夏休みの日記に、「今日はスイカを食べませんでした」と書いて、スイカの絵を描いて提出していた同級生を、僕は尊敬しています。中元です。
さて。夏休みがいよいよ始まった。部活に向かう中学生が大勢校舎の前を通っていく。そんな光景が見られるようになった。
「夏休みの予定は?」と生徒に聞くと、それはそれはたっくさんの予定が数珠つなぎで、途切れることなくその口から読み上げられていく。その顔は、超晴れやかだ。
―ただし高校生になると、それが「しなければならないこと一覧」に早変わりするので、面白い。
数学の課題、英語の長文、読書感想文、エトセトラ。
・・・何度かここで書いたが、そうやってテンパっている生徒は、その時点で非効率的になることが確定しているも同然である。
ちなみにこのことは、期間が伸びて受験に関することになろうと、根っこは同じである。
ということで今日はそんなお話。
マルチタスクはただ非効率なだけ。
マルチタスクという言葉がある。簡単に言えば、「複数の仕事を同時進行で処理していくこと」であり、有能な人ならできることというイメージがそこにある。
例えば、机の上に数学と英語と現代文の問題集を広げ、次々に解く対象を切り替えながら進めていくという感じだ。確かに一見、早そうではある。
しかし残念ながら、今のところ、「マルチタスクって非効率だよね」という意見が主流になりつつあるらしい。
―他にも探せばゴロゴロと、「マルチタスク非効率」というのを示すデータは出てくるので、思ったより害のある考え方なのかもしれない。
この理由はシンプルで、人間は複数の対象に、同時に意識を集中できないからというただそれだけだ。
【決断力】でも書かれていたが、「ある程度の時間を掛けて、スキンダイビングで潜るように、集中は深まっていくもの」なのだ。
それがある程度のところまでたどり着く前に、別の対象に意識を向ければ、それまでの集中はすべておじゃん。マルチタスクは延々と、それを繰り返しているだけに等しい。
尚、マルチタスクを効率的にする方法も一応発見されてはいるらしいが、なんか逆にせわしない。
好みに合えば取り入れてもいいだろうが、この記事では以下に別の方法を書いておく。
基本はアイビー・リー・メソッド。
これを打破し、効率を高めるための方法は、なんと20世紀前半には既に考案されていた。それが目次にある通り、【アイビー・リー・メソッド】である。
とはいえ、やることはまさに、"超シンプル"。以下の手順に従って、日々の作業に取り組むだけだ。
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夜、紙に「明日やるべきこと」を6つメモします
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その6つの項目を重要だと思う順に番号を振ります
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翌日、メモの順番に沿って仕事(勉強)を進めましょう
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全部できなかった場合は、悔やむことなく忘れましょう
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その日の夜も、明日のための6項目を新しくメモします
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1〜6を毎日行ないます
てな感じ。ちなみにやるべきことを書くタイミングは、何も夜じゃなくてもいい。その日の朝でも、席について最初に行う準備運動としても、両方使えると思う。
得てして、夏休みの課題が終わらない生徒は、そもそも取り組まない。なぜかを考えると、総量見積をミスっており、取り組む前から諦めているためだと思う。
取り組むことを可視化して、残量は一旦忘れる。そして、その日その日のノルマを消化することにだけ集中する。
基本的極まりない考え方だが、これが効果的なので面白い。テンパっている生徒にはもれなく伝えている話である。
終わりに。
ちなみにこれは、自分事としてもしょっちゅうお世話になっている。
僕自身の話だが、何かにカリカリしたり、不思議と気分が高ぶらなかったりするときというのは、多くのタスクを頭の中で同時に考えていることが原因である。
だから職場に着いたらすぐ手帳を広げ、箇条書きにしてアウトプットし、終わるたびに1つ、また1つと消していく。
そうすると【前進している感覚】も得られるし、段々とエンジンが掛かってきて、気づけば平常運転に戻っているのだ。
ということで、学生も社会人も関係なく活用できる【アイビー・リー・メソッド】、夏の多忙期にぜひ試してみてほしい。
では今日はこの辺で。