伸びない生徒がいて、その生徒もそれを悩んでいました。

 

担当講師も自分も結構心を砕いていろんな勉強法とかを教えて、悩みを聞いて質問に答えてって結構行ってきたんですが、まぁ成績がうんともすんとも言わない、と。

 

こんな日々が続く中、よくよく話を聞いたり、自学してる様子をこっそり見てたりして気づいたんですが、こっちが教えた勉強法を一つも実践してなかったんですね。

 

これはちょっと釘刺さないと駄目だなと思って、強めに本人に言ったところ・・・

 

「結局今まで自分がやってきた方法の方が負担がなくてやりやすい」ということだったんです。

 

正直に言いますが、「こいつ何もわかってねーな」って思っちゃいました。(#^.^)

 

例えばキーボードのタイピングで考えたらわかりやすいんですよ。

 

最初は両手の人差し指一本ずつでカタカタするってのは、大体の人が陥る罠なんですけれども、それだとスピードに限界がありますし、すげーダサいじゃないですか。

 

ワープロ検定とかも級が上がれば指一本でカタカタとか絶対無理なんですよ。どこかで両手の指5本全部を使うフォームに直さなきゃいけないんです。

 

当然最初はですね、その五本指フォームの方がやりにくいですが、これって至極当たり前ですよね?今までやったことのない何かを習得するわけですから。

 

ただ、やりにくいんですけれども、そのフォームの方が、結果速く打てるようになるんですよ。おまけに慣れれば慣れるほど、正確にもなっていく。

 

つまり指一本×2でたどり着けない世界にいけるわけですが、最初の一週間ぐらいは、不慣れなため上手くいきません。新しいことをやるわけですので、これは当然。

 

そんなもんはわかりきったことであり、つまり成長痛みたいなもんなんですよ。しかし、自分に合わないからとさっさと見切りをつけて、元のやり方に戻すのは何故か

 

これは心理学的な話で言うと、『コンフォートゾーン』から出てこないタイプです。自分の手が届く世界から出ない、新しいことを取り入れるのを避ける。

 

・・・これは当人のメンタルが変わらない限り、こちらがどんな手を使っても、成績は多分伸ばしきれない。塾に来る前と状態が何ら変わってないからです。

 

この場合は勉強法とかを説く前に、もっと心理的なアプローチを何かできないかとか、そういった方をまずは勉強した方がいいかなと思います。

 

もちろん僕もこの辺はまだ勉強中だし、アマチュアも良いところなんですけどね。参考にされてみてください。

 

確固たる意志を持った無気力。

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続いて特徴として多いのはですね、やる気が全くない場合です。

 

やる気って正直言って、僕はあまり要らないと思ってんですけども、今回紹介するのはその次元ではないケースです。

 

授業中の演習も頑として手を出さない、宿題も確固たる意志を持ってやらない。何かしらの強い決意で、徹底して勉強しないタイプ。

 

・・・これはもうはっきり言いますと、教育費をドブに捨ててるようなものです。では一体、どういうメカニズムでこれが発生するのか?

 

このタイプは、「家だと勉強しないけど、プロのあなたたちだったらやる気出せるでしょ」っていう放任なのか信頼なのか微妙なケースでの問い合わせが多いですね。

 

はっきり言うと、実はこの場合、メンタルがこじれてる可能性もありまして。

 

どうこじれてるかと言いますと、ちょっとこれ僕の推測も入るんですが、そもそも親と子供の仲がそこまで良くないって場合ですね。

 

このぎすぎすした理由を突き詰めると、例えば親は子供が勉強して当然だろうと思ってるから勉強しても褒めないし、しないことを責めるばかりとか。

 

あるいはテストで、本人なりに良い点だと思うものを取ってきても、こんなもので満足してどうすんのという否定から入るとか。

 

こういった、プライドや自尊心をひたすらへし折るような関係性というものが出来上がってるってケースが、悲しいかな多いです。

 

これは子供に対する期待と取ることもできれば、その事情を知らない人から見れば高望みだと思われもする、非常に難しくデリケートな話です。

 

だからこそ、この状態では、塾としてアプローチできることっていうのはそもそもあんまり無いんですよね。

 

一番まずいケースだと、成績が上がらなければ親が困るから、勉強しないことで親に復讐していると言うめんどくさい心理状態ってのもあるんですよ。

 

ただ、流石にこのレベルは僕も経験としては無く、「嫌われる勇気」に書いてあったケースの1つを紹介しただけなんですけどね。

 

もしこういう心理が垣間見えるのなら、成績を上げることよりも、その生徒の自己肯定感とか自己重要感とか、つまり欠落した何かを埋めてあげるのが急務だと感じます。

 

極論、お勉強の内容なんかそっちのけですよ。親が褒めてくれないのであれば、あなたが褒めてあげればいい。

 

こうやって自己重要感とか自己肯定感を奪われてるという子は、それらを満たしてあげることで大化けする可能性があります。

 

だからまずはですね、やっぱりこちらも単元の噛み砕き方等に意識を向ける前に、まずは心理面の勉強とアプローチをした方が響くんじゃないかなと思います。

 

甘えや努力不足で括れない『LD』の話。

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Overcoming Dyslexia and Dysgraphia: A Case Study - Edublox Online Tutor | Development, Reading, Writing, and Math Solutions

 

そして三つめのパターンですが、これが一番根深い問題。『LD』 ですね。

 

日本語に直すと学習障害であり、成績が上がらない生徒の中には、やはりこれそのものか、それが疑われる場合があります。

 

以前記事にもしたことあるんですが、この『Learning Disability』は、『ディスグラフィア』『ディスレクシア』『ディスカリキュリア』の三つをまとめた呼び方なんです。

 

まずはっきりと目に見えるのは『ディスグラフィア』。これは文字が汚いとかの次元じゃなく、模範通りの文字が書けないという症状です。

 

※一例

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https://berd.benesse.jp/special/co-bo/co-bo_theme3-5.php

 

僕らって、例えばライオンとかゾウとかって、頭に浮かべる事って出来ますよね?ただ、それを何も見ずにリアルタッチな絵に直す事って難しくないですか?

 

本人としては至って真面目にその理想とされる感じの形を頭に浮かべてるつもりでも、それを紙面に再現することができない。結構思い悩む例も多いそうです。

 

では続いて、ディスレクシア。こちらは読解・説明を中心とする、言葉を駆使するあれこれに対して極端な困難を示すといったものだったと思うんですけれども。

 

例えば、国語の本文を読んでいる時に同じ行をもう1回読んでしまうとか行を飛ばしてしまうってことが非常に多く起きてしまう。或いは、読むのが顕著に遅いとか。

 

それらが全く直らない、読解問題の点が著しく低いといった場合だと、これを持ってる可能性があります。

 

軽い場合だと定規を当てながら読むことで解決する事あるんですけども、その程度が強いと、何でその答えに至るか僕も生徒も理解できない、なんてこともしばしばです。

 

ちなみにこれは、国語はなんともなくても、英語だけで出るといったケースもあるそうで。僕が持ってる生徒で一人、正直そうだろうなって子がいます。

 

その子は高校2年生なんですけれども、6文字以上アルファベットが並んでる単語がほぼ一つも書けないですよ。

 

そして結構頑張ってるはずなのに、単語を覚えられない。わざと反抗的な態度としてそんなことしてんのかなと思ったら、どうやらそうじゃないらしく・・。

 

かなりみっちり、単語練習を必死にやらせてみたんですけど、その結果が36個中2つか3つの正解数だったんですね。意味もほぼ同様です。

 

正直言って生徒に正攻法を突き付け続けても苦痛なだけ。僕はそう割り切って、誤解招いてもいいんで言うと、その子の成績を”上げること”は度外視しています。

 

その代わりテスト範囲の記号問題のヤマを張るとか、まだ正答率が高めの並び替え問題に特化するなど、欠点を回避することだけに注力しています。

 

で、最後。知名度が一番低いのがですね、『ディスカリキュリア』と呼ばれる、数的な概念や思考が極端に難しく感じるという考え方です。

 

実はこれ、今見てる小学生(中学年とだけ伝えておきます)の生徒に1人心当たりがありまして。例えば、筆算を立てれば割り算掛け算ってスラスラできるんですけど・・・。

 

『2時30分の15分後って何時何分ですか』といった問題が、一か月かかっても答えられないんですよ。

 

時計って、確かに面倒くさいですよ?例えば『3時30分の45分後って何ですか』と言うと、問題文では足し算してるはずなのに、4時15分という一見数が減った答えになる

 

これは分かるんですけども、同一の時間の中で15分経ったら何時何分ですかというのが1ヶ月経っても答えられないのは、流石に気になります

 

4時10分の15分後を問うと、そのまま1分近く固まって、全く関係ない時刻をいう感じです。

 

あとは図形も苦手で、半径が6cmの円の直径を問うと、これも1分近く固まって全く違う答えを言ってしまうってのも長いこと続いています。

 

残念ながらディスカリキュリアは、確かイギリスの研究だった気がするんですけど、他2つの症例と比較して診断数が1/10ぐらいらしいです。

 

だからこそ、適切なケアってまずなされてない、というのが現状らしいです。

 

ちなみにその生徒は、絵にするといった次元とかじゃなくて、実物を確認させれば解けます。時計の針を実際に15分進めたら、何時何分とは即答できましたね。

 

もちろん専門家でもなんでもない自分たちが『学習障害でしょ~』なんて迂闊なことを軽々しくは言えないですが、知っておいて損は無い情報だとは思います。

 

まとめ 兼 塾講師を職業に考えてる人に伝えたいこと。

 

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なんだかんだで30分ぐらいしゃべりっぱなしだったので、文字数が6000を超えてますね・・・・。

 

ですが、言葉少なにすると即誤解を招きそうなテーマだったので、今回はたっぷり目に喋ってます。

 

さて。やはり現実問題、どんなにプロの塾講師でも成績上げきらないケースってのはやはり存在します

 

生徒がすごく頑固な場合、確固たる意志を持ってやる気を出さない場合、そして『LD』・学習障害を持っている場合の三つですね。

 

もしこれらのケースに心当たりがあるのであれば、成績が上がらないのはあなたのせいじゃありませんし、ましてやその生徒のせいでもありません

 

そういうのも十把一からげに責任求めるのって、ちょっときついですよね。

 

ちなみに、上記の傾向のいずれかについて確信を抱くだけの情報を得たら、僕は保護者に説明します

 

『お子さんと会話できてますか?』とか、『顕著に苦手じゃないですか?』とか、さりげなく聞くと思います。そこをぼかしても、つまり誰も幸せにならないので。

 

ただそれをむやみやたらに一介の学生講師がご家庭に言えばとんでもないクレームに発展する可能性もあります。それは本末転倒。

 

もしみている生徒にちょっとそういう傾向があり、成績が伸びないことに悩んでるのであれば、絶対にその校舎のその部門の監督に伝えるべきです。

 

かくいう僕も、いわゆる校舎の個別授業とかの監督やってる人間なんですけど、そういった情報は絶対に言ってもらわないと困ります

 

例えばディスグラフィアを持ってる子に、『本人の努力不足ですから、毎日漢字を100個書かせましょう』とかって言ってはならないんですよ。

 

そういった地雷を踏まないためにも、そういった情報は積極的シェアしたほうがいいと思いますし、むしろ僕から拾いにいっています。

 

結果、講師自身も、会社も、生徒も、皆を守ることにもつながりますので。

 

・・・・・ちなみに、仮に、仮にですよ?そういったことを報告・相談するたびに、

 

『いやお前がちゃんと教えないからだろうが、お前の怠慢だろ、お前のせいだ!ちゃんと教えろ!!』

 

・・って風に話を全く聞かない人がトップなのであれば、その塾は辞めときましょう。理由は言わずもがなです。

 

最後にちょっと毒吐きましたが、そういったことを踏まえて伝わっていれば幸いです。

 

では、超絶長い記事でしたが、今日はこの辺で。

 

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