健康診断を受けたら、1年で9㎏減って3㎜伸びてました。飛び上がって喜びたいくらい嬉しかったガキ、中元です。
どうでもいいのだが、僕はよく本を読む。家の本棚に入りきらなくなってきたので、色んな大義名分をかこつけて、寄贈という設定で校舎にも保管しているほどだ。
数年前はそんな熱を生徒にも伝えて、読書しようぜと焚きつけることがあったのだが、まあ読まないので早々に諦めたのを覚えている。
本を読む、読まないは、コントロールできない。
そう思ってここ最近まで、強制することは無かったのだが・・。最近、あることに気付いた。僕が本について授業時にプレゼンすると、手に取る生徒が出始めたのだ。
ここってもしや突破口になるかな?そんなことを思いながら、今日の記事を書いてみる。
意外と本に何が書かれているかは知られてない。
冷静に考えれば、子供たちが普段読んでいる説明文なり小説なりは、遥かに長い全体の一部分を切り取ったものである。
しかも目的は、「そのテーマを通じて思考を深める」であったり、「気持ちを理解しようと取り組めるようになる」といった、教育上のそれに置かれている。
だからこそ、一見すると何を伝えたいのかが読めないことが多い。そこを一緒に考えて行くのが、教員の腕の見せ所ということなのだと思う。
もちろんこれはこれで尊いのだが、そういう性質があるがゆえに、本を読むことはトクをするという感覚をなかなか抱きづらい側面もあると思うのだ。
例えば僕が本を読む理由は、楽しいからってのはほぼ無く、「知りたいことのヒントを探すため」か、「学びたいことの知識を深めるため」に終始する。
しかし、実は本を開けばそれらが書いてあることは、大学3年まで全くと言っていいほど気付いていなかった。
理由は、読書は娯楽か、そもそもめんどくさいことが書いてあるだけだとずっと思いこんでいたためだ。僕の悩みの答えが書いてあるとは、夢にも思わなかった。
意外な盲点だと思うが、特に義務教育下の子どもたちは、驚くほど触れることのできる本のジャンルが少ない。
かいけつゾロリも、はらぺこあおむしも、学校の怪談もタンタンの冒険も学研の図鑑もデルトラクエストも、全て面白い名作だと思う。
だが、世の中にある本はそういった類だけじゃないことに、気付ける子供はどれくらいいるのだろうか。
最近のスマホへの傾倒による(とされる)活字離れの一因も、そこにあるような気がしてならない。意外と子供たちにとって、読書が伝える世界は"閉じている"のだ。
教えてあげねば始まらない。
「本を読むと役に立つ!得をする!」というのは、意外とみんながそう思っている共通見解ってわけでもない。
だから、そもそも「なぜトクをするのか?」というところから掘り下げて伝えないと、最初の関心すら抱いてもらえないと僕は考えている。
僕にとってその最初の一歩を開いてくれたのはこの本だ。
「本の中にはこんなに面白い世界が書かれているのか!大事な教えが書かれているのか!」と興奮したのを覚えている。
大人になっても読書の価値がイマイチつかめない方には、ぜひオススメである。
さて。だからこそ、僕は時たま授業開始時の10分くらいを使って、「これは学びが多かった」とか、「面白かった」と思う本を、実物片手にプレゼンすることがある。
賛否両論あると思うが、 そこで選ぶものは、純粋にその観点からでしか選ばない。教育上どうこうとか、知ったこっちゃないのである。(猟奇的なのは流石に選ばないが)
例えばこないだは、【今の世の中が本当はどうなっているのか知ってる?】という出だしで、【革命のファンファーレ】をプレゼンした。
そして別の機会では、僕が読んでいる本に興味を持った高校生に、【経済学は面白いよ、感情抜きに得する行動が選べるから】と言いながら、以下の本を推した。
また別の機会には、中3に【数学者たちのドラマがアツくて面白い!!】と言いながら、興奮しつつ【フェルマーの最終定理】を紹介したし、
今日にいたっては、【世界史・経済史・人文学・言語学・生物学が全てまとめられた神の本!!】と言いながら、【サピエンス全史】の良さを中1にプレゼンしたところだ。
もちろん9割くらいはスルーされるのだが、1割は興味を持って質問してくれたり、実際に読んでくれたり、って言うこともある。確率10%って、かなり高い方だと思う。
プレゼンすることで自分の記憶の定着と確認ができるって言う面ももちろんあるが、結果それで双方が得をするなら良いことだよねと、とりあえず僕は納得している。
本を推す前に、中身を語っているか?
繰り返すが、ここは盲点なので、読書習慣が子供や生徒さんになかなか浸透しない方は、試してみてほしい。ただし、もちろん全部読んだうえで。
では今日はこの辺で。